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「物語の途中ですが…」読書中に『CMを挟むしおり』に反響、作者語る“余白”と“アイデア”

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2019年06月21日 06:30  ORICON NEWS

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写真「サニー損保」…? 本当にありそうなクスッと笑える『CMを挟むしおり』(画像提供:有村泰志さん/@15424578268)
「サニー損保」…? 本当にありそうなクスッと笑える『CMを挟むしおり』(画像提供:有村泰志さん/@15424578268)
 本を読んだところまでの目印として使う栞。この栞を斬新なアイデアとして形にした『CMを挟むしおり』が、ネット上で話題を集めている。栞にクスッと笑える数行の架空の企業CMが書かれたもので、すでにクラウドファウンディングでの商品化も決定。この作品の生みの親が、東京で広告制作の仕事をしている有村泰志さん(@15424578268)。この他にも、作品名だけを書き、見る側にその解釈を委ねるイラストをTwitter上に投稿して注目を浴びている。そんな有村さんに、作品へのこだわりや発想の源を聞いた。

【写真】いいね40万超えの『都会と田舎』上下逆になった2枚の絵、あなたはどう解釈する?ほか秀逸な作品の数々

■「天才的なアイデア」と話題 アメリカンジョークを含んだ“CMを挟むしおり”

――「物語の途中ですが、ここで一旦CMです」と書かれた栞。ラジオなどのカットインする広告にあるような『CMを挟むしおり』は、本のページ上に乗せると文章が隠れ、夢中で読み進めてしまうストーリーにひと呼吸おいてくれます。斬新な発想ですが、どのように着想を得たのですか?

【有村泰志】普段スポットライトを浴びない地味な道具ほど、まだまだ斬新なアイデアが潜んでいる金鉱山のようなものだと考えていまして、そんな中で地味な印象だった栞に着目してみたのがきっかけです。

――読書がまた違った形で楽しめそうな作品です。「全てにおいて完璧なしおり」「思いつきそうで思いつかなかった天才的なアイデア」と、コメント欄も盛り上がっていました。

【有村泰志】栞の「挟む」という動作が特殊でなんだか面白いなと感じ、「テレビCMも“挟む”と表現するなぁ…」と気づいて、「じゃあ、合体させてみよう!」となり、生まれました。新しいアイデアを思いつくときは、だいたいそんな風に他のものに例えて融合させることが多いです。

――栞に書かれた文章も、実際にありそうな企業CMっぽいですね。内容や文字数など、オリジナルで作られたのですか。

【有村泰志】昔からあるアメリカンジョークをCM風にいじってみました。文字数や文字サイズは、ちょうど一般的な文庫本サイズに合うように微調整をしています。

――商品化に向けての現在の状況はいかがですか。

【有村泰志】おかげさまでクラウドファウンディングも100%が達成できましたので、現在は細かな調整とパッケージデザインを進めています。「応援しています」といったコメントをたくさん頂き、日々の励みになっています。

■『都会と田舎』への“いいね”は40万超え、言語の壁や国境を超えていく感覚に感動

――ほかにもTwitterには定期的にイラストなどを投稿されています。今までで一番大きな反響があったのはどの作品ですか?

【有村泰志】『都会と田舎』という作品ですね。都会と田舎の対比をシンプルなグラフィックで表現したもので、海外の方々からもたくさんの反応をいただきました。自分の伝えたかったことが、作品を通して言語の壁や国境を超えていく感覚にとても感動しました。

――「TOKAI」と都市の街明かりのように、「INAKA」は夜空に輝く星のように見える2枚。上下逆にすると実は同じ絵というユニークな作品ですね。どういった経緯でこちらの作品は制作されましたか。

【有村泰志】星空を見たときに、「都会の夜景と同じくらい綺麗だな」と感じたことがきっかけになっています。よくある「都会と田舎、どちらが良いか?」という議論に対して、「両方にそれぞれの魅力がある」ことを伝えられたら良いなと思い、このようなグラフィックに落とし込みました。

――昨年公開された作品ですが、現在ではリツイートは10万、いいねは41万を超えています。313件とみなさんが様々な解釈をコメントすることで、さらに作品の面白さを拡げていったようにも思います。これに対して有村さん自身はどう感じていますか。

【有村泰志】自分の本来の意図とは異なる解釈もたくさんあって、人それぞれの捉え方の違いが楽しかったですし、これこそSNSの醍醐味だなと実感しました。「そんな捉え方もあるのか!」と勉強になりました。

■きっかけ「息抜きとしての自主制作」 作品制作での4つのこだわりとは

――Twitterに作品を投稿したきっかけを教えてください。

【有村泰志】グラフィックデザインの仕事をする一方で、息抜きとして自主制作を始めたのがきっかけです。

――制作上でのこだわりなどはありますか?

【有村泰志】こだわりはいくつかありまして、まずは「自分が感じたことや伝えたいことを正直に表現する」ということですね。「みんなが好きそうなもの」とか「バズりそうなもの」などではなく、自分の中で感じた物事を素直に作品にするようにしています。そのほうがより物作りが楽しくなりますし、良い作品が生まれる気がします。ただ、それが相手に伝わらなければ意味がないので、表現方法は独りよがりにならないように気をつけています。「何を伝えるか」は自分の気持ちを正直に、「どう伝えるか」は相手の立場に立って考えるようにしています。

――SNSに投稿していると、つい反響を意識してしまいがちですもんね。そこから一歩引いてみることが、より“息抜きとしての作品作り”になるんですね。他にはどういったことを意識していますか?

【有村泰志】「表現手法を縛らない」ということです。作品のコンセプトによって(何を伝えたいかによって)、写真、イラスト、アニメーションなど、その都度最適な表現手法に変えていくように意識しています。

――なるほど。様々な手法をとることも自由な発想に繋がりそうですね。

【有村泰志】あとは、「余白を設ける」という点ですね。自分自身がそのアイデアを思いついた瞬間の驚きを、作品を見た人にもそのまま擬似体験してもらえるように意識しています。例えば、投稿文は作品名のみにしたり、グラフィックを極力シンプルにしたり。あえて情報を減らして、理解までに若干の考える時間(=余白)が生まれるようにしています。「考える→理解する」という段階を踏むことで、より強く心に響くのかなと思っています。

――こだわりのほかに、気をつけていることはありますか?

【有村泰志】「誰も傷つけない」ということですかね。特にすごく深い理由があるわけではないのですが、ネガティブな表現を使わずに人を惹きつけられる作品作りをしたいと日々意識しています。

■作りたいアイデアは無限 日常の些細なことがアイデアの源に

――アイデアが浮かんでから形になるまで、どのような過程になっているのでしょうか。アイデアの生まれるきっかけを教えてください。

【有村泰志】常に目の前にあるものをじっくりと観察するようにはしています。今日の気温とか、空の雲の形とか、すれ違う人のカバンの色とか。感じたことや気づきはすべてスマホにメモをして、そこから取捨選択をしてアイデア作りをすることが多いです。休日はそういったことを考えながら散歩をしていることが多いですね。

――ご自身の作品を見た人たちに、どういったことを感じてほしいですか?

【有村泰志】夜の肌寒さで夏の終わりを実感する瞬間だったり、そういう日常生活の繊細な情緒に似たものを、作品を通して“擬似体験”していただけたらとても嬉しいです。そういった作品作りを目標にしています。

――今後作ってみたい作品や目標、夢などをお聞かせください。

【有村泰志】作りたいアイデアはまだまだ無限にあります! ひとつずつ地道に発信していきたいです。将来の目標としては、今は雑貨系のアイデア商品が多いのですが、それらを取り扱った雑貨店や、展覧会のようなものも開催したいですね。

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