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生涯治療が続く1型糖尿病、周囲の理解が患者さんの未来を変える

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2019年06月04日 17:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

血糖変動に応じて投与量を調整する機器も。血糖コントロールが容易に


南昌江内科クリニック院長
南昌江先生

 インスリンを分泌する膵β細胞(すいべーたさいぼう)が破壊され、インスリンが出なくなってしまう1型糖尿病。ほとんどが自己免疫反応によるものとされ、患者さんの多くが小児期や思春期に発症します。インスリンが出ないため、生涯にわたりインスリンを補う治療が必要になる、患者さんにとって負担の大きな病気です。また、インスリンを補うことで、必要以上に血糖が下がり過ぎてしまうと、動悸や発汗、めまい、集中力の低下などさまざまな症状が現れる「低血糖」となることも。重症の低血糖では、けいれんを起こしたり意識を失ったりすることもあります。

 日本メドトロニック株式会社は5月15日、「わたしたちが考える1型糖尿病の治療〜現在と未来」と題してメディアセミナーを開催。医師でご自身も1型糖尿病患者の南昌江内科クリニック院長の南昌江先生と、日本IDDMネットワーク専務理事で1型糖尿病患者の大村詠一さんが講演しました。

 インスリンを補う治療には、1日3〜5回インスリンを注射する頻回注射法や、携帯型の医療機器を用いて持続的にインスリンを注入するインスリンポンプ療法があります。最近では、持続的に血糖変動をモニタリングする装置と連携したインスリンポンプも登場。低血糖を事前に予測し自動でインスリン注入を停止する機能が搭載された機種も出ています。このような医療機器の進歩により、「以前よりも、血糖コントロールがしやすくなってきました」と南先生。

 しかしこのインスリンポンプ療法、利用している患者さんの数はあまり多くありません。その要因として、「私見ではありますが、金銭的な問題や、1型糖尿病をしっかり理解してインスリンポンプ療法の指導ができる医療施設が多くないことが背景にあります」(南先生)

低血糖、自覚症状なく周囲が異変に気付く場合も


日本IDDMネットワーク専務理事
大村詠一さん

 1型糖尿病と診断されたときには、「どうして自分が…と、なかなか現実を受け入れられませんでした」と語るのは、小学2年生の頃に発症した大村さん。1型糖尿病患者さんは、ライフステージが変化するたびに、さまざまな心配や問題に直面します。幼いうちは、保育園からの入園拒否、学童期には、学校で治療への理解を得られない、就職すると、職場で差別に遭うことも。低血糖が起こったときの対応や、インスリンを補う治療で医療機器を使うことへの不安や無理解、集団生活を送る中での、適切な治療を適切なタイミングで行う難しさ、通院のタイミングを計ることにも苦労するだけでなく、治療の継続にはお金も必要です。1型糖尿病患者さんの抱えるこうした問題が、社会的な認知を得られているかというと、未だ十分とはいえません。

 家族、友人、学校、職場――1型糖尿病患者さんが治療を続けていくうえで、多くの人々の理解やサポートが欠かせません。自覚症状が乏しい低血糖を起こしているときに、周りの人が患者さんの異変に気付き、大事に至らず済むケースもあるそうです。大村さん自身も、家族から異変を指摘されて低血糖の兆候に気付いた経験を紹介し、周囲のサポートがいかに大切か、実感を込めて語りました。

 生涯にわたり治療を続ける1型糖尿病患者さん。それでも、「病気になった事実は変えられなくても、未来は変えられます」(大村さん)。1型糖尿病という病気を多くの人が知ろうとし、患者さんに対する周囲の理解が深まることで、患者さんの抱える問題を少しずつ減らしていけるような未来を実現したいものですね。(QLife編集部)

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