ホーム > mixiニュース > コラム > 認知症の義父と生活 漫画反響

認知症の義父との生活を描く漫画に反響「介護の不安をユーモアでほぐしたい」

109

2019年06月24日 06:30  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

写真出発時間を何度も確認したはずなのに結局…の展開に「可愛すぎる」の声 画像提供:三丁目いちこさん
出発時間を何度も確認したはずなのに結局…の展開に「可愛すぎる」の声 画像提供:三丁目いちこさん
 2年前に他界した義父のひろぽさんとの介護生活を漫画にし、SNSで発信している三丁目いちこさん。介護の日常や周知したい情報などを時にユーモアを交えながら描くスタイルに「癒される」「介護の励みになった」とのコメントが多数寄せられている。描き始めるにあたって葛藤や不安もあったそうだが、実際に介護生活中の読者からも共感の声が広がっている。そこで、作者の三丁目いちこさんに作品への思いを聞いた。

【漫画】“イラストで老いと介護を笑い飛ばせ”認知症の義父との日常描くほっこり漫画集

■住職の言葉で漫画化決意、月1デートするほど仲が良かった義父への供養

 ひろぽさんは、脳梗塞により失語と左半身のマヒを抱え、認知症を患いながら10年間自宅介護を行っていた。認知症や介護はマイナスイメージも強い中、“イラストで老いと介護を笑い飛ばせ”というキャッチコピーの三丁目いちこさんの漫画は、ひろぽさんの言い間違いや物忘れをユニークに伝えるほっこりするような場面が多く描かれている。

――漫画を描き始めたきっかけは何だったのでしょうか。
【三丁目いちこさん】ひろぽが他界したとき、悲しんでいる私たちにお寺のご住職が「故人の事を思い出してあげることが何よりの供養」とおっしゃいました。悲しみの中でひろぽを思えば、晩年認知症を発症してからの面白エピソードばかり。思い出を記録しているうちに、これは何かの形にして残したいという思いが湧き、マンガにしてみようと思いました。

――漫画からひろぽさんの愛らしさが伝わってきます。
【三丁目いちこさん】どう表現したらひろぽの面白さや可愛さが伝わるだろうかと思いながら描いています。実際本当に可愛いおじいちゃんだったのですが、私の表現の仕方でそれが半減してしまってはいけないと思いつつ描いています。

――義父とはいえ、家族愛を感じますね。
【三丁目いちこさん】私とひろぽは出会った頃からとても気が合い、結婚式場を決める時も多忙な夫に代わってひろぽと二人で式場めぐりをしたほどです。始めの頃は“夫の父親”というよりは職場の上司のような感じに思っていました。私の実の父親が亡くなってからは、ひろぽを父親のように思うこともありました。認知症になってからは、実父にしてあげられなかったことを全てしよう、自分がされて嫌なことはするまい、と思い介護していました。

――ひろぽさんとのエピソードで、心に残っていることを教えてください。
【三丁目いちこさん】「月1デート」です。月に一度、大きい病院での診察があったのですが、帰りに二人でショッピングモールで買い物したり、ご飯を食べたり、併設されている図書館に行ったりしました。杖を忘れて、手をつないで歩いたことを思い出します。

――ひろぽさんはどんな方だったのでしょうか。
【三丁目いちこさん】私から見たひろぽは、社交的でとても明るく、ときどき頑固。孫が生まれてからは本当に“孫命”で、優しくて面白い人でもあったのだな思いました。若い頃から「最期は孫二人に手を取られながら逝きたい」と申しておりましたが、希望通りにお別れすることができました。

■漫画を描くほどひろぽが好きになる、読者の介護の不安を少しでもほぐしたい

――SNSを通じてひろぽさんの漫画を発信することで、何か心境に変化はありましたでしょうか。
【三丁目いちこさん】始めた頃は素人の絵で、認知症が題材なので不快な思いをする方がいらっしゃるかもしれないという懸念もあり、恐る恐る描いていましたが、描いているうちにだんだん楽しくなってきました。介護は大変だったこともたくさんありましたが“大変”をあえて描かないことで、ますますひろぽが好きになっているように思います。

――やはり介護は“大変”なことも多かったですか。
【三丁目いちこさん】困ったことや嫌なことももちろんありましたし、荒んだ気持ちになって優しくできない時もありました。そんなある時から、ひろぽのことを記録してみようと思いました。観察し、性急な展開を求めず、何か起こるのでは、という一歩引いた気持ちで接してみました。すると不思議なことに、イライラすることが少なくなりました。一呼吸置いた対応をすると、何か解決の糸口が見つかるかもしれません。ひろぽの漫画で介護を不安に思っている方の気持ちが少しでもほぐれたらと思います。

――実際いま介護をしている方、したことがある方にも共感が広がっているようですね。
【三丁目いちこさん】ひろぽのことを見て、自分の両親や祖父母の事を思い出すというご意見はとても嬉しいです。「ひろぽに癒される」「ひろぽかわいい」などとおっしゃっていただけることも励みになります。私の描いていることは介護と言うには程遠い内容ですが、いま現在大変な思いをして介護をされていらっしゃる方からも、「励みになった」「参考になった」などおっしゃっていただけることもありますし、医療や介護のお仕事に従事されていらっしゃる方からもためになるご意見など頂くこともあり、本当にありがたく思います。

――外見でわからない病気などを持ち、援助や配慮が必要な人が身につける“ヘルプマーク”や、認知症を手助けできる人が持つブレスレット“オレンジリング”について伝える回は反響が大きかったようですね。
【三丁目いちこさん】認知症以外の病気を抱えたお子さんの保護者さんや障害を持たれている方の介助をされていらっしゃる方からの反響があり、見た目にはわからない病気や障害を持つ方の介助をされていらっしゃる方が、いかに常日頃から理解されない目を向けられているか痛感しました。認知症サポーター養成講座を受けたことをマンガでレポートした際には、「知らなかった」「講座を受けてみようと思う」「講座を受けました」等の反響があり、嬉しく思いました。

■80歳以上の2人に1人が認知症の時代、内にこもらずどんどん外に助けを求めて

――漫画を通してどんなことを伝えていきたいですか。
【三丁目いちこさん】認知症に関して、こんなこともあるんだ、そんなことも症状なんだ、とわかっていただきたいと思って描いたものもあります。例えば、下記の回は怖いけど、怖くないからね、温かく見守ってね、という気持ちで描きました。今後も、ひろぽの想い出を通して認知症への理解を深めていただけるような内容を描きたいです。

――若い世代は特に、認知症は“他人事”、“遠い未来の話”と感じている人も多いかもしれませんね。
【三丁目いちこさん】80歳以上の2人に1人が認知症の時代が来ると先日の講座で聞きました。自分もいつかは、と思うと怖いし、なりたくないし、気をつけたいと思う反面、いったい何に気を付けたらいいのか、どうしたら認知症にならずに済むかもわからず、ただ不安になるばかりです。自分は関係ないと思わずに、認知症についての知識をたくさん持つことで、認知症と向き合うことができ、恐れや不安も少なくなると思います。そのようなことを発信していけたらいいなと思います。

――いま介護をしている方に伝えたいことはありますか。
【三丁目いちこさん】「自分だけでなんとかしようとせず、助けを求めてください」とお伝えしたいです。病院でも、介護施設でも、福祉施設でも、ご近所の方でも友人でも家族でも。悩みを相談することや、愚痴を言ったり話を聞いてもらうだけでも、気は晴れます。同じような境遇の方達でコミュニケーションを取り合っているグループもあります。内にこもらず、どんどん外に助けを求めに行ってほしいと思います。きっと助けてくれるところはあります。


動画を別画面で再生する


このニュースに関するつぶやき

  • こー言う、マンガは凄く良いと思う https://mixi.at/aa42oSQ
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 母親は人に「ありがとう」が言えない人だし、人に何かしてもらっても文句ばかり言っています。認知症になったら、かなり厄介な人だと思っています(;´д`)
    • イイネ!39
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(40件)

あなたにおすすめ

ニュース設定