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1972年完成の近未来ビルで2カ月間暮らしてみた 「中銀カプセルタワービル」滞在レポートが興味深い

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2019年06月23日 21:02  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真投稿者が撮影した中銀カプセルタワーの一室
投稿者が撮影した中銀カプセルタワーの一室

 もはやちょっとした留学だ――東京・銀座にある1972年に建てられたユニークな形状のビル「中銀カプセルタワービル」に2カ月間住んでみた人の報告・感想ツイートが反響を呼んでいます。老朽化する建物の現状と、それでも残って欲しいと思わせる魅力はどこにあるのでしょうか。



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 築47年に突入したにもかかわらず、外観・内装デザインに近未来的な印象を受ける同ビル。故・黒川紀章氏により、細胞が入れ替わるように“新陳代謝”を続けるという建築思想から生み出されたもので、世界で初めて実用化されたカプセル集合住宅です。白い箱のような丸窓付きの立方体ユニットが交換できるように設計されていますが、建設以来一度も交換されることなく現在に至ります。



 投稿者さんが利用したのは、1カ月から賃貸できる「マンスリーカプセル」。2018年10月にスタートし、47年前の面影を残した「オリジナルカプセル」、無印良品がコーディネートした「無印カプセル」、丸窓がソファになっている「丸窓ソファカプセル」の3タイプ8室で受け付けています。そして投稿された写真からもわかるように、今回はオリジナルカプセルに住んでのレポートとなっています。



 まず実際に住んでわかることとして、サバイバルな環境が語られています。お湯は出ない、雨漏りもある、トイレも詰まったりする、備え付き冷蔵庫は壊れている、1階にあるポプラ(コンビニ)は4月に閉店。もちろんインターネット環境はなく、テレビはブラウン管で映りません。投稿者さんは、ドラえもん型のミニ冷蔵庫とライト、さらにプロジェクターを持参したそうです。



 そんな不便さが目立つ部屋ですが、退去後に2カ月間を振り返って出てきたのは「またいつか帰りたい……」という思い。カプセルはそれぞれ10平方メートルで、その宇宙船の一室のようなデザインも相まって、「ひみつ基地」や「隠れ家」といった雰囲気を味わわせてくれます。また当たり前の機能がないことで得られる体験もあり、不便さもすべて愛着に変わるといった意見も。



 もう一つのポイントは、銀座、新橋、築地の中間あたりという立地。銀座の「GINZA SIX」や築地でワインを買って「首都高の灯りをつまみにベッドで晩酌の日々」は心惹かれるものがあり、「気が向いたら銀座のバー」へ赴いたり、さらに「朝は築地のモツ煮丼や銀座の喫茶店で朝ごはんして通勤」といった、この場所の空気に触れて楽しむことで広がる世界も。



 他にも、この不思議で興味深い“カプセル”の部屋に住んでいるということで、2カ月の間でのべ50人の友人が訪ねてきたそうで、これには投稿者本人も「私にそんなに友人がいたとは……」と驚いたほどです。



 現在同ビルでは、前田達之さんが代表を務める「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」によって、上記の「マンスリーカプセル」や「見学ツアー」が実施されています。2015年には保存とその支援を呼びかけるためのクラウドファンディングが行われ、また2018年10月には空きカプセルの改修による事業に投資することで保存活動に参加できる「カプセル保存再生ファンド」を立ち上げ、どちらも目標額を達成しています。



 そしてまだ計画段階のようですが、カプセルを新しいものに交換するという壮大なプロジェクトも、上記のクラウドファンディングページで語られています。



 今回Twitterでは「いつかここに住みたい」「私の夢」「借りたい」と多くの声が寄せられており、数々の老朽化の面を理解したうえで「たのしそう」「エモい」「理想」といった声が上がっています。



 実際に住んでみて刺激的で非日常な日々が体験できたことから、「もはやちょっとした留学だ」と投稿者さん。“見た目が面白い”や“建築としての価値”といった理由以外にも、同ビルを保存し残すことの意義、そしてどう再生すべきかといったヒントは、その言葉の中にあるのかもしれません。



画像提供:@yumataromuさん


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