ホーム > mixiニュース > エンタメ > 映画 > カンヌ総括:受賞につながったのは、作品に込められた“格差社会への批判”

カンヌ総括:受賞につながったのは、作品に込められた“格差社会への批判”

3

2019年05月27日 14:22  cinemacafe.net

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

cinemacafe.net

写真ポン・ジュノ監督「第72回カンヌ国際映画祭」 (C) Getty Images
ポン・ジュノ監督「第72回カンヌ国際映画祭」 (C) Getty Images
5月14日から開催された第72回カンヌ国際映画祭は、25日、ポン・ジュノ監督(韓国)の『パラサイト』(英題)を最高賞パルムドールに選出し、12日間の幕をおろした。

授賞式で、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴからトロフィーを贈られたポン・ジュノ監督は「私はずっとフランス映画に影響を受けてきました。特にアンリ=ジョルジュ・クルーゾーとクロード・シャブロルには感謝を伝えたい」と満面の笑みで挨拶。主演のソン・ガンホも監督の呼びかけでステージに上がり、「尊敬する韓国のすべての俳優にこの栄誉を捧げたい」と感謝を述べ、喝采を浴びた。


受賞会見でポン・ジュノ監督は「とても韓国的なユーモアが含まれているので、世界の人たちにどこまで伝わるかがわからなかった。だが家族の問題というのは、どこの国でも共通なのだと思った」と語った。また韓国映画初の最高賞ということに関しては「僕だけでなく、韓国には沢山の素晴らしい監督がいる。これをきっかけにより注目されれば嬉しい」と答えた。


『パラサイト』は、家族全員が失業中のキテク(ソン・ガンホ)一家の長男(チェ・ウシク)が、超富裕層のパク社長(イ・ソンギュン)の家の家庭教師となったことから、家族ぐるみで寄生していくというブラック・コメディ。エンターテインメント性と格差社会への批判が見事にマッチした圧巻の出来で、21日の上映直後から批評家や観客からも大絶賛を浴び、審査委員長を務めた『レヴェナント:蘇えりし者』の監督アレハンドロ・G・イニャリトゥも「審査員団も全員一致での受賞」と語るなど、文句なしの受賞となった。


また現地紙の星取り表などでは『パラサイト』と並ぶ高評価を獲得していたペドロ・アルモドバル監督(スペイン)の『ペイン・アンド・グローリー』(英題)は、主演のアントニオ・バンデラス(スペイン)が男優賞を受賞。会見では「人生の師と仰ぐアルモドバルの作品で、彼の分身と言える役で賞をもらえて、心から嬉しい。40年も俳優をしてきて、いろいろな賞にノミネートされたが、一度も名前を呼ばれることはなかった。受賞出来て本当に幸せ」と、喜びもひとしおといった感じだった。


『ペイン・アンド・グローリー』は、酷い腰痛に悩まされ映画を撮れずにいる監督が、戯曲を書きながら過去をふり返るというストーリー。アルモドバルの自伝的映画とも言え、高評価を獲得していた。1999年の『オール・アバウト・マイ・マザー』で監督賞、2006年の『ボルベール/帰郷』で脚本賞を受賞してきたアルモドバルが今度こそパルムドールを獲るのではという声も現地にはあったが、今回も逃してしまい、受賞にはタイミングというのがあるのだ、と思わされた。 

次席に当たる審査員グランプリは、女優でもあるマティ・ディオプ(セネガル)の初長編監督作『アトランティック』(英題)が受賞。労働者が不当に搾取される社会をSFラブスートーリーという形で描いたこの作品も、『パラサイト』同様にエンタメ性と社会性がミックスされていた。


今年のカンヌは、開幕作品のジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画『ザ・デッド・ドント・ダイ』(原題)や、クエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など娯楽性、ジャンル色の濃い作品が比較的多く、その中で格差社会への批判を取り込んだ作品が受賞につながったようだ。

今年は21歳のエル・ファニングが史上最年少で審査員を務めたことも話題になったが、これについてイニャリトゥ委員長は、「エルは新鮮さと正直さを、古い世代の私たちにもたらしてくれた。彼女から学ぶことは沢山あった」と語った。巨匠たちの作品も多い中、マティ・ディオプら初出品の監督たちも多く受賞し、若い世代の声が聞こえるような結果となった。


主な受賞作は以下の通り。

最高賞パルムドール
『パラサイト』 ポン・ジュノ(韓国)
グランプリ
『アトランティック』 マティ・ディオプ (セネガル)
監督賞
『ヤング・アーメッド』 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(ベルギー)
審査員賞
『レ・ミゼラブル』 ラジ・リ(フランス)
『バクラウ』 クレベール・M・フィリオ&ジュリアーノ・ドルネレス(ブラジル)
男優賞
『ペイン・アンド・グローリー』 アントニオ・バンデラス(スペイン)
女優賞
『リトル・ジョー』 エミリー・ビーチャム(英国)
脚本賞
『ポートレイト・オブ・ア・レディ・オン・ファイア』 セリーヌ・シアマ(フランス)

(text:Ayako Ishizu)

このニュースに関するつぶやき

  • 韓国の格差社会はそれは酷いものらしいよ。日本に格差ガーと叫んでる連中は海外の格差をちゃんも見た方が良い。自分たちがやっていることがアホらしくなる。 https://mixi.at/a8vwMXo
    • イイネ!8
    • コメント 0件
  • 南鮮の格差って、日本の比じゃないもんなw https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoeng/20180828-00094349/ https://news.nicovideo.jp/watch/nw1882468
    • イイネ!22
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

あなたにおすすめ

ニュース設定