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GoogleとHuawei、企業による代理戦争。 ゲーム・アプリ開発者はどう見る?

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2019年05月26日 16:00  HARBOR BUSINESS Online

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HARBOR BUSINESS Online

写真THAM YUAN YUAN via Pixabay
THAM YUAN YUAN via Pixabay
◆GoogleがHuaweiのAndroidサポートを一部停止のニュース

 GoogleがHuawei(ファーウェイ)のAndroidサポートを一部停止するというニュースが話題になっている(参照:ロイター)。アメリカと中国の貿易摩擦という理由もある。それ以前にHuaweiは、安全保障上の理由から問題視されてきた(BUSINESS INSIDER JAPAN)。最近も、オランダでファーウェイ製品の「バックドア」が発見されたというニュースもあった(参照:フォーブス ジャパン)。

 Android自体は、オープンソースのOSだから、その公開バージョンはHuaweiも自由に使える。一部停止は「Google Play」や「Google Chrome」「Gmail」「YouTube」「Google マップ」などのGoogle製ソフトウェアが対象となる。これらのGoogle製品は、Androidのユーザー体験と一体となっている。それらがないとAndroidの価値は大きく損なわれる(参照:Engadget 日本版)。

 Googleは、既に供給されているHuawei端末に対するセキュリティアップデートは提供すると発表している。しかし、Androidの事実上のエコシステムである「Google Play」や、各種Google製品が今後供給されなくなるのは痛い。欧米諸国や日本では、これらが入っていない端末は売れないだろう。

◆非Google Playのマーケットではどんな問題が?

 Android向けアプリのマーケットは「Google Play」だけではない。他にも存在しているが、「Google Play」ほどの規模のものはない。そうした小さなマーケットではどういった問題が起きるのか。

 まず、アプリの数が少ない。そして有名なアプリが存在しない。有名アプリがないと、その海賊版がはびこる。「アプリがある」と思って検索する人を狙い、罠のアプリが大量に登録されるからだ。

 現在の状況では、「Google Play」が入っていない端末のマーケットに、Androidアプリを登録する理由はあまりない。そもそも、課金や広告などでGoogleが提供する機能を利用しているアプリは、Google抜きの環境では動かない。大幅な改修が必要になる。

 また、開発者目線で言えば、「その他大勢」のマーケット向けにアプリをリリースするのは、コストがかさむ。

 複数のマーケットにアプリを登録する場合、そのそれぞれで作業が発生する。登録に10分かかるとして、10のアプリを、10のマーケットに登録して、月に1回アップデートすれば、16.6時間(1000分)の作業時間が必要になる。動作検証などもすれば、それだけの時間では済まない。その結果、大きなマーケット、つまり「Google Play」のみを対象として開発することになる。

 Huaweiが独自にエコシステムを作ったとしても、ある程度の規模を確立できなければ、開発者から無視される。あるいは中国市場向けに特化するのかもしれない。または、中国国内のアプリを従えて、新興国の市場を狙うという戦略を採るのかもしれない。

◆Huaweiという会社

 ここで少し、Huaweiという会社について触れておこう。

 Huawei Technologies Co., Ltd.(華為技術)は、中国深圳市に本社を置く会社だ。設立は1987年。携帯電話のインフラ用通信機器を開発する会社としてスタートした。当初は中国国内で活動をしていたが、2000年代以降は海外に事業を展開する。そして2012年には売上高でエリクソンを超えて世界最大の通信機器ベンダーとなる(参照:Wikipedia)。

 同社がAndroidスマートフォン市場に参入するのは2009年だ。同年2月に初となるAndroidスマートフォンおよび、T-Mobileとの提携を発表した。ただし、この端末事業はあくまで傍流だった。OEMとして端末を開発していたため、世間での知名度は低かった。その戦略を2013年に転換して、スマートフォン市場を取りに来た。

 躍進の結果、2016年には8.9%のシェアを取り、アップル、サムスンに次ぐ第3位の地位を獲得する。この間、2015年には、グーグルと「Nexus 6P」を共同開発している。そして、2018年第2四半期は、スマートフォン出荷台数が世界第2位となる(参照:HUAWEI JAPAN、BUSINESS INSIDER JAPAN)。

 こうした一般消費者向けの製品展開に伴い、企業の知名度も上昇していった。Google トレンドを見てみると、2015年頃から検索数が継続して伸びていることが分かる。その頃から、日本でも名前を見かけるようになったというわけだ。

 非上場企業である同社は、売上高の10%以上を継続して研究開発に投資しており、その巨額の研究開発費でも知られている。2018年時点での従業員数は18万8000人。収益は1051億ドル。ちなみに、Googleを擁するAlphabetの収益は1368億ドル。その規模感が分かると思う(参照:Huawei – Wikipedia、Alphabet Inc. – Wikipedia)。

◆ITは第二次世界大戦における石油か

 アメリカ対中国の構図は、ここ数年深刻度を増している。経済的な問題だけでなく、影響力を行使する地域の綱引きもおこなわれている。そうした駆け引きの中に、ITも含まれている。

 ITは現代のインフラだ。通信機器を制して、その情報を一手に握ることができれば、そのインフラを支配下における。GoogleやFacebookという企業の動向が注目されるのは、そうしたインフラの一端を握っているからである。

 Huaweiも、そうしたインフラを握る会社のひとつだ。Googleなどとは違い、通信機器という物理的インフラで存在感を示している。スマートフォン事業への打撃は、Huaweiに対する攻撃の一側面に過ぎない。安全保障のために、各国が通信機器の排除を進めていけば、元々の事業に影響が出る。業界の勢力図が大きく変わるだろう。

 第二次世界大戦の時期に、石油の確保が重要だったように、現代ではITというインフラが重要になっている。そして国家間のつばぜり合いの道具に、IT企業がなっている。

 アメリカと中国の争いは、新たな冷戦を産み出すのか。日本は米中の争いからは逃れられない。二つの大国の争いが大きく発展しないように願わずにはいられない。

◆シリーズ連載:ゲーム開発者が見たギークニュース

<文/柳井政和>

やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。

このニュースに関するつぶやき

  • 寒村がシェアを伸ばしても潰されないのは寒村のCPUやDRAM、フラッシュメモリーが無いと林檎が製品を作れないからだ。しかし、遠道はそうではなかった。
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  • 貿易摩擦って...中国による国家ぐるみの知的財産の窃盗について完全に全く触れないとは流石Harbor Business Onlineの相変わらずの記事。やっぱここ単に反米、朝鮮中国主義 https://mixi.at/a8uvhMD
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