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医師に聞いた「セカンドオピニオン」の“上手な受け方”

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2019年05月26日 17:00  AERA dot.

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写真メドピア代表・石見陽さん
メドピア代表・石見陽さん
 担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めるセカンドオピニオン。医師はどのような体制や方針で患者と向き合うのだろうか。本誌では医師専用のコミュニティーサイトを運営するメドピア社の協力で、医師300人にアンケートを実施。セカンドオピニオンを上手に受けるコツを紹介する。

【アンケート】医師の“本音”は…「セカンドオピニオンを受けたい」と言われたらどう思う?

 アンケートではセカンドオピニオンを依頼されたら受けるかどうかも聞いた。「セカンドオピニオン外来を開設しているため受ける」が60人(19%)、「外来を開設していないが受ける」が194人(62%)、「断る」が53人(17%)だった。

「患者さんはセカンドオピニオンを受けることで主治医との関係が悪くなることを危惧されますが、患者さんを中心に主治医とセカンドオピニオンの医師が連携しているというイメージが、本来の姿です」

 こう話すのは、日本屈指のがん治療専門病院、がん研有明病院(東京都江東区)の副院長で乳腺センター長の大野真司さんだ。セカンドオピニオンは「チーム医療の一つ」と答える。

 同院では十数年以上前からセカンドオピニオンを実施。現在、専門外来の相談料は30分で3万2400円(税込み)だが、年間のべ3千〜4千人の患者や家族が専門家の意見を聞きに来る。相談先の診療科のトップ5は、消化器内科(20%)、消化器外科(19%)、婦人科(16%)、乳腺科(11%)、泌尿器科(10%)だ。

「当院のシステムでは、まず診療予約室に連絡をして予約を入れ、必要に応じて診療情報提供書や画像データなどを送付してもらいます。担当する医師は事前に提供書やデータに目を通した上で、対応することになります」(経営本部本部長の櫛山博さん)

 事前に診療情報提供書などを送ってもらうのは、医師らがその内容を確認してからでないと適切に答えられないことがあるため。家族だけが話を聞くこともできるが、その場合は、本人の同意書が必要だ。

「当院では転院を希望する患者さんであっても、一度、元の病院に戻ってもらいます」(同)

 大野さんは当初、セカンドオピニオンでは可能性のある治療法について、その有効性やエビデンス(科学的根拠)を一つひとつ説明していたというが、方針を転換。患者が治療に対する不安を拭い去り、前向きに治療に臨めるように後押しをしていくようなセカンドオピニオンを心がけるようになった。

「以前、セカンドオピニオンを受けた100人のカルテを見直したことがありますが、明らかにおかしいと思われる治療法を勧められていたケースはほとんどなかった。やはり乳がんをはじめ、多くのがんで標準治療が確立されているからでしょう」(大野さん)

 逆に多かったのは、「主治医から説明を受けたけれど、その治療でよいか不安なので意見を聞きたい」というものだ。

「例えば、乳腺外科では、『乳房切除と言われたが温存はできないか』とか、『抗がん剤を使わない方法はないか』といった相談がありますが、そういうときは、『なぜ主治医はその治療を提案したのか』を患者さんに説明してもらいます。自ら話すことで頭の整理ができ、治療に対しての理解が深まります」(同)

 上手に受けるコツについては、「事前に病状や治療の要点をまとめておくこと」を挙げる。

「医師は診療情報提供書や画像データを事前に見ているので、患者さんの説明がなくても、病状や治療方針はある程度はわかります。患者さんが要点をまとめるのは自分のため。病気や治療のことを理解するために必要だと考えています」(同)

 同時に「なぜセカンドオピニオンを受けたいのか」「どんなことを聞きたいのか」についても、事前にまとめておくとよいそうだ。

一方、今回の調査結果について、メドピア代表で医師の石見陽さんはこう分析する。

 初めはセカンドオピニオンの現状から。医師の6割が患者に「他院でセカンドオピニオンを受けたい」と相談された経験があり、セカンドオピニオンを受けることについても多くの医師が「何とも思わない」「主治医との関係は悪くならない」と答えている。

「思った以上に医師側がセカンドオピニオンを認めていますね。回答にもありましたが、セカンドオピニオンは患者さんの権利であり、多くの医療者はそれを受け入れている。そう考えると、患者さんも必要性を感じたときは遠慮することなく、医師に相談されてもいいのではないでしょうか。言いだしにくいときは看護師さんなどに相談してみるのもよいかもしれません」

 注目したのは、セカンドオピニオンを受けたいと言われた内容。「うつ病。回復が思わしくなく、適正な治療を受けているか大学病院での診断を希望」(40代男性・老年内科)、「治療がうまくいっていない膠原病の患者さんに、他の医師の意見も聞いてみたいと言われた」(40代女性・リウマチ科)、「当院との関係が悪化。セカンドオピニオンを希望するという体で他院に移った」(30代男性・一般内科)などだ。

「セカンドオピニオンの本来の目的は、患者さんの診断や治療について治療の選択肢はないか、主治医とは別の医師に意見を聞くこと。ところが、治療がうまくいかずに別の医療機関を受診するケースや、転院前提で別の医師の元に行くケースを挙げている医師がいました。そう考えると、本来のセカンドオピニオンはまだ医師の間でも根付いていないのかもしれないですね」

 セカンドオピニオンは認めているものの、相談の仕方次第で患者との関係が変わると考える医師もいた。

「セカンドオピニオンは認めるけれど『残念』という声もありました。やはり最善の方法を提案したにもかかわらず、他の医師の意見を聞きたいと言われたら、そう思う医師もいるでしょう。ただ、そういう場合でも結果的に信頼関係が深まることもあると、多くの医師は答えています。大事なのはセカンドオピニオンを受けたいという気持ちを、主治医にどう伝えるか。要はコミュニケーションなのだと思います」

 では、どう主治医に話せばいいか。石見さんは「気持ちを前面に出すのではなく、客観的な視点を持って相談してみる」ことをアドバイスする。

「言い方でいえば、『○○の理由で、××先生にも意見を聞きたいと思っています。診療情報提供書をお願いできますか』という感じでしょうか。あるいは『先生の家族だったら、セカンドオピニオンを受けますか?』と聞いてみるのも手です」

  いずれにしても、いきなりセカンドオピニオンの話をするのではなく、気になる治療法や治療を受ける上で疑問に思うことについては、あらかじめ主治医に相談しておいたほうがいい。

「セカンドオピニオンは使い方次第で最良の医療を受けられるきっかけになる。うまく利用してほしいですね」(石見さん)

(本誌・山内リカ)

※週刊朝日  2019年5月31日号

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