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自宅売却で税金が数百万円…かかる税金を安くするための要注意チェックリスト

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2019年06月22日 07:31  Business Journal

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Business Journal

写真「Gettyimages」より
「Gettyimages」より

 今回は前回に引き続き、譲渡所得について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。


亮子「家を建てた時の金額を計算するための書類は、契約書でいいのかな?」


啓子「実際の建築費だけではなく、登記費用なども取得費にできる可能性があります」


亮子「取得費をできるだけ大きくすることが節税につながるはずだから……」


啓子「関連する書類をできるだけなくさないでおきたいですね!」


●建物の構造によって譲渡所得が変わる?


 譲渡所得の金額を左右する取得費。この取得費をきちんと計算することは大切です。不動産の取得費とは、その不動産を購入する時にかかった代金等のことです。土地と建物に分けて考えます。


 土地の取得費とは、土地を購入した時の購入金額です。購入代金には仲介手数料なども含まれますが、この点は後述します。


 一方、建物の取得費は、前回に少し触れましたが時の経過などによって価値が減るという考え方に基づいて、購入代金から価値が減った分(=減価償却相当額)を差し引いて計算します。つまり、建物の取得費を計算するためには、購入時から売却時までに、どれぐらい価値が減ったかを意味する「減価償却相当額」の計算方法を知る必要があります。


 減価償却費相当額というと、難しいように感じるかもしれませんが、要は建物の購入金額を使用できる期間に分け、その期間の経過とともに価値が減るように計算をするということです。建物を使用できる期間は、税金のルールであらかじめ建物の構造・使用用途によって決められています。次の使用期間(税務上は耐用年数といいます)はマイホームの減価償却計算のために適用する年数です。また、償却率とは、耐用年数に応じた1年あたりの価値が減る割合を表した率です。


 そして、これらの耐用年数を使って、減価償却相当額を次の計算式で算出します。


・減価償却相当額 = 建物の購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数


 たとえば、購入代金が3000万円の建物を経過年数10年後に売却する場合の構造ごとの取得費は、それぞれ次のように計算します。


(1)木造
減価償却相当額 = 3000万円 × 0.9 × 0.031 × 10年 = 837万円
取得費 = 3000万円 − 837万円 = 2163万円


(2)れんが造
減価償却相当額 = 3000万円 × 0.9 × 0.018 × 10年 = 486万円
取得費 = 3000万円 − 486万円 = 2514万円


(3)鉄骨鉄筋コンクリート
減価償却相当額 = 3000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年 = 405万円
取得費 = 3000万円 − 405万円 = 2595万円


 このように構造によって同じ経過年数であっても、取得費の金額が異なります。そして、不動産売却時の譲渡所得(利益)は、「売却代金 − 取得費」で計算しますので、取得費が大きければ大きいほど、利益の額は減ることとなります。つまり、節税という観点からみると、(3)の取得費が一番大きく、(1)の取得費が一番小さくなるため、建物の構造が(3)→(2)→(1)の順番でお得ということになります。マイホームの購入金額が同じ値段であれば、木造よりも鉄筋鉄骨コンクリート造のほうが、節税できる可能性が高くなるということですね。


●取得費に含まれるもの、含まれないもの


 取得費には、土地・建物の購入代金のほか、建築費用や購入手数料、設備費用や改良費などが含まれます。これらの金額を漏れなく集計することで、取得費が大きくなって利益を圧縮することができるため節税につながります。


 取得費に含まれるものとして、次のようなものがあげられます。


・購入時の仲介手数料
・購入時に納めた登録免許税、登記費用、不動産取得税や印紙税など
・土地の購入時に支払った測量費用
・土地の埋め立てや土盛り、地ならしのために支払った費用
・自宅に住むまでにかかった借入金の利息
・購入時に土地のうえにあった古い建物の解体費用
・リフォーム(増改築等)費用


 なお、リフォーム(増改築等)費用は購入時だけでなく、購入したあとでかかった費用も取得費に加えることができます。ただし、単なる修繕費用は建物の価値を上げるとは考えられないため、税金ルール上は取得費に加えることができません。


 これらの購入時の支出項目を漏れなく取得費とするためには、購入時に登録免許税や測量費用等の領収書や請求書等の書類を保管することが大切です。不動産の売買契約書と一緒に、購入時の書類は一式保管するようにしておきましょう。取得費が高ければ高いほど、譲渡所得の金額が小さくなるので節税することができます。


●個人の場合、消費税はどうなるの?


 個人がマイホームを売却しても、売却代金に消費税はかかりません。法人が不動産を売却する場合や、個人事業主がマイホーム以外の不動産を売却する場合には、原則として消費税が課税されます。仮に消費税がかかる納税者となる場合には、受け取った消費税(売却代金にかかる消費税等)と支払った消費税(建物購入代金や仲介手数料などにかかる消費税等)との差額を、国に納める、または、還付されることになります。


 一般的な会社員がマイホームを売却する場合は、マイホームに関して消費税のことを考える必要はないでしょう。


亮子「書類や資料が残っていれば節税になる可能性は高まる、ということね」


啓子「はい。不動産の書類は、たくさんあるし難しいですよね。また、権利証が『登記識別情報』というシートになっていて、権利証という言葉のイメージとかなりかけ離れていたりするなど、どれが大切な書類か判断が大変かもしれません」


亮子「私は、不動産1つにつきファイルを1つつくって、保管しておくべきかどうか迷ったらとりあえず保管する、くらいのつもりで対応しています!」


啓子「購入した日が正確にわかれば、前回の短期譲渡と長期譲渡のどちらになるかの判断も明確になりますし、不動産書類一式ファイルでしっかり管理できるといいですね!」


(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)


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