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コード決済はなぜ使わない? ユーザーの声から見えた課題

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2019年06月17日 14:52  ITmedia Mobile

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写真総額100億円を還元するキャンペーンで話題を集めた「PayPay」
総額100億円を還元するキャンペーンで話題を集めた「PayPay」

 QRコードを使ったスマホ決済が本格始動したのは、PayPay2018年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施してからではないだろうか。どんな支払いでも20%還元となる大盤振る舞いは、他社の事業戦略にも大きな影響を与え、「LINE Pay」を中心に多くの事業者が追随した。その後、メルカリも参入したり、2019年4月からはKDDIが「au PAY」を始めたりと、さらなる盛り上がりを見せている。



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 そんな折、MMD研究所(MMDLabo)が一部の報道関係者と一般の人を招待し「コード決済利用者と興味者の座談会と体験会」を開催した。同会に参加したのは「既に決済サービスを利用している人」と「まだ使ったことがない人」を合わせた男女5人。



 質問内容は大きく分けて「コード決済を使い始めたきっかけ」「普段の支払い手段」「コード決済のメリット・デメリット」の3つ。5人の意見からは、コード決済サービスが乗り越えるべき課題が見えてきた。



●店員が認識していないためにコード決済が使えないことも



 仕事の関係で渡米した経験がある中尾さんは、もともとは銀行口座しか所有していなかったこともあり、日本のキャッシュレスにはなじみがなかったという。初めて日本で使ったコード決済は「LINE Pay」。使う決め手となったのは、事前に銀行口座やコンビニなどからチャージして使えること。



 LINE Payの他にも「PayPay」や「Alipay(アリペイ)」を使っているという。PayPayは第1弾キャンペーンでの還元額が1カ月あたり5万円と高く、1回あたり最大10万円が還元される特典もあったため、家電量販店にユーザーが殺到。中尾さんも仕事でPCが必要になり、高額の還元に引かれたという。



 Alipayは仕事で中国に行ったときに加入し、現地ではほとんど毎日Alipayを使っていたという。普段はコード決済よりもクレジットカードの利用が多いとのこと。コード決済のメリットは、現金を持ち歩くよりはセキュアなこと、デメリットはバーコードを表示する画面が明るくないと読み取れないことだと中尾さんは言う。



 中尾さんは小銭がとにかく嫌い。会計時に財布から小銭を探すのが周囲への迷惑へつながると感じる。中尾さんは、それを避けるためにクレジットカードを使っているとのこと。



 QRコード全般というよりも、Alipayを日本で使って困ったこともあるそう。日本ではAlipayが認知されていないこともあり、居住地である埼玉のローソンではAlipayが使えるはずが、店員さんが認識していないため、使えずにいるという。



 Alipayの良さは銀行口座引き落としの設定ができること。決済するとすぐに引き落とされる仕組みなので「リアルタイムでいくら使ったのかを把握しやすい」と話す。



●サービスごとに機能や店舗が異なるのが困る



 早坂さんは100億円キャンペーンがきっかけでPayPayに加入したという。使えるお店が会社によって異なるので、「還元率が良い点も評価ポイントです」と話す。PayPayの他にもLINE Payなども使っているが、メインはPayPay。



 普段はドラックストアではPayPayで日用品などを1年分くらいまとめ買いしているという。一方、LINE Payで20%還元のキャンペーンが実施される際は、コンビニへ足を運んでいる。仕事の日にはランチを全てPayPayで支払い、LINE Payはスターバックスカードのチャージに使っているそうだ。



 いろいろなコード決済サービスや各キャンペーンを上手に使い、お得なキャッシュレス生活を満喫している早坂さんだが、各サービスを使い分けるときに機能や使えるお店が異なることで悩んでいるそうだ。また、メインで使っているPayPayに導入してほしい機能として「割り勘」を挙げたが、この機能は2019年4月に実装済みで、早坂さんはそのことを知らなかった模様。決済サービスは日進月歩でアップデートされているが、そのスピードにユーザーが追い付くのも大変そうだ。



●コード決済よりもSuicaの方が速い



 楽天ペイを使っている稲田さんは、もともと「楽天モバイル」を使っていたので、楽天スーパーポイントも同時にたまる楽天のエコシステムに引かれたという。



 そんな稲田さんは、楽天ペイの他にも「メルペイ」やPayPayを使っている。メルペイや楽天は小さいキャンペーンを頻繁に行っており、それをきっかけに各キャンペーンも使うようになった。過去には「コーヒーが10円で飲めるキャンペーン」もあり、キャッシュレスのお得さに驚いたとのこと。



 稲田さんは、各社のポイント還元も重要な要素の1つだと話す。一方、「メルペイポイントはセブンイレブンでは使えるが、ローソンでは使えなかった」など、店舗によって使えるポイントが違うことに困ったという。



 そもそも実店舗で買い物する機会が多く、特にお得なキャンペーンをやっていなければコード決済ではなくSuicaを使うという。Suicaのメリットについては「ピッとタッチする方が早くて便利」だと話す。



 一方、コード決済は「例えばその都度アプリを起動することや、ポイントを使うのかどうかを操作するのが面倒」だと話す。さらに「使う人や店員さんが操作に慣れていないと、レジに列ができてしまい、周りの人にまで迷惑を掛けてしまう」と話す。こうした点は、Suicaを使う人ならではの視点だと感じた。



 稲田さんは、特に急ぎの用事ではSuicaを使い、時間に余裕があれば楽天ペイで支払っている。



 デメリットも多いが、楽天ペイではメリットも多いという。稲田さんは「楽天ポイントは楽天モバイルの引き落としに使える」ことや、「ポイントで通信費を払えるのはうれしい」と評価し、いわゆる楽天エコシステムが気に入っている印象を受けた。



●困ったときに誰に聞けばいいのか分からない



 まだコード決済を使ったことがない西城さんは、直近まではコード決済を検討していたそうだが、「宮川大輔のCMで知ったPayPayを使うかどうかで迷っていた矢先に、PayPayの第1弾キャンペーンが終了した」ため、断念したとのこと。



 コード決済アプリに配信されるクーポンにも興味を持つ西城さんだが、手が出せずに悩む理由は「操作方法が分からない」ことや、「困ったときに誰に聞けば解決するのか分からない」からだという。



 そんな西城さんは、普段は現金よりもモバイルSuicaやクレジットカードで買い物をする機会が多い。子供がいる西城さんは、レジで手がふさがっているときに、財布から小銭を出すのが手間だと感じている。「コード決済もクレジットカードのように簡単に決済できるのなら使いたい」と述べた。



 一方で、どうしてもSuicaやクレジットカードが使えない八百屋やスーパーもある。西城さんは「現金はどうしても必要な場面が多々あり、完全に現金離れはできない」と不安そうに話していた。



●決済もポイントも1つのサービスにまとめたい



 青山さんも西城さんと同じく、以前からコード決済には興味があるものの、なかなか手を出せずに困っている1人。PayPayのキャンペーンは報道も含めて非常に注目度が高かったが、その後も異業種が相次いで参入したこともあり、「どれを選んで良いのかが分からない」という。しかし、周囲でも使い始めている人が増えてきており「そろそろ使おうか悩んでいる」と述べた。



 一方で青山さんも西城さんと同様に、「使い方を誰に相談すればいいのか分からない」と悩むが、利用を検討している候補は挙がっている。楽天ペイかLINE Payで迷っており、2つを挙げた理由は、楽天ペイのネット広告を多く見受けるのと、LINEは知人とのやりとりで使っているため。



 例えば、楽天ペイはポイントの還元率が高ければ使ってみたいという。普段はSuicaやnanacoでの支払いが多く、Tポイントカードも所有しており、カード類が増えていると悩んでいる。だから決済もポイントも1つのサービスにまとめたいとのこと。



 これに加えて「現金を厚い札束で持ち歩きたくない」との理由で、普段は基本的にICカードで支払うことが多いという。



●コード決済の非利用者がPayPayを体験して



 座談会の後は、まだコード決済サービスを使ったことがない西城さんと青山さんが、オフィスグリコのQRコードを用いてPayPayでのスキャン支払いを体験した。



 普段はモバイルSuicaやクレジットカードを使っている西城さんは、それと比べるとコード決済(スキャン支払い)は金額入力で思ったより手間が掛かると指摘。「利用者の皆さんがレジで手間取ってしまうと申し訳ないと言っていた気持ちが理解できた」と話した。



 ただ、QRコードの読み込みは早く、普段使うQRコードの読み込みと同じ印象を受けたという。「(店員が読み取る)バーコード支払いならもたつかないと思う」とし、体験後「どういう使い勝手なのかは理解できたので、登録して利用したいと思う」と体験前から一歩前進したようだ。



 一方の青山さんは体験後、「思ったより簡単だった」と話した。「QRの読み込みもスムーズだった。ダウンロードして利用したいと思った」と、候補ではなかった「PayPayを利用したいと思う」と話した。



 PayPayに決めた理由については「キャンペーンを派手にやっているのと、ソフトバンクの子会社だし、孫さんの会社なので信用できるから」と話した。



●取材を終えて:コード決済サービスは“入口”が分からない



 5人とも既にPayPayの100億円キャンペーンを認知しており、各メディアが大々的に報じたことも影響していると感じた。さらにPayPayは地方のサービス事業者や小さな商店街などが採用していることもあり、キャンペーン効果と同時にサービス名称も広く知れ渡っていると感じる。



 一方で、PayPayに限らず、各決済事業者には欠けている点もある。それはまだ利用していない人をうまく囲い込めていないことだ。



 携帯電話キャリアに関連するd払い、au PAY、PayPayなどのコード決済サービスは、一部の携帯ショップでサービス概要について説明を受けることもできるが、LINE Payや楽天ペイなどは携帯キャリアと異なり、対面で話せる専用の窓口がない。そのため、入口がネットからと狭い。



 PayPayのキャンペーン効果もあり、コード決済サービスは徐々に認知され始めているが、使える場所もサービスごとにバラつきがあり、複数を使い分けるユーザーにとっては煩わしい。キャンペーンでユーザーを集めるのは戦略の1つではあるが、まだ使ったことがない人や、サービス利用者で困っている人へのアプローチが足りていないと感じた。



 この記事を通じて、実際のユーザーやまだ使ったことがない人の困り感が少しでも多くの事業者に伝わることを期待したい。


このニュースに関するつぶやき

  • データセンターを韓国に置いてるソフトバンクを信用する奴は情弱やろ、セキュリティがザルやったしな
    • イイネ!5
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  • 現金の方が早い。
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