配送ドライバーや弁当工場も…コンビニ関連業種の新ユニオン、6月発足へ

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2019年05月24日 12:02  弁護士ドットコム

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コンビニバイトや配送ドライバー、弁当工場の労働者らを対象とした「コンビニ関連ユニオン」が6月に発足する。代表にはセブンイレブンの現役社員・河野正史さんが就任する予定だ。河野さんは5月23日、都内で記者会見した。


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すでにオーナーを中心とした「コンビニ加盟店ユニオン」があるが、河野さんは「力関係に差があるのはコンビニ本部とオーナーだけではない」とし、オーナーも含め、チェーンを問わず、幅広い業種をカバーする方針を明かした。



全国の合同労組に相談窓口をつくるといい、結成後は7月11日の「セブンイレブンの日」に時短ストをしたいとしている。



●コンビニ関連業種でも相次ぐ労働災害

セブンの関連業種では2017年1月、長野県のトラック運転手(43)がセブンへの配送中に倒れ、過労死と認定されている。



最近では5月19日、セブンの店舗にならぶオリジナルパンを製造する茨城県の企業でフィリピン国籍の労働者(32)が工場の機械に頭部を挟まれ死亡した(読売新聞、2019年5月20日朝刊)。



直接的な原因は各企業にあるにしても、そこで働く人たちの労働環境を改善するためには、配分の問題も含め、コンビニ業界全体で考えていく必要がある。



「配送ドライバーも長時間勤務が当たり前。店舗スタッフも複数の仕事のかけもちが珍しくないし、オーナーが深夜倒れているのも見てきた。本部社員がオーナーのためにと思っても、上司からは『発注を入れろ』と圧力をかけられ、板挟みだ」(河野さん)



24時間営業の希望制や本部負担による社会保険加入、自費で商品を買い取る「自爆営業」の根絶も目指すという。





河野さんは2001年にセブン-イレブン・ジャパン入社。経営相談員(OFC)として、長野・山梨エリアを担当している。2013年には、長時間労働から精神疾患を発症して休職。同社には労働組合がないため、復職後は地域合同労組「千曲ユニオン」に加盟した。



本部に対し、職場環境の改善などを訴えたところ、2017年3月に降格。不当な処分だとして、長野県労働委員会で本部と争い、2018年12月に和解。元の業務に復帰した。



今年3月には、36協定が適切に結ばれていない主張し、セブンの幹部3人を刑事告訴した。



(弁護士ドットコムニュース)


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