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Amazonの全購買履歴が消えた。果たして復活するのか……

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2019年06月25日 16:00  HARBOR BUSINESS Online

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HARBOR BUSINESS Online

写真illustrated by Gerd Altmann via Pixabay
illustrated by Gerd Altmann via Pixabay
◆Amazonの全購買履歴が……消えた

 いきなりではあるが、これは私の身に起きたことである。6月の初旬に、私のAmazonの購買履歴がいきなり全て消えた。そして、即日復活した。

 消えたことについて私はAmazonを非難してはいない。Amazonのユーザーサポートは、米国大手IT企業と思えないほど素晴らしい。私の中で、主な比較対象がGoogleなので、特にそう感じる。

 というわけで、多くの人が興味があると思うので、Amazonの全購買履歴が消えた時の顛末を書こうと思う。

 最初の異変は6月の初めにあった。『Google Chrome』の挙動がおかしくなり、全ログインデータが消えた。それだけでなく、『Google Chrome』はエラーファイルを吐き出し続けた。最終的に、一度アンインストールして、再インストールしたら動きが安定した。ネットを調べると、たまにそういうことがあるようだ(参照:Stack Overflow)。

 そうしたことがあったために、6月の初旬に、全てのSNSなどで再ログインが必要になった。初めてのケースだが、似たようなことがないわけでもない、Webブラウザのキャッシュやログを全て削除したあとには、こういったことが生じる。面倒だとは思いながら、サイトを訪れるごとに淡々とアカウント名とパスワードを入力していった。

◆表示されたまっさらなAmazonの履歴画面

 この流れの一環として、ちょうどAmazonの「著者セントラル」(著作の売れ行き情報が見られるページ)を見ようとして、メールアドレスとパスワードを入力した。すると、見慣れぬ郵便番号の入力画面が表示された。

 久し振りに一からログインだから、入力情報が細かいのかなと思い、入力してログインした。すると「著者セントラル」に紐づけられている本のデータが空になっていた。おかしいな不具合かなと思った。「著者セントラル」では、たまにデータの反映が遅くなる。今回もその類かと考えた。

 そこで、他のデータを先に見ようと思い「KDP」(Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング)のページを開いた。自作電子書籍の販売データだ。すると本のデータが何もない。この段階で、体がわずかに強張る。嫌な予感がする。何か重大なエラーが起きているのではないか……。

 意を決してAmazonで購入した本の履歴を開いた。そこには何もなかった。1冊すら購入していない、まっさらな履歴画面が表示された。これまでに入手した電子書籍はどこに行ったのか。

 そして、ようやく理解した。私のアカウントの全データが消えてなくなったのだと。

◆ユーザーサポートへのアクセス、衝撃の事実

 ちょうど夕食時だったが、悠長に食事を食べている場合ではない。Q&Aを探してみたが、該当する情報は見つからない。そこで、Amazonのチャットによるユーザーサポートを呼び出した。

 ここで少し補足しておく。Amazonは、メールでのやり取り以外に、電話やチャットでのユーザーサポートを受け付けている。私のおすすめはチャットだ。他の作業と並行して、ユーザーサポートを受けられる。そして終了後は、全履歴をメールで送ってくれる。開始までの待ち時間も短い。

 消費者向けの企業でもあるAmazonは、ユーザーサポートがしっかりしている。いや、繋がらない電話のサポートしかない企業と比べて、非常に高いレベルでサポートをしてくれる。

 こうした点は、Googleとは大きく違う。以前、GoogleがAndroidを日本進出する時に、銀行口座の登録でトラブルがあった。半角片仮名で名義を入力するのだが、法人で使う「(」の文字を受け付けないというバグがあった。

 そのせいで、デポジットが振り込まれなかったのだが、再三メールで報告しても「正しい銀行口座名を入力して下さい」という機械が書いたメールしか送ってこなかった。結局、三菱UFJ銀行(当時は三菱東京UFJ銀行)の本部に確認してもらって、そのやり取りを送った段階で、ようやく「エンジニアに連絡します」という人力のメールが返ってきた。一連のやり取りは1ヶ月弱もかかった。

 ユーザー対応は極力したくないと考えるGoogleと比較して、Amazonはきちんと顧客に向き合っている。

◆明かされたエラーの要因は!?

 さて、話を戻そう。Amazonのユーザーサポートだ。

 サポートでチャットを選択すると、1分も待たずに繋がり、サポートが開始された。調べてもらうと驚くべきことに、私のメールアドレスで2つのアカウントが存在しているという。1つが現在の住所で、もう1つが過去の住所だという。

 そういえば先ほど、郵便番号を入力する際に、古い方の番号を入力した可能性がある。そのことで、何も中身がないもう1つのアカウントにログインしてしまったようだ。原因は分からないが、当面の問題は正しいアカウントにログインできるかだ。そのことを中心に、ユーザーサポートを進めていった。

◆全購買履歴の復活

「パスワードを再設定します。別のWebブラウザでログインしてみてください」

 2つのアカウントは、メールアドレスもパスワードも同一になっていた。そこで、正しいアカウントのパスワードを変更することで、そちらに優先的にログインするというわけだ。

 パスワードを再設定して、普段とは違うWebブラウザでログインしてみる。データが全て復活した。胸をなで下ろした。

 続いて、いつも使っているWebブラウザでログアウトしてログインしてみる。こちらも正しいデータが表示された。これで一安心だ。

 ユーザーサポートの担当者に「こうしたことはよくあるのか」と尋ねてみた。まれにあるということだった。

◆翌日のやり取り

 翌日、さらにメールでユーザーサポートが来た。第2のアカウントが作成されたのは、トラブルが起きた日だという。以前から存在していたわけではなく、ログイン画面で郵便番号を入力したタイミングで別アカウントが生成されたようだ。

 同じメールアドレスで、複数のアカウントが作成されるのは奇異に感じる。そのことを仲間内で話したのだが「そういえば、amazon.co.jp と amazon.co.uk のアカウントは、同じメールアドレスで別アカウントだ」という人がいた。なので、グローバル全体で見れば、同じメールアドレスで複数のアカウントが作成されること自体は仕様のようだ。

 今回の私のケースでは、同じメールアドレスで複数アカウントができたことよりも、ログイン画面での入力によって、複数アカウントが生成されてしまったことが問題だった。

 メールでのユーザーサポートでは、生成された別アカウントを削除する提案が書いてあった。このままでは、またどういったタイミングで別アカウントにログインしてしまうか分からないからだ。

 削除申請をしてくれということだったが、ユーザーサポートのページには、適切な申請例文がない。そのことを伝えると、向こうで手続きをして削除を実行してくれた。こうしてトラブルは完全に解消された。

◆1つのサービスに過度に依存する怖さ

 今回の件で思ったことがある。

 巨大企業の巨大顧客データベースが、完全に何の不具合もなく動いていると思う方がおかしい。何らかのバグやエラーが紛れ込んでいると考えるべきだろう。特に、建て増しが続き、長く稼働しているサービスほど、その可能性が高い。

 いつ、サービスのデータにトラブルが起きてもおかしくない。そう覚悟していた方がよい。

 また、1つのサービスに過度に依存するのは危険だとも思った。相手が意図しなくても、どんな不具合に遭遇するか分からない。

 それとともに、同じような不具合に遭遇した時に、似た前例があると知っているのは重要だと感じた。知っていれば冷静に対処できる。知らなければパニックに陥ったり、無理だと諦める可能性がある。そうしたことを考えて、今回の体験を記録に残しておこうと思った。

◆シリーズ連載:ゲーム開発者が見たギークニュース

<文/柳井政和>

やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。

このニュースに関するつぶやき

  • 大概のオンラインサイトの退会もしくはユーザ削除がしずらい問題は永遠の課題だろうな。
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  • amazonは、たまに「なんでやねん!?」ってツッコミ入れたくなるような不具合と遭遇する事があるよね…。 もう慣れたけど。
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