キャッチコピーを変えたら売上15万円→212万円に! 『届く!刺さる!!売れる!!!キャッチコピーの極意』が教える、"心に刺さる言葉"のメソッド

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2019年06月23日 09:50  キャリコネニュース

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「ヒラ社員なのにキャッチコピーを考えさせられる」「個人経営でコピーライターに依頼する予算がない」「製品の良さが伝わらず、売れ行きが伸びない」そんな悩みを抱える方々にお薦めしたいのが、『届く!刺さる!!売れる!!!キャッチコピーの極意』(明日香出版社)だ。

著者の弓削徹(ゆげ・とおる)氏は、SONYやサントリー、オリンパスなど2200社の販売拡大に貢献してきたベテランコピーライターでマーケティングコンサルタント。「ノートパソコン」の名付け親でもある。

本書によると、キャッチコピーで思うような結果が得られない理由は、

「キャッチコピーを読んだお客様の心に『買う理由』が生まれていないから」

例えば、アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、 iPod の発表で「1000曲を持ち歩ける!」と プレゼンし、多くのユーザーにメリットを明確にイメージさせた。これが、「大容量5 GB です!」だったら、大勢のユーザーの心には響かなかっただろう。

ビジネスの成否を大きく左右するのはキャッチコピーだと説く本書は、規模の大小に関らず、「ビジネスを成功に導く言葉」のメソッドが、ぎっしり詰まった一冊となっている。(文:篠原みつき)

「誰に」「何を」「どう言うか」を徹底的に考える

本書の魅力は、単なるハウツー、例文集ではなく、著者が経験した具体例を読み物としても楽しみながら学べる点だ。キャッチコピーを変えただけで驚異的に売上が伸びた製品もある。

群馬県で機能性インソールを製造するBMZという会社は、当初、百貨店で「重力を最大限に利用する。」「限界への挑戦がはじまる。」といったキャッチコピーで出店していた。はっきり言って分かりづらく、オリンピックのメダリストやJリーガーも使用している製品なのに、思うように売れていなかった。

そこで弓削氏が示した改案は、「BMZインソールを使うと疲れにくい、ころびにくい、姿勢がよくなる!」 「立方骨で足アーチを守る特許インソール、BMZ。」というもの。これに図解パネルをつけて別店舗に出店すると、足の疲れなどの悩みを抱えた女性客がひっきりなしに訪れ、6日間で15万円ほどだった売上高が、同じ6日間で約212万円と14倍にものぼったという。

こうしたことから、ターゲットに直接響くキャッチコピーの大切さ、手法を間違えないことがいかに重要かよくわかる。

そもそも、商品が売れない原因は、「『ターゲット、ウリ、ウリを伝える言葉』を間違えている」の3点に整理することができるという。つまり、キャッチコピーとは

「誰に」(ターゲットを決める)
「何を」(ウリをつきとめる)
「どう言うか」(言い方を探す・強い言葉を選ぶ)

を突きつめること。特に「誰に・何を」がきちんと突きとめられれば、作業の8割は終わったも同然だという。これはウェブのライティングでも言われることで、当たり前のようだが出来ていない人が多いため、強調しているのだろう。

「やってはいけないNGコピー」を「強い言葉」に変換する

仕事柄、色々な展示会に出かけるという著者は、「ダメなキャッチコピー」にも頻繁に出会うという。会場でパネルやのぼりに掲げられているほとんどのキャッチコピーは、「どう読んでも何度考えても、何がすごいのか、どこが他社と違うのかが一切わからないダメなキャチコピー」なのだとか。

例えば、「多くの人がまた買いたいと言ってくれます」という話し言葉のようなキャッチコピーは、「強い言葉不在型」だという。改案は、具体的な数字や画数の多い熟語、「?」で締めた「82%がリピーターになってしまう秘密とは?」だ。

ちなみに、「強い言葉」とは「肝心な言葉を強い言葉に言い換える」こと。「おいしい・役に立つ」などの平凡な言葉は、読み手にまったく伝わらないので、強い言葉に置き換えていくのだ。本書で強い言葉として示されているのは、

(1)「具体的な数字」(リピーターが82%ならその数字)
(2)「オマノトペ」("サクサク"など感触・食感が伝わる言葉)
(3)「感情に訴える言葉」("人生が変わりました!"、"ついに閉店します"など)
(4)「初耳の言葉」("A5ランク"・"立方骨"など未知の専門用語や造語)
(5)「課題・お悩みワード」(合格・婚活・モテたい、など)
(6)「ギャップのある言葉」("建て主の後悔"、"大人の修学旅行"など)
(7)「方言」(体温や親しみを感じられる"どげんかせんといかん"など)
(8)「新語・流行語」(「今でしょ!」など。ただし古くなるので扱いは要注意)
(9)「決まり文句」("〜主義"、"〜のある生活"など)

と、9項目にも渡る。また、「強くて気になる言い回しを使う」ことで、印象に残りやすいとも。「AはBなんです」よりも、「Aは、意外とBなんです」と書くと、少し引っ掛かりができて記憶に残りやすい、という。

こうしたポイントが丁寧に解説されている上に、「当てはめるだけでどんどん書ける31の表現パターン」や、「ウェブサイトで伝わるコピーライティング」なども網羅している。ネットメディアやSNS全盛のいま、ビジネスに限らず「人の心に刺さる言葉」を発信したい人は多い。筆者も含め、そんな人たちが辞書のように常に手元に置いて参照したくなる、お値打ちモノの一冊である。

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