京阪電気鉄道「あかね」「こがね」新デザインのケーブルカー公開

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2019年06月17日 15:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
京阪電気鉄道は鋼索線(現・男山ケーブル)の車両デザインを一新し、6月19日から運行開始する。これに先立ち、リニューアルした車両の内覧会が17日に実施され、新デザインのケーブルカー「あかね」「こがね」が報道関係者らにお披露目された。

同社の鋼索線は八幡市〜男山山上間を結び、石清水八幡宮への参道としての役割を担う。これまで京阪特急のカラーリングを施した車両2両(1両あたり定員145名、うち座席定員36名)が活躍していたが、安全性向上を目的に行われたリニューアル工事に合わせ、車両デザインを一新。石清水八幡宮らしさを表現する新デザインとなった。

デザインコンセプトは「陽(赤)の遣い」「月(黄)の遣い」。片方が上ると片方が下るケーブルカーを太陽と月に見立て、それぞれが発する光を表すとともに、石清水八幡宮の社殿に使われる朱色・金色、京阪特急伝統のツートンカラーである赤色・黄色の組み合わせもモチーフとしている。陽(赤)は「あかね」、月(黄)は「こがね」の車両愛称を設定し、メタリックフィルムのラッピングで光の情緒感と神聖さを表現した。

各車両の車体に配した「あかね」「こがね」の文字は、石清水八幡宮の宮司、田中恆清氏が揮毫したもの。石清水八幡宮を象徴する2つの要素、神のつかいとされる「阿吽の鳩」と御神紋「流れ左三つ巴」をモチーフに、2両が対となるケーブルカーの特徴を表現したシンボルマークも外装に盛り込んだ。車体側面には、男山の神秘感と歴史の積層、車両の上昇感をイメージしたオリジナルの霞文様を取り入れている。

内装デザインは外装と同様、赤色・黄色の色相をモチーフとし、扉・座席を左右で切り替えるデザインを採用。扉の柄に石清水八幡宮のつがいの鳩と男山の青竹をイメージしたオリジナルの紋を配し、座席表地をオリジナルの霞文様とするなど、外装・内装で一貫性のある世界観を表現した。出入口方向の案内機能も考慮しているという。

内覧会は八幡市駅構内で行われた。赤胴色の「あかね」(01号車)が入駅した後、京阪電気鉄道車両部長の豊田秀明氏が挨拶。「平成28(2016)年、石清水八幡宮は国宝に認定されました。そして今年は令和への改元の年。祝賀の続いたこのタイミングで、我々の車両を新しいデザインにできたことをうれしく思います。石清水八幡宮と一体となり、お客様に喜んでいただけるケーブルカーでありたいと思います」と述べた。外装・内装が公開された後、「あかね」は男山山上駅へ発車し、勾配を上って行った。

しばらくして黄銅色の「こがね」(02号車)が現れ、勾配を下りながら八幡市駅へ。内覧会では「あかね」「こがね」いずれかの車両に試乗することも可能だった。八幡市〜男山山上間の所要時間は3分弱。中間地点で「あかね」「こがね」がすれ違い、八幡市駅付近であじさいの咲く沿線の風景も見ることができた。

「あかね」「こがね」の車両デザインはGKデザイン総研広島が担当。制作担当会社は車体が川崎重工、台車が日立製作所など。車体側面の上部に「OTOKOYAMA CABLE」と記されたが、10月以降は変更するとのことだった。

鋼索線はリニューアル工事にともない、5月27日からケーブルカーの運転を休止し、八幡市〜男山山上間で代行タクシー輸送を行ってきた。運転休止期間は6月18日までとされ、翌19日から新デザインのケーブルカーによる運行を開始する。

車両等のリニューアルに続き、鋼索線では通称・駅名の変更も実施予定。現在の通称は「男山ケーブル」だが、10月1日から「石清水八幡宮参道ケーブル」(略称「参道ケーブル」)となる。駅名は現在の八幡市駅を「ケーブル八幡宮口」駅、男山山上駅を「ケーブル八幡宮山上」駅に変更。あわせて駅舎ファサードの美装化も行う。京阪線の八幡市駅も、10月1日から駅名を「石清水八幡宮」駅に変更する予定となっている。(上新大介)

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