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アニソンカフェで「ヲタ芸」やってみたら、元高校球児でもハードすぎた件

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2019年06月25日 17:00  AERA dot.

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写真オープン前の「ヲタ芸」練習。ポイントは、腕をしっかり伸ばすことだ。
オープン前の「ヲタ芸」練習。ポイントは、腕をしっかり伸ばすことだ。
 曲が始まり、サビが流れると、「ローマーンース!」のかけ声が会場全体に響いた。次の瞬間、体を左右に思い切り反らしながら腕を天井に向かって突き上げる。一心不乱に踊り続ける彼女たちの額は汗でびっしょり。その様子を後ろから見ていた記者は、異様な空気に終始圧倒されていた。

【営業中のアニソンカフェはこちら】

 何かが憑依したかのように踊り続けているのは、「セーラームーン」のコスプレやピンクのウィッグをかぶった女子高生姿の女性たち。彼女たちの視線の先には、ステージ上で美声を披露するアイドルの姿……ではなく、ポロシャツを着たごく普通の成人男性だった。

 6月1日にオープンした東京・池袋のアニソンカフェ「すた〜ず@IKEBUKURO」は、カラオケ中にコスプレ姿のスタッフらが「ヲタ芸」で盛り上げてくれるカラオケバーだ。2015年に1号店をオープンして以降、アニメの世界に入り込めるとして人気を集めている。池袋は6店舗目の出店だ。そんなうわさを耳にした体力自慢の元高校球児の記者(25)が、「ヲタ芸」研修を体験することになった。

*  *  *
 帰宅ラッシュの人混みをかき分けて池袋駅から歩くこと5分。飲食店や雑居ビルなどが立ち並ぶ繁華街に「すた〜ず@IKEBUKURO」はあった。店に入り目に飛び込んできたのは、清潔感あふれるシンプルな内装。店員やコスプレ姿の女性たちが開店に向け準備を進めていた。コスプレ姿の人たちを除けば、一見してここがサブカル系専門の店だとは思えない。

 とまどいながらも、従業員にあいさつを済ませてスーツ姿から動きやすい服装に着替えると、さっそく店長の澤田健人さんが店のシステムについて教えてくれた。

 店内は一般的なカラオケ店のような個室式ではなく、スナックのイメージに近い。カウンターに10人、テーブル席に20人ほどが座れる広さだ。カラオケ中はコスプレ姿のスタッフらが盛り上げてくれるので、「おひとり様」でも孤立する心配はないという。

「コスプレ姿で接客するのはアルバイトで採用した方々です。プライベートのコスプレ経験がある人がほとんどで、衣装は自前で好きなものを持ち込んでもらっています」(澤田さん)

 アルバイトは学生ら16〜23歳が中心だ。特定のコスプレイヤーを目当てに来店するファンも多いという。

 20代の紅音(あかね)さんはセーラームーンのコスプレをしていた。頭からつま先まで本格的なコスプレだが、全身の衣装はネット通販などで意外にも1万円前後でそろえられる安さだ。アニメと同様にスカートが極端に短く、正直目のやり場に困ってしまった。筆者同様にヲタ芸は未経験だというが、「研修、一緒に頑張りましょう」と励ましあった。

 ヲタ芸とは、アイドルのコンサートなどで、ファンが曲を盛り上げるために行う独特な踊りやかけ声のことだ。聞けば、ヲタ芸には曲ごとに数えきれないほどのパターンがあるそうだ。覚えられるのか不安になったが、いくつかの基本的な型を覚えれば、どの曲でもある程度は対応できるという。5人のアルバイト(うち2人がヲタ芸未経験)とともに、まずは踊ってみることになった。

 店長から最初に教わったのは、「サンダースネイク」という技。名前からして激しさを感じさせる。まず両手を前に向かって縦回転させながら繰り返し交差させ、両腕を体の左から右に持ってくる。その後両腕をまっすぐ上に伸ばして体の前で大きく円を描くように振り回す。とにかく腕をめちゃくちゃに振り回すのだ。

 そしてそのまま冒頭の「ロマンス」へと続く。技名のとおり「ローマーンース!」と声を出しながら激しく体を動かす。それぞれ曲のサビを盛り上げる重要な技だ。

 店長や先輩スタッフの動きをまねながら10分ほど基本動作を繰り返す。高校時代、真夏の炎天下で何時間も走らされた筆者だが、気づけば息が上がり汗だくに。激しい運動だが、やっていると意外と楽しい。

「それでは、曲に合わせてみましょうか」

 そういって澤田さんが流した曲は、筆者と同世代の20〜30代なら誰もが知っているであろうアニメ「デジモンアドベンチャー」の「Butter−Fly(バタフライ)」。

「よし、やるぞ!」と意気込んだのもつかの間、曲が流れると技のタイミングがあわない。経験者の先輩たちを見ると、意味の分からない単語を叫びながらオリジナル技を繰り出している。いや、聞いてないんですけどそんな動き…。

 残念ながら1曲目では、店長直伝のサンダースネイクとロマンスを繰り出すことはできなかったが、曲が終わった後には達成感を味わえた。踊ることで歌い手との一体感を感じられるのだ。もちろん、筆者の踊りは傍からすれば見るに堪えない出来だっただろうが…。

「最後に歌ってみませんか」と澤田さんが提案してくれた。大のカラオケ好きの筆者は「お願いします」と即答。リモコンで、歌い慣れた「Butter−Fly(バタフライ)」を選曲する。従業員としてはイマイチだったが、音程は外さない自信がある。ステージに駆け上がると、カフェ内の視線が集まるのを感じた。緊張感が高まる。

思えば、大人数を前に歌うのは初めての経験だ。マイクを握る手に汗がにじむ。手をズボンで拭っていると、曲のイントロが流れてきた。

「やばい…あがり症なの忘れてた」

 そんな臆病な記者のピンチを救ってくれたのは、コスプレ姿をした”元同僚”たちだった。手拍子やかけ声などを駆使して全力で盛り上げてくれる。その勢いはサビになっても終盤に差し掛かっても衰えない。いや、むしろ彼女たちの熱量に記者の声量が負けているようだった。気がつけば緊張も解けていき、調子に乗った記者はステージ上で元同僚たちをあおりながら歌っていた。まるでアイドル歌手にでもなったような気分だった。

 曲が終わると、息を切らして倒れこむスタッフたち。なりふり構わず、好きなことに夢中になる。これが「アニソンカフェ」の魅力なのだ。翌日、記者の全身がひどい筋肉痛に襲われたことは言うまでもない。

 池袋店の開店初日、店内は身動きが取れないほどの人でにぎわっていた。一人で来たという20代男性はアニソンカフェの魅力をこう語る。

「アニソンカフェはオタクに優しい。普通のカラオケだとアニソンは入れづらいですが、ここなら歓迎される。同じ趣味を持った人たちが集まるので、その場で意気投合することも多い。あの空間自体が、ハブのような役割を果たしているんです」

 仕事以外で友人をつくる機会はめっきり減った。そんな時には、心の友をアニソンカフェに求めてみるのもいいかもしれない。(AERA dot.編集部/井上啓太)

このニュースに関するつぶやき

  • これってどんなアニソンもヲタ芸入るのかな?初代マクロスのopの曲や劇場版ガンダムの「めぐりあい」とかさぁ(*・x・)ノ
    • イイネ!1
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  • オタ芸って真面目にやると絶対痩せるよね。
    • イイネ!30
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