『ストロベリーナイト・サーガ』菊田を演じる亀梨和也の“静”の演技 最終章での変化も期待?

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2019年06月13日 06:11  リアルサウンド

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 ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)が佳境を迎えている。6月13日、20日には、最終章となる「ブルーマーダー」が放送予定。さらなる盛り上がりを見せそうだ。


参考:亀梨の演技の現在


 同作は大ベストセラー小説『姫川玲子シリーズ』が原作。2012年に竹内結子が主演を務めた『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)を、キャスト・スタッフを一新して再構成されたものである。『ストロベリーナイト・サーガ』で主演・姫川を演じるのは、二階堂ふみ。そして姫川を影から支える部下・菊田和男を演じているのが、KAT-TUN・亀梨和也だ。


 亀梨といえば、KAT-TUNの中でも不動の人気を誇るエースであり、センターでもある。『3年B組金八先生』第5シリーズ(TBS系)で衝撃のデビューをして以降、出演作のほとんどで主演を務めている。『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)、『たったひとつの恋』(日本テレビ系)、『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)、『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系)、『怪盗 山猫』(日本テレビ系)、『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)、『FINAL CUT』(フジテレビ系)……、挙げればキリがない。そしてその多くがジャニーズタレントの王道とも言える、ヒーローのような、正義の味方のような、「THE主役」といった役どころであった。


 だが、『ストロベリーナイト・サーガ』では少し様子が違う。二階堂とともにW主演と銘打たれているが、二階堂をそっと支えているようなポジションだ。バリバリのキャリアウーマンで突っ走ることも多い姫川がいるからこそ、真面目で寡黙だが熱さも持っている菊田像が明確に浮かび上がっているのである。さらに、亀梨本人もこれまでの「ヒーロー感」を消し、「ちょっと頼りないけれど献身的な部下感」を存分に表現していると言えよう。例えば、5月23日、30日に渡って放送された「インビジブルレイン」。暴力団極桜会会長の牧田勲(山本耕史)と惹かれ合う姫川の気を引こうとしたり、刺された牧田を見て取り乱す姫川を呆然と見つめたり……。言葉で伝えるのではない、「静」の演技を発揮してきた。


 また、6月6日放送の第9話。解散の日の帰り際、姫川と分かれるシーンでは「お世話になりました」とだけ告げて菊田は去る。その表情は姫川への想いを閉じ込めたような切ない複雑な気持ちが浮かび上がっていた。全編を通して、菊田が自分の気持ちをさらけ出すことなく抑えてしまうシーンは多々見られる。同作において、亀梨はセリフではなく所作や表情で気持ちを表現する演技を多分に行っているのである。しかし、同話の中で殉職した大塚真二(ジャニーズWEST・重岡大毅)のノートを握りしめて涙する姫川を見た時に、「この人を支えていこう」と決心したと伝え、その流れで菊田が「牧田にあって俺にないものってなんですか?」と姫川に詰め寄るシーンも。珍しく菊田が感情的に話をする場面だ。少しずつだが感情を言葉にすることが多くなってきた菊田。こうった変化も、同作のお楽しみのひとつだろう。


 ストーリーの中で、決して目立つ存在ではない菊田。しかし、言葉ではない演技で主人公を支える亀梨は確かな存在感を放っている。これまで数々の作品で経験を積み、年齢を重ねたことで、より幅広い演技を見せてくれるようになった。13日からは最終章が放送される。その中で、亀梨はどんな演技を見せてくれるのだろうか。そして、この先も多様なストーリー、役柄、作風の中で変化していく亀梨の演技を見るのが楽しみになった。


(文=高橋梓)


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