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金縛りは心霊現象ではなく睡眠障害の一種…心療内科医に聞く対処法

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2019年05月26日 21:51  ウートピ

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ウートピ

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睡眠中に、強い力で体を押さえつけられているようで苦しいけれど、体を動かすことができずに怖かった、という経験をしたことはありませんか。いわゆる「金縛り」の状態で、霊のしわざだと思う人も多いようです。

この現象について心身医学専門医で心療内科医の野崎京子医師に尋ねると、「金縛りは目覚めているときには起こらず、寝ているときに起こります。心霊現象ではなく、医学的に睡眠障害のひとつの『睡眠麻痺(まひ)』という状態です」ということです。原因やその予防法など、詳しいお話を聞いてみました。

金縛りは全身が脱力して動かないが意識はある状態

——「金縛りは睡眠麻痺」とのことですが、何が起こっているのでしょうか。

野崎医師:寝ているときは全身が脱力して体は動きません。つまり運動麻痺しているけれど、意識は目覚めかけている、もしくは目覚めているときがあります。金縛りはその状態です。脳は昼間のようにしっかりと起きているわけではないので、夢うつつであると言えます。

睡眠時は、浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類が交互に訪れますが、金縛りは、レム睡眠のときに起こりやすい現象です。体が動かないために苦しく感じ、何かに覆いかぶさられているような悪夢を見ることもあるでしょう。

金縛りにあう時間は数秒から長くて2〜3分です。その後、はっきりと目覚めて「ああ、夢だった」と認識するか、自然に寝落ちて解消するかです。

——「窒息しそうに苦しい思いをした」という人もいます。その時、実際の呼吸や体調はどうなっているのでしょうか。

野崎医師:短時間ですが、呼吸が止まっていることもあると考えられます。そのとき、誰かに胸を強く押さえ込まれている、また、口を封じられているような夢を見る場合が多いでしょう。

医学的な実験で、あお向けに寝たときに起こりやすいこともわかっています。レム睡眠のときは心拍や呼吸の数が増えています。とくにあお向けに寝ていると舌の重みで気道がふさがって、いびきをかきながら息苦しくなります。このようなときに、目覚めかけの意識が怖い夢や幻覚を生み出すと考えられています。

疲れやストレスが溜まっているときに起こりやすい

——どうしてそういうことが起こるのでしょうか。原因はありますか。

野崎医師:疲れているとき、悩みを抱えているなどでメンタル面でのストレスが強いとき、激しいスポーツをしたとき、海外旅行で時差ボケのとき、旅先で睡眠不足のとき、夜勤の仮眠中、入院中、手術をした後など、状況も環境も心身ともに苦しいときに起こりやすいでしょう。

実際に患者さんに、金縛りにあった日やその前の数日の行動を聞くと、「海外旅行で時差ぼけがある中、一日中歩いてくたくただった」、「出張先で、睡眠不足の上にいつもより布団が重くて枕も合わなかった」、「フルマラソンの大会に出た」、「風邪で熱が出た」などで、普段より心身のストレスが強かったときによく起こっています。

——すると、金縛りの正体は、「心身の苦しさにともなう夢」ということでしょうか。心霊現象などによるものではないのですね。

野崎医師:患者さんの中には、「霊やお化け、動物など何者かが侵入してきて自分を窒息させようとした」、「何かにとりつかれたのでは」とおっしゃる人はいますが、それは現実ではなく夢です。

金縛りの場合、普段の夢より鮮明でストーリー性がある、またリアルに感じるのは、意識が半ば目覚めているため、夢か現実か、脳が混乱しているためと考えられます。

目を動かす、声を出すと目覚めやすい

——金縛りを予防する方法はあるのでしょうか。

野崎医師:金縛りは頻繁に起こるものではありませんが、睡眠の充足は心身の健康にとってもっとも重要ですので、日ごろから、時間、質ともに充実した睡眠をとることを考えましょう。

ストレスがあるときや病気のとき、激しいスポーツをしたときや旅先では、できるだけ早めに床に就き、枕や布団は快適だと思うものに整えましょう。ホテルでは最近、枕を交換するサービスがあるので利用してください。

日ごろから、寝つきにくい、夜中に目が覚める、早朝に目覚めて眠れないなど、睡眠障害がある人はより注意をして、夜ふかしや環境の変化で睡眠のリズムを乱さないようにしましょう。

また、先ほどあお向きに寝ると起こりやすいと言いましたが、横向きに寝ると気道がふさがれにくく苦しさが軽減するので起こりにくいことがわかっています。横向きに寝ることは、いびきや睡眠時無呼吸症候群を予防する方法でもあります。

——金縛りが起こったときに、少しでも軽減するような対策法はありますか。

野崎医師:金縛りは一度経験すると、二度目からは意識の中で「あ、金縛りかも」と認識できることがあります。そのときに、「これは金縛りだ、数秒でおさまる。目を覚まそう」と意識し、起きるように試みてください。体は動かなくても、目を左右に動かす、また、「わっ」とか、「えいっ」といった声を出そうとする、実際に出せると目覚めやすいことがあります。

そして、目が覚めたら、「ああ、疲れていたのだな」と疲労やストレスを自覚し、その日は安静にして疲労回復につとめましょう。

——逆に考えると、金縛りは疲労のサインということでしょうか。

野崎医師:そうです。これを機に、自分の体調や睡眠の状態を見直しましょう。ただし、金縛りは思春期から30歳前後の年代に多いこと、また、頻繁に起こる、あるいはくせになるような現象ではないという報告もあります。もし、1週間に1度は起こるなどであれば、なにかの病気が隠れていることもあるので、かかりつけ医や心療内科、精神科を受診してください。

——金縛りは自分の脳が生み出す夢や幻覚であり、心身の状態や環境に影響を受けていることが医学的に説明できるとのことです。それを知っておくと、いざ経験したときに焦らずに対処できるかもしれません。何より、疲れやストレスが溜まっているときは、金縛りにあう前に心身を休めたいものです。

(取材・文 品川緑 / ユンブル)

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