交流戦で出番増! 大ベテラン・阿部慎之助の存在感

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2019年06月17日 11:44  ベースボールキング

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7回巨人一死一塁、阿部が左中間に通算350二塁打を放つ=メットライフドーム(C)Kyodo News
◆ 「レジェンド」たちに肩を並べる記録ラッシュ

 6月に入り、阿部慎之助(巨人)の存在感が急激に増している。6月1日の中日戦で今季初本塁打を記録。通算400本塁打に到達し、巨人でチーム在籍中に400本塁打を達成したのは王貞治(元巨人)、長嶋茂雄(元巨人)に次ぐ3人目という快挙だ。また、捕手の通算400本塁打達成は野村克也(元南海他)、田淵幸一(元阪神他)に次ぐ3人目である。

 交流戦に入ると、6月5日の楽天戦で今季初のスタメン出場。それまで「代打の切り札」として起用されていた阿部だが、DH制のあるパ・リーグ主催試合で出番を増やすと、さらなる記録ラッシュとなった。6月9日のロッテ戦で「通算229人の投手から本塁打を記録」というプロ野球記録を樹立。6月13日の西武戦で今季3号本塁打を記録し、これがセ・リーグ初となる交流戦通算60号となった。

 この日の7回には二塁打を放ち、巨人の生え抜き選手では川上哲治(元巨人)、長嶋、王に次ぐ4人目となる通算350二塁打を達成。捕手として400本塁打、350二塁打をともに達成したのは野村以来ふたり目である。王、長嶋、野村、田淵、川上と、出てくる名前はことごとく「レジェンド」たちだ。


◆ 衰え知らずの「飛ばす技術」とさすがの飛距離

 6月16日の日本ハム戦では無安打に終わったが、前日、6月15日の同カードでも阿部の活躍が光った。初回、相手先発・金子弌大の外角フォークに体勢を崩されながらも、一塁線を鋭く破る2点適時二塁打をマーク。立ち上がりの制球に苦しむ金子を一気に攻め立て、ゲームを完全に巨人ペースとする一打となった。

 また、2回の第2打席では最終的に投ゴロに倒れたが、そこでも「怖さ」を見せつける。3球目のチェンジアップをとらえた打球はファウルにはなったものの、右翼スタンド上段にまで悠々届く大飛球。ボールを飛ばす技術、そしてその飛距離はさすがとしかいいようがない。

 出場機会が限られるなかで、ここまでの阿部の成績は打率.286、3本塁打、12打点、出塁率.386、長打率.551。出塁率と長打率を足し合わせた数値であり、得点との相関関係が高いとして日本の野球ファンにもおなじみとなった指標・OPSは「.937」と非常に優秀だ。

 プロ19年目のシーズンを迎えた阿部はすでに40歳。交流戦が終われば、再び出番は限られたものになるのかもしれない。しかし、その輝きはまだまだ失われていない。それこそペナントの行方を左右するような「ここぞ」の場面で、その存在感を見せてくれるはずだ。
※数字は6月16日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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