ホーム > mixiニュース > ゲーム・アニメ > アニメ・マンガ > 2.5次元ミュージカルの世界

仕掛け人が語る「一番ダメな2.5次元ミュージカル」とは…

45

2019年05月27日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン/天才テニス少年、青学(せいがく)の越前リョーマ(阿久津仁愛:右)と、ライバル校・氷帝の部長、跡部景吾(三浦宏規:左)。テニミュは17年目を迎え、これまでの出演者は300人を超える (c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン/天才テニス少年、青学(せいがく)の越前リョーマ(阿久津仁愛:右)と、ライバル校・氷帝の部長、跡部景吾(三浦宏規:左)。テニミュは17年目を迎え、これまでの出演者は300人を超える (c)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト (c)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
 日本ならではのカルチャーとして世界から注目を集め、いまや市場規模は150億円以上。もっとも熱いエンターテインメント、2.5次元ミュージカルの世界とは。

【女子が熱狂 2.5次元ミュージカルのフォトギャラリーはこちら】

*  *  *
 漫画やアニメ、ゲームといった2次元の原作を3次元で表現するから2.5次元。言い得て妙な呼称はファンの間で自然発生的に生まれたそうだ。きっかけと言われるのが2003年に初演されたミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)。2次元原作の舞台は以前からあったが、テニミュは何が他の舞台と違ったのだろうか。

「最初はホントに何の戦略もありませんでした。ただ、当時は男の子だけが出ている舞台はほとんどなかった。宝塚の逆パターンみたいな、男の子だけの美しい舞台ができたら成功するだろうとは思っていました」

 そう振り返るのはテニミュやミュージカル『刀剣乱舞(とうけんらんぶ)』のプロデューサーであり、日本2.5次元ミュージカル協会の代表理事、ネルケプランニング代表取締役会長の松田誠だ。原作はテニス部の少年たちが全国大会優勝を目指す少年漫画。松田は当時振付師として活躍していた上島雪夫を演出家として迎え、テニスの試合をどう見せるか考えた。まず思ったのは男子がラケットを持っただけで絵になること。ボールの動きは丸いピンスポット照明で表現し、打球音をつけた。キャストは華麗なダンスとともに、ラケットを振る。

 一方で、キャラクターは徹底的に原作に寄せた。若手俳優を起用し、2次元独特の髪形を作り込む。しかし、それがウケるかどうかは賭けだった。

「一幕が終わって会場が明るくなったときの客席の熱気が、明らかに他の舞台と違いました。ロビーに出て興奮した様子で友達に電話している人もいた。これはイケる!と確信し、すぐに追加公演を決めました」(松田)

 テニミュはシリーズ化され、キャラや若手俳優の成長を見守りたいというリピーターを獲得、グッズも売れた。追随する作品も作られ、こうして2.5次元というジャンルが誕生した。松田は言う。

「大事なのは原作をリスペクトしつつ、演劇的な変換をすること。一番ダメなのは漫画のコマを再現するようにやる舞台ですね。原作に勝てるわけがないから。最初は俳優の見た目がキャラに近いかどうかも重視したけど、そこはメイクの力でどうにでもなる。大事なのはキャラクターの種になる魅力を持っているか。それを感じると、お客さまは納得してくれるんです」

 2.5次元というジャンルが広がっていく中で、制作者側の人材も厚みを増した。肉体表現とハンドルだけで「弱虫ペダル」の世界を見事に表現した「惑星ピスタチオ」の西田シャトナー、プロジェクションマッピングなどの演出に定評のあるウォーリー木下、「柿喰う客」の中屋敷法仁(のりひと)など、独自の演劇的手法を持つ演出家がどんどん関わることにより、2次元を演劇的に変換する表現の質が向上する。

 ミュージカル『薄桜鬼(はくおうき)』シリーズなど多くの2.5次元作品の演出や脚本を手掛ける毛利亘宏(43)は言う。

「12年くらいから、僕と同年代の小劇場の担い手が2.5次元作品に流れ、作品数も増えた印象があります。小劇場ブームが終わって久しく、活気を失っていた演劇界に2.5次元が登場し、自分たちが活躍できる場所を見つけたという思いです」

 2.5次元市場をさらに大きくしたのは、この数年で作品数が増えたゲーム原作、とくにソーシャルゲーム原作という新たな潮流だ。なかでも「刀剣乱舞−ONLINE−」(とうらぶ)を原案とした作品の人気は凄まじい。前出の松田は言う。

「『テニミュ』の次のターニングポイントは、やっぱり『刀剣乱舞』だと思う。モンスターですよね」

 とうらぶは日本の名だたる刀剣が戦士の姿になった「刀剣男士」を収集・強化し、敵を討伐していく刀剣育成シミュレーションゲームだ。日本の歴史、生死に関わってきた刀剣という要素、そして個性豊かなキャラクターに心を掴まれる女性は多い。しかも、ミュージカルとライブでの二部構成で魅せるミュージカル『刀剣乱舞』(刀ミュ)と、シリアスなストレートプレイの舞台『刀剣乱舞』(刀ステ)の二つがある。

「ゲームの物語は一つじゃない。いろんな展開ができるんです」(松田)

 ちなみに昨年末、第69回NHK紅白歌合戦で「世界で人気のジャパンカルチャー」コーナーに登場したのは、刀ミュの刀剣男士だ。三日月宗近(みかづき・むねちか)(黒羽麻璃央 くろば・まりお)ら、19振りの刀剣男士が素晴らしいパフォーマンスを披露した。一方、重厚なストーリーと圧巻の殺陣が特長の刀ステは、公演を収録したBlu−ray&DVDがオリコンウィークリーチャートで総合1位を何作も取るなど、それぞれの魅力で幅広くファンを獲得している。(ライター・大道絵里子)

※AERA 2019年5月27日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • にわかが演じてるイメージが強くて見る気になれない(特に無双)
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 加藤和樹さんは歌が抜群に上手かったなぁ…。
    • イイネ!10
    • コメント 7件

つぶやき一覧へ(20件)

あなたにおすすめ

ランキングゲーム・アニメ

前日のランキングへ

オススメゲーム

ニュース設定