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多すぎてよく分からない、スマホの「急速充電」規格を整理する

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2019年06月16日 06:12  ITmedia Mobile

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 スマートフォンの充電時間を短縮できる「急速充電」。端末が大型化し、バッテリーも大容量化するにつれて、ますます急速充電への対応は一般化している。しかし、一言で急速充電とくくっても、さまざまな規格が乱立しており、利用者にとっては全容をつかみづらい。そこで、急速充電の全体像を理解できるよう、最低限の情報を整理した。



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●「急速充電ではない」出力とはどのくらいなのか?



 急速充電という言葉の定義はあいまいだ。充電速度の目安となる単位には、「V(ボルト)」と「A(アンペア)」、これらを掛け合わせた「ワット(W)」が使われる。しかし、何W以上を急速充電と呼ぶのかは厳密に定まっていない。そこで、まず基準となるUSBの出力について考えてみよう。なお、実際の充電効率は、使用するケーブルや充電機、スマートフォンの充電制御回路などに左右されるため、ここで紹介する数値はあくまでも理論値だ。



 そもそも、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)という規格は、コンピュータと周辺機器を接続するために誕生したため、当初は大容量充電を想定してはいなかった。2000年に策定されたUSB 2.0では、理論的には5V×0.5A=2.5Wの最大出力で充電可能。標準で0.1A、ホストとデバイスが合意して最大0.5Aの電力供給が行われる仕様だった。しかし、データ転送がしばらくない場合には、利用可能な電流は2.5mAに制限された。



 その後、USBから充電に使用することを意識した規格が登場する。2007年に策定された「USB BC(USB Battery Charging Specification)」だ。スマートフォンの黎明(れいめい)期には、2010年に定義された「USB BC 1.2」が普及。この規格が対応した最大5V/1.5A(=7.5W)という値が、急速ではない充電速度のレガシーな基準といえる。



 一方、2019年夏モデルのスマートフォンを見ると、そのほとんどがUSB Type-Cに変わった。こうした状況を踏まえれば、今どきの基準はUSB Type-Cの仕様で考える必要があるだろう。USB Type-Cでは、「Type-C Current」という充電規格があり、最大5V/3A(=15W)と最大5V/1.5A(=7.5W)の2パターンが存在する。



 厳密にいうと、他にもUSBの規格はほそぼそと存在するので話はより複雑になる。しかし、ここではUSB BC 1.2の5V/1.5A(=7.5W)とUSB Type-Cの5V/3A(=15W)という値を1つの基準として覚えておいてほしい。



●最大W数を13倍まで上げた「USB PD」



 前置きが長くなったが、いよいよ高速充電規格について紹介していく。まずUSBの公式規格として存在するのが、2012年に発表された「USB PD(USB Power Delivery)」だ。USB Type-C経由でノートPCなどを充電することも踏まえて策定されており、同規格の出力は最大20V/5A(=100W)に拡張されている。従来の7.5Wと比べると約13.3倍の値だ。



 ただし、もちろんUSB PD対応デバイスの全てが100Wに対応しているわけではない。スマートフォンでいえば、今のところの上限は18W程度だ。



 国内・国外メーカー問わず、最近の主要なAndroidスマートフォンは、このUSB PDに対応していることが多い。Appleも「iPhone 8」から対応した。USB PD対応の充電器とケーブルをそろえれば、端末が対応する最大の充電速度を実現できるだろう。



 なお、アクセサリー選びで覚えておきたいことは2つある。1つ目は、サードパーティー製を購入する場合には、USB-IFによる認証プログラム「Certified USB Charger Program」で認可済みの製品を選ぶと安心だということ。



 2つ目は、充電規格とは別にUSB Type-Cとして3A出力と5A出力の2種類があることだ。先述の理由からスマートフォンへの充電ならさほど気にしなくてよいだろうが、3A出力のケーブルでは最大60Wにしかならない。PD対応のノートPCの充電にも使う場合には、5AのPDケーブルを選んでおきたい。



●Qualcommが提供する「Quick Charge」



 USBの規格とは別に、Qualcommが開発した充電規格として「Quick Charge(クイックチャージ)」がある。現状、1.0〜4+まで複数のバージョンが存在し、Quick Charge1.0では最大5V/2A(=10W)、Quick Charge 2.0以降では最大18Wの出力に対応する。



 先述したUSBの充電規格では、USB PDの20Vを除き、基本的な電圧は5V固定だった。一方、Quick Chargeでは電圧を調整するのが特徴だ。Quick Charge 2.0では5V、9V、12Vなどを数段階で、Quick Charge 3.0では3.6〜12Vなどの範囲を自動で最適に調整する。なお、電圧の調整範囲は充電器メーカーによって表記が微妙に異なるようだ(上記の値はbelkinの公式サイトを参照している)。



 LGやモトローラなどを筆頭に、Quick Chargeに対応するAndroidスマートフォンも増えている。なお、NTTドコモは「急速充電2」や「急速充電3」のようにQuick Chargeの規格を言い換えて表示しているので注意したい。



 ちなみに、Quick Charge 4/4+では、USB PDとの互換性がある。現時点では十分に普及した規格とはいえないが、将来的にはPDとQCは両者を意識せずに使えるようになるかもしれない。



●スマートフォンメーカー独自の規格もチェック



 スマートフォンメーカーによっては、独自の高速充電規格を採用しているものもある。製品に付属する充電器やケーブルを用いて高速充電を行える場合には、別途周辺機器をそろえる必要がないのでハードルは低い。付属していない機種では、オプションとして購入する必要がある。



 具体例を挙げると、Huaweiの「Super Charge」対応充電器が最大10V/4A(=40W)、ASUSの「BoostMaster」が最大9V/2A(=18W)、OPPOの「Super VOOC」が最大10V/5A(50W)で充電できる。



 OPPOのハイエンドスマートフォン「Find X」はSuper VOOCに対応しており、3400mAhのバッテリーを35分で満タンにできる。内部構造的には、1700mAhの2枚のバッテリーを5Vで並列充電する仕組みを採用している。



●充電機器メーカーの独自規格も



 充電器メーカーが独自の高速充電技術を掲げているケースもある。Ankerの「Power IQ」、Buffaloの「AUTO POWER SELECT」、cheeroの「Auto-IC」などが該当する。Ankerの「Power IQ」は、「接続された機器を即座に認識して、機器ごとに最大のスピードで充電するのに適した電力を調整する」という技術だ。他の2つも似たような機能となる。



 これらは厳密な意味での高速充電規格とは異なるが、利用者からすると複数メーカーのデバイスを充電する上で、対応機器を選ぶメリットはある。充電性能が高いUSB PDやQCは規格に対応するデバイスが限定されてしまうが、「Power IQ」などは市場に存在するほぼ全ての端末に対して最適な出力に調整してくれるからだ。汎用(はんよう)性を重視する場合には、こうした規格の高出力な充電器を利用することも検討してみるといいだろう。


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  • 急速充電は必要無いから、バッテリーに優しい充電方式にしてくれよ!って思うんだが・・・。
    • イイネ!4
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