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日本のお弁当は手間がかかりすぎ! 簡単ランチでも子は育つアメリカ

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2019年06月25日 10:25  AERA dot.

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写真アメリカの定番ランチ、ピーナッツバター&ジェリーのサンドイッチ(左)。これにフルーツや野菜スティックを付ければ、アメリカ的には上出来です(写真/筆者提供)
アメリカの定番ランチ、ピーナッツバター&ジェリーのサンドイッチ(左)。これにフルーツや野菜スティックを付ければ、アメリカ的には上出来です(写真/筆者提供)
 日本の離乳食はもっと簡単でいいのではないかという話を先週しましたが、同じことが子どものお弁当にも言えるんじゃないかと思っています。

 お弁当って、つまりは持ち運びできる食事のことでしょう。胃を満たすため、栄養を摂取するためなら手作りでも市販品でもどちらでもいいはずなのに、なぜか日本では「冷凍食品ばかりだと子どもがかわいそう」とか「手間をかけるほど家族の絆が深まる」とか、単なる食事が愛情を図る器になってしまっている気がします。

 かたやアメリカのお弁当はというと、Instagramや Pinterestで「school lunchbox」などと検索していただければ一目瞭然なのですが、食材を切って詰めただけのものがほとんどです。クラッカーに野菜スティック、果物。スティックチーズやグラノーラバー、ディップソースなど、市販品もかなりの頻度で登場します。日本人の感覚からすると、お弁当のおかずというよりパーティーのフィンガーフードみたいです。

 インスタ映えする写真でフォロワーを増やしたい“ビジネスパパママ”も多いですから、上げられているランチボックス写真は、これでも気合を入れて作っているほうだと思われます。現実では、ジップロックにプレッツェルをガサッと詰めただけとか、りんごを丸ごとゴロンとバッグに放り込んだだけとか、もはやボックスに入っていないランチもよく見かけます。

 アメリカのお弁当があっさりしている理由としては、もともとランチは簡単に済ませる家庭が多い(働いていると昼食を抜いたりスナックで済ませたりする人も)、共働きの家が多く平日料理に時間を割いていられない、学校の昼食時間が短い、昼食の前におやつの時間がある、などさまざまな背景が考えられます。決して、子どもに愛情を抱いていないからではありません。

 さて、アメリカの定番ランチといえば、ピーナッツバター&ジェリー・サンドイッチです。略してPB&J。ピーナッツバターは、主成分がピーナッツの甘くないペースト。ジェリーは日本でいうジャムのことで、PB&Jに使うのはたいていブドウ(コンコードグレープ)ジャムです。サンドイッチのパンで炭水化物、ピーナッツバターでたんぱく質と脂質、ジェリーでビタミン、ミネラルがとれる完全食!(※注1)という具合に、老若男女から愛されています。食パン1枚にピーナッツバター、もう1枚にジェリーを塗り(※注2)、2枚くっつけたらハイ完成。1分もかかりません。

 このPB&Jにバナナを1本付け足したり、市販のヨーグルトを足したり、あるいは何も足さなかったりしてお弁当にするのです。

 わたしのアメリカン義母は、「子どもに作ってやったお弁当は2種類しかない」と言っていました。前述のPB&Jサンドイッチと、ペパロニ、チーズ、マスタードをパンにはさんだだけの、PB&Jにも負けず劣らずのシンプル・サンドイッチ、この2種類だけ。夜勤もある看護師をしていて、子どもは4人。ダンナは料理ができないので戦力外。全員のお弁当を作る時間も献立を考える時間も取れず、日によって野菜やフルーツをプラスしながら、2種類のサンドイッチでぐるぐる日々を回していたそうです。それでも、4人の子どもたちは痩せも太りもせず、病気もせず、健康に育っています。そして、皆お母さんが大好きです。

 もし手の凝ったお弁当が愛の証だとしたら、アメリカの子どもたちは皆、愛に飢えてカラカラに干からびていることでしょう。親の愛情って、お弁当だけで伝えるものではないですよね、きっと。

※注1 「ジェリーでビタミン・ミネラルが採れるというのは思い込みで、実際は糖分の塊でしかありません。ジェリーの代わりに砂糖不使用のジャムやフルーツのスライスを使いましょう」と健康志向派はアドバイスしています。

※注2 食パン1枚にピーナッツバターを塗り、もう1枚にジェリーを塗るのか、それとも1枚にピーナッツバターを塗ってからその上にジェリーを塗るのかは、ミルクティーを作る際に紅茶を先にティーカップへ注ぐのかミルクを先に注ぐのかと同じく、いまだ結論の出ない難問であるとかないとか。

※AERAオンライン限定記事

◯大井美紗子
おおい・みさこ/アメリカ在住ライター。1986年長野県生まれ。海外書き人クラブ会員。大阪大学文学部卒業後、出版社で育児書の編集者を務める。渡米を機に独立し、日経DUALやサライ.jp、ジュニアエラなどでアメリカの生活文化に関する記事を執筆している。2016年に第1子を日本で、19年に第2子をアメリカで出産。ツイッター:@misakohi

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  • あちらはそういう文化なんだね、こちらはこうだよ、ってだけのこと。いちいち日本を乏して情けなくないかね?
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