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山ちゃん&蒼井優の結婚から考える、「誰を好きか」より「誰といるときの自分が好きか」の意味

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2019年06月15日 14:11  ウートピ

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ウートピ

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お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さん(42)と女優の蒼井優さん(33)が6月3日に結婚。6月5日に東京都内で開かれた会見は、終始“幸せオーラ”に包まれ、テレビ(あるいはスマホ)の前で見ているこちら側も「よかったね!」「おめでとう!」と声を投げ掛けずにはいられない気持ちにさせてくれました。

そこで、著書『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)があり、WEBサイト「女子SPA!」で「ぼくたちの離婚」を連載中の稲田豊史(いなだ・とよし)さんに、今回の会見から私たちが学べることについて3回ににわたってコラムを寄稿いただきました。最終回のテーマは「『誰を好きか』より『誰といるときの自分が好きか』の意味」です。

【第1回】「交際を経てからの結婚」を信じてる貴女へ
【第2回】「皆さんの目の前にいる蒼井さんと違う蒼井さんを…」の意味

「誰を好きか」より「誰といるときの自分が好きか」

南海キャンディーズ・山里亮太さんと蒼井優さんの結婚に際して、音楽プロデューサー・ヒャダインさんのツイートが話題になった。結婚記者会見の約1カ月前に、ヒャダインさんがこうツイートしていたのだ。

「『誰を好きか』より『誰といるときの自分が好きか』が重要らしいよ」と友達が教えてくれて、その通りだなあと思ったので書いておきます」

ヒャダインさんは結婚記者会見後、この「友達」が蒼井さんのことだと明かし、多くの共感を誘った。「幸せとはなにか」について、ひとつの真理を突いていたからだろう。

しかし、筆者の知り合いの女性(30代未婚)からは、こんな反論が来た。

「その人に好意を表明したり親密になったりすることで自己評価が下がるような恋はダメだって言うんでしょ? でも私は、自分のことなんてどうでもいい。圧倒的に好きな人に身も心もささげているという事実を毎日寝る前に反すうすることで、私は初めて自尊心が満たされる。『誰といるときの自分が好きか』なんてヌルいこと言ってるうちは、恋じゃなくない?」

彼女がどんな難儀な恋路を歩んでいるかなど、知る由もない。しかし、それでも筆者は思う。人はすべからく「誰を好きか」より「誰といるときの自分が好きか」を重視すべきだと。前者を優先したバツイチ男性の顔が、頭をよぎるからだ。

心療内科医が断言する「伴侶の資格」

筆者はここ1年ほど、「離婚した男性に離婚の経緯と身の上話を聞く」という香ばしめのルポを、某WEB媒体*に連載している。1度の取材は最低でも3時間。多くて5、6時間に及ぶときもある。夕方から居酒屋で話を聞き始め、終電がなくなったことも少なくない。そんななか、明らかに相手の“選び方”を間違えた男性がいた。
*「女子SPA!」で連載中の「ぼくたちの離婚」

もともと病み体質だった妻・T美さんが結婚後本格的に情緒不安定となり、すさまじいモラハラの被害に遭ったA夫さんという男性がいる(とある事情で、この取材原稿はお蔵入りになった)。A夫さんはこの精神的DVを数年間にわたって受け続けたが、なぜ数年間も耐えたのかを聞くと、こんな答えが返ってきた。

「T美のことを好きは好きだったんですよ。ものすごく頭が良くて、頑張り屋で、健気(けなげ)で、真っすぐで……。同じ会社だったんですが、めちゃくちゃ仕事ができる。社内評価も最高のスーパーエリート。僕も社内ではかなりエリート意識が高かったので、僕みたいな人間に釣り合うのは彼女しかいない。これは運命の人だと思って結婚しました。

交際時から躁鬱(そううつ)のアップダウンはかなりある人でしたが、そこら辺のバカ女とは違うすごい人なんだから、多少の情緒不安定なんて個性みたいなものだ、と自分に思い込ませていたんです。決死の覚悟で“普通じゃない人”と結婚したんだから、途中でへこたれるなんて自分のプライドが許さなかった」

しかし、T美さんがA夫さんの仕事を「未来に残る仕事じゃないね」とバカにしたり、大学時代の親友からもらった誕生日プレゼント(A夫さんが小学生時代に大ヒットしたTVドラマのDVDボックス)を「くだらない」と一蹴したり、体調を崩して寝込んでいるときに「体調管理がなってないダメな人」とディスり始めた頃から、A夫さんがおかしくなってくる。

「自分のことがどんどん嫌いになっていったんです。僕はもともと自己評価の高い人間だったのに、何につけても自信がなくなった。でもT美のことが大切だし、彼女の心の病を治してあげたいという気持ちもある。悩みに悩んで心療内科に行ったら、先生からこう言われて目が覚めました。『一緒にいて自分のことが嫌いになるような相手を、伴侶とは呼びません』」

A夫さんはほどなくして、T美さんに離婚を申し出た。A夫さんはT美さんのことを確かに「好き」だったが、T美さんと一緒にいるときの自分は、全然好きではなかったのだ。

ずっと浸かるなら「熱湯風呂」より「ぬるま湯」

誰かを好きになるのは、それだけで尊い。しかし、「好き」は時に自分の上機嫌と相反することがある。インスタ映えはするが全然おいしくないスイーツ、オシャレだが履いている間は死ぬほど苦痛なハイヒール、イケメンだけどデートで話が全然盛り上がらない男。全てそうだ。

もちろん、「インスタ映え」も「オシャレ」も「イケメン」も、ひとつの独立した価値だ。それらへの「好き」が、苦痛をぐっとこらえさせてくれる場合だってある。しかし忘れてはならない。ここでこらえさせてくれる苦痛は、すべて期間限定だ。スイーツがマズいのは頬張る瞬間だけ。ハイヒールで足が痛いのは外出中だけ。イケメンが退屈なのはデート中だけ。

しかし、結婚は一生である。結婚したその日から死ぬまで、人生のどの瞬間も、その人の伴侶であることからは逃れられない。あなたが相手から被る「ちょっとした苦痛」は一生モノなのだ。ハイヒールの靴ずれ同様、履き続ける限り自然治癒はしない。

であれば、対象への「好き度」を極限まで追い求める代わりに、自分の上機嫌をもっと優先させるべきだろう。まずいスイーツより、間違いないコンビニプリン。足を傷めるハイヒールより、クッションが気持ちいいスニーカー。退屈なイケメンより、最高に笑わせてくれるお笑い芸人。「誰を好きか」より「誰といるときの自分が好きか」とは、そういうことだ。

冒頭の知り合い女性(30代未婚)の言葉を思い出す。「『誰といるときの自分が好きか』なんてヌルいこと言ってるうちは、恋じゃなくない?」。ヌルくて上等。1分だけ浸かるなら熱湯風呂でもいいが、一晩中入るならぬるま湯がいいに決まっている。

どちらの湯船に浸かっているあなたのほうが、幸せな顔をしているだろうか?

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