20代の捨てられない思い出、過去の恋愛、三日坊主のアイテム、蓄積された趣味のコレクション、不安の数だけ溜まるストック商品……。収納ライター・ito makiが、30代・女性のひとり暮らしにありがちな、モノと煩悩に支配された“汚部屋”を一掃。ゴミという名の過去を捨て、心ごと汚れを洗い流し、願いが叶う“悟り部屋”に変えていきます!
【煩悩004-04】モノが多い家ほど“あるある”NGの宝庫(Kさん・37歳)
前回では、キッチンに眠っていた不要なモノを手放しました。今回は、必要なモノを戸棚に戻す作業です。収納時に心がけたい「5つのポイント」を交えながら、ビフォーアフター写真でご紹介します。
ほぼ3食自炊するというKさん。このキッチンは毎日使う場所なので、「5つのポイント」を取り入れながら、快適なキッチンへと変えていきます。
すべての「調理道具」が見渡せる、コンロ下収納へ!
以前のコンロ下には、冷蔵庫脇のラックに入りきれなかった食品ストックなどが詰め込んでありました。そのため、鍋やフライパンはコンロ上に出しっぱなしに……。この状態でも、奥のモノが謎ですし、手前のモノをどかす手間が想像できます。これでは、ストレスを感じますね……。
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コンロ下には、調理道具(鍋、ボウル、ザル)を置きました。モノの住所を作り、奥のモノの存在を「見える化」することがポイントです。まだ少し多いかなと思うところですが、この戸棚に入る量を適量として収めました。
以前のシンク下には、多数のお皿と保存容器がありました。KさんのA型らしさが感じる丁寧な重ね盛り芸です。でも、目的のモノを手にするまでのストレスが想像できます。排水口も近く、プラスチック容器の臭い移りも心配……。
左側の上段と下段に分けて、食器類の住所を作りました。手前には普段使いを、奥には来客用を収めます。右側はデッドスペースのため、梅酒と洗剤ストックを置きました。背の高いモノを奥にすれば、「見える化」収納になります。
以前のシンク下は、調味料が詰め放題! 排水口の周りは湿気が多いので、粉モノ、乾物類を置くのは基本NGです。乾物や食品ストックは調味料ワゴンへ収めて、粉モノは冷蔵庫に入れました。
古い寸胴型の排水口は、臭い移りや湿気が出やすいといわれています。寝室にあった引き出しケースを移動して、問題をブロックしました。調理ツールは、1カ所にまとめがちですが「1軍」とその他に分けると出し入れが楽になります。
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以前の引き出しの中は、写真のようにゴッチャリ! 実はこれ、モノが多い家ほど“あるある”な入れ方です。このままでは、モノを掘るように探さなければなりません。それに、ゴミクズが溜まりやすく不衛生になりがちです。
カトラリーケースは、一対型を選んではいけません! 住み替えをしたときに、融通が効かず、汚れが溜まりやすい欠点があります。シンプルなトレーケースなら、仕切りがある、組み合わせができる、洗える、違う場所にも使えるなどのメリットばかり。いずれも、100均で揃えることができるので4個用意しました。衛生的にもパワーアップして、キレイをキープする心も芽生えます。
以前の、シンク上の上戸棚(シンク側)です。滅多に使わないモノと、隙間に詰め込んだラップ類があります。中には、存在さえ忘れていたモノもありました。すべてのモノを取り出すとき、奥のモノが落下してくる危険ゾーンでした。
使用頻度の低い、ワイングラス、おちょこ、季節のモノ(ガスコンロ、お茶ボトル)、調理家電(トースター、たこ焼き器)などを「見える化」収納に改善。箱を重ねる時は、重たいモノを下にして2つまでとします。軽めのモノなら、3段目に置いても可です。これで、落下の危険も防止できました。
以前の、シンク上の上戸棚(コンロ側)です。一般的には、ハンドル付きの収納ボックスをオススメされますが、ムダな隙間があると写真のような状態になります。しかも収納力が少ないため、高さのある収納棚ではもったいない! 筆者的には、空間を使い切るファイルボックスをオススメします。
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上戸棚の下段は、とても出し入れがしやすい場所です。手が届く人に限っては、かがむより手を伸ばすほうが楽です。高さをフル利用できるファイルボックス(100均のモノ)を5個用意して、1グループ1ボックスに収めます。たくさん持っていたラップ類も、今使う量だけにしました。同じグループでも、今使うモノ(1軍)とストック(2軍)に分けると、出し入れが1度で済みます。ちなみに、上戸棚に使用頻度の高いモノを置く時は、軽いモノが鉄則です。
[まとめ]
モノの置き方ひとつで、キッチンの快適さが変わります。よく使う場所だからこそ、ヘビロテするモノだけを置くようにしましょう。同じグループでも、1軍、2軍と使用頻度を分けて収納すると出し入れが簡単になります。キッチンが使いにくいと感じたら、収納を見直すチャンスです!
――次週は、6月24日(月)に更新!
<プロフィール>
伊藤まき(ito maki)
収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。
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