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森友問題、最終章へ…国交省作成の証拠資料で偽装発覚、存在しないゴミ層を「ある」と報告

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2019年05月23日 19:41  Business Journal

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写真籠池泰典・諄子さん夫妻、衆院大阪12区補選にて安倍首相の街頭演説会場に現れる(写真:日刊現代/アフロ)
籠池泰典・諄子さん夫妻、衆院大阪12区補選にて安倍首相の街頭演説会場に現れる(写真:日刊現代/アフロ)

 森友問題をめぐる写真偽装問題が、最終章を迎えつつある。国は校舎建設予定地の3m以深の深部から埋設ごみが掘り出されたと説明していたが、その証拠としていた写真には、深部にごみの層が写ってないことがデータ解析により判明した。今回はこの事実報告を中心に、写真偽装問題を振り返り、では、写真に写っていた埋設ごみは、どこから運び込まれ、処分されたのか。今回は森友問題の最終章に入ったことを報告したい。


 森友問題は安倍晋三首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務める学園に、国有財産の不当な払い下げが行われた点に最大の問題があった。国家の私物化である。すでに2017年2月、森友学園への国有地売却価格が隣接地の販売価格より10分の1であることがわかり、直後に国会で安倍首相は「私や妻が関与していれば、議員を辞める」と発言し、すでに2年3カ月が経過しようとしている。森友問題も確実に最終章に入りつつある。


 事件は検察特捜部も捜査したが、市民団体が告発した財務省関係者など38名はいずれも不起訴とされ、これに対して検察審査会は「不起訴不当」の結論を出し、裁判で全貌を明らかにすることを求めている。国は、森友問題の核心点である値引きの理由を「地下深部から新たな埋設ごみが見つかった」とし、その埋設ごみが約2万トンあり、約8億円の撤去費がかかると説明してきた。この説明は国会における調査・議論のなかで、下記のように破綻している。


(1)もともと住宅地だった学園用地は、国も何度も地層の調査を行い、3m以深の地下深部には埋設ごみはないことがわかっていた。


(2)過去に鑑定評価が行われており、12年7月の鑑定評価では撤去費用8437万円となっていた(その分量に該当する埋設ごみの撤去は、第1回目のゴミの撤去で行われていた)。


(3)今回の学園建設にあたって排出された産業廃棄物は約200トン。2万トンの100分の1。それは建設にあたって排出される新築系産業廃棄物であり、埋設ごみはゼロであった。


 以上の科学的事実が示されれば、国が9億5600万円の土地を8億2000万円も値引く根拠はなくなったといえる。それに加え、会計検査院も値引きの「根拠が不十分」「適正ではない」と判断した。


 では、なぜこの問題の決着がつかず、今日まできてしまったのか。もちろん第一の原因は、国がこうした事実と向き合わず、ひたすら言い訳に徹して説明を避けてきたことにある。例えば、安倍首相は会計検査院の「適切ではない」という報告を受けて、「財務省や国土交通省の官僚が適切と言ってきたからそう言った」と答弁し、「この報告を受けて各省庁が検討するように」と責任逃がれの発言をしている。


 そして真相解明が引き延ばされた最大の理由は、国が提出した試掘写真資料にあったと筆者は考える。近畿財務局が撮影した試掘写真資料を見ると、深部から掘り出されたとされる廃棄物が積み上げられた山が、写っていた(写真2)。しかし、もしそれが地下深部から掘り出されたものでなければ、国による大掛かりな偽装となり、森友問題は新たな段階に進展することになる。


 すでに国が提出した写真資料の偽装は、表1で示したように「17枚写真資料」「21枚写真資料」とも、次々と見つかり、国会でも指摘されてきた。それに加え今年に入り、写真資料を作成した工事業者(藤原工業株式会社)が、「いい加減に撮影した」「深さは意識しなかった」と写真偽装を認める証言をした。


 そして今回、その「21枚写真資料」の内、深部にゴミの層があると報告されていたたった1つの試掘穴には、ゴミの層がないことがわかったのである。データの解析によって、試掘写真資料NO1に記載されていた深さ「1mから3.8m」にゴミの層があるという記述は、まったくデタラメであり、国有地売却における値引きの理由とされた唯一ともいえる証拠資料は、証拠能力を失ったのである。


●最後に残った1枚の証拠写真の鮮明画像から、説明書きの偽装がわかる


 国が森友学園用地から掘り出したとする廃棄物の山が写真2に写っているが、これらは本当に学園用地の深部から掘り出されたものなのか。それを証拠立てる資料があるのか。


 国会での議論後、国交省が改めて提出した試掘写真資料が「21枚写真資料」であり、そこには8カ所の試掘穴が示され、それらの試掘穴から廃棄物が掘り出されたと説明していた。そのなかで地下3mの深部から掘り出したと記載されていた試掘穴は、「A工区No.1」の写真1枚だけであった(写真3)。
 
 この「A工区No.1」(写真3)の写真資料には、「深さ:GL-4000」「ゴミの層:GL−1000〜3800の間」(単位はmm)との記載があり、これは1〜3.8mの深さという意味である。つまり穴の深さは4mで、1〜3.8mの深さにわたってゴミの層があるという説明だった。ところが国が提出した写真を見てもわかるように、穴の中は真っ暗で、その記述を確かめることができなかった。


 そこで今回、辰巳孝太郎参院議員(共産党)が国から入手したこの写真のデジタルデータを、市民団体「森友ごみ問題を考える会」が提供してもらい、専門家が濃淡を調整して穴の中まではっきりと見ることができるように解析した。その写真が「写真4」である。穴の深部(3m以深)は独特の地層になっており、ゴミの層はなかった。写っているメジャーには1平方メートルごとに白、黄色、白と交互に色付けされており、そこから穴の深さを見て取ることができた。


 この森友学園の土地は、これまで国交省大阪航空局が何度も地層の調査を行って、3m以深では堆積層になっており、埋設物はないことが報告されていた。かつて住宅地として整備する前には、田んぼ等だった同地は、石やコンクリートを投入し、その上に土砂を打ち固め基盤整備していた、そのようにして近年整備された部分は盛り土層や埋め土層と呼ばれ、それらは約3mまでの深さであることが報告されていた。それより深部は、何百年、何千年もの間に堆積されてつくられた沖積層であった。


 今回解析された写真4が示す穴の中の様子は、これらの分析結果と合致し、独特の地層は沖積層の一部と考えられた。そこには埋設ごみの混入がないことが目視で確認でき、メジャーをたどると、白、黄色、白と続いているが、黄色より少し下のところでゴミの層が終わっていることがわかる。深さで見ると2メートル少しのところである。それより深いところは粘土質の堆積層であることがわかる。


 国がごみが存在していた証拠だとするこれら試掘写真資料から、ごみがなかったことが明らかとなり、ようやく森友問題に決着がついたといえる。


表1 写真偽装の事実


<17枚写真資料(近畿財務局作成)>
・写真3と写真16  同じ写真であることを財務省認める  
・写真4と写真17


―藤原工業)>
・写真No.7と写真No.10と写真No.11の3枚は同一の穴であると国交省認める  
・試掘穴8カ所と試掘穴20カ所の関係:「20カ所の内、埋め戻さなかった8カ所」
と藤原工業の回答書では回答→しかし同じ位置の写真はなし
・試掘穴No.6〜8は、財務省撮影の写真になし。石井国交大臣「そもそも関係ない」
「大事なのは、写真NO1 である」と答弁


●3月26日の国会論戦


 3月26日の小川敏夫参院議員(立憲民主党)の質疑によって、試掘写真のなかで大事なのは1枚の写真であると国が考えていることがわかった。それは試掘穴1番(A工区・No.1)に示された試掘穴だと、国会論議のなかで石井啓一国交相が改めて強調した。写真偽装問題を一貫して追及してきた小川議員は、いよいよ最後の詰めに入り、これまで表1で示された「17枚写真資料」(財務省作成)や「21枚写真資料」(国交省作成)の偽装に加え、「21枚写真資料」で示されていた8カ所の試掘穴の内、3カ所(No.6〜8)が財務省の撮影した写真のなかに存在しないと指摘した。


 財務省は、「21枚写真資料」が撮影された同じ日の16年4月5日、学園用地内の様子を撮影していた。小川議員は、昨年提出された4000ページの資料に掲載されていたこの財務省の写真を分析した結果、試掘穴(No.6〜8)があると示された位置に穴がなく、平地となっていることを見つけたのである。この点を小川議員が質問すると、石井国交相は「地下埋設物の算定には、6、7、8はそもそも関係ないということです」と事務官のメモを見ながら口走ってしまったのである。


 そもそも試掘写真資料は、森友学園用地の地下深部から埋設ごみが出てきたことを証拠立てる重要資料である。そこに示された試掘穴が、実際には学園内になかったとする指摘に対して、「関係ない」とする答弁はあまりにひどい。その上で、「3.8mの深度までごみが確認されたとされる試掘穴1番については、ミスがありません」と石井大臣は答弁した。


 ところがその写真No.1に示された試掘穴1番は、写真3で示したように中が真っ暗でわからないように加工されていたが、前述の通りデータ解析の結果、深部には、ごみ層がないことが判明した。地下深部には、表層部で撤去した埋設ごみの20倍もの埋設ごみがあるとの想定を立証するはずの掘削写真資料は、そのような事実がないことを改めて確認する資料となったのである。


●森友問題、最終章に
 
 一度約1000トンの埋設ごみを撤去したその地下深部から、新たに2万トンの埋設ごみが出たという国による奇想天外な主張への反論は、国が示した試掘写真資料によって抑え込まれてしまった。しかし今回、その偽装の実態がほぼ余すところなく明らかになった。


 では、近畿財務局が撮影した「17枚写真資料」で示された埋設ごみの山は、同用地から掘削されたものでないとすれば、どこから持ち込まれたのか。また、どこに運び処分されたのか。


 森友学園用地は、試掘写真が撮影された16年3〜4月は、まだ学園用地として賃借中の国有地であり、廃棄物の処分場ではない。したがって、17枚写真資料に写っている産業廃棄物を運んできた事業者は、廃棄物処理法の不法投棄や保管の罪に問われることになり、この時点で森友学園から工事を請け負っていた藤原工業の責任が問われることになる。


 また、その後、17年3月まで廃棄物の山はそのまま同用地内に保管されていたが、藤原工業の産廃マニフェストには、新築系混合廃棄物が194トン、約200トンと報告されていたが、埋設ごみは「ゼロ」であった。


 では、17枚写真資料に写っていた廃棄物は、誰がどこに運んだのか。この点も藤原工業は問われることになる。


 そして次に会計検査院の役割が問われる。すでに同用地は校舎建設にあたり、15年7月から12月にかけて中道組が土壌改良工事を行い、その代金として国が有益費として1億3000万円(内、埋設ごみの撤去費8632万円)を工事業者に支払っている。にもかからず新たな埋設ごみが出たとして約8億円を値引いたということは、二重払いといえる。明らかに不当な会計処理である。これを会計検査院は、ただちにチェックすべきである。チェックできないのであれば会計検査院は必要なく、民間の会計法人に任せるほうがよい。


 森友問題は、写真に写っていた埋設ごみの山がどこから運び込まれ、どこで処分されたのかという新たな局面に入った。最終章の扉が開かれたといえ、国会、会計検査院、検察特捜部が、それぞれの役割を問われることになる。今回発覚した写真偽装問題について財務省、石井国交相、麻生太郎財務相、安倍首相の辞任は不可避である。森友問題事件は、ようやく最終章まできたといえる。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト)


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