「ロエベ」第3回クラフトプライズが都内で開催、グランプリに初の日本人

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2019年06月25日 22:42  Fashionsnap.com

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プレゼンターの鈴木京香、グランプリの石塚源太、「ロエベ」クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソン Image by: FASHIONSNAP.COM
「ロエベ(LOEWE)」が、今年で3回目となるロエベ クラフト プライズの授賞式を東京・赤坂の草月会館で開催した。日本人の石塚源太がグランプリに輝いた。

 クラフト プライズは、クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の発案により2016年に創設。プロダクトデザイナーの深澤直人が第一回から審査員を務めるほか、プリツカー賞を受賞した建築家で工業デザイナーのパトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)やワン・シュウなど第一線で活躍するエキスパートらが名を連ねている。今年は100を超える国から約2,500点の応募が寄せられ、2月に発表されたファイナリスト29人のうち、約3分の一を占める10人が日本人だった。
 草月ホールで行われた授賞式には、パリでメンズのショーを終えたばかりのアンダーソンをはじめ、審査員、ファイナリストらが出席し、各賞が発表。特別賞にはエディンバラ拠点のアーティスト ハリー・モーガン(Harry Morgan)とイギリスを拠点にする日本人の高樋一人が選ばれた。プレゼンターとしてウルキオラや前回のグランプリ受賞者ジェニファー・リー(Jennifer Lee)などの作品を所有し、アート愛好家でもある女優の鈴木京香が登壇し、グランプリとして漆を題材に作品を発表している石塚源太の名を会場にアナウンスした。
 石塚は1982年京都生まれ。京都市立芸術大学およびロンドンのロイヤル・カレッジ・オブアートで学び、伝統的な漆塗りの技法を用いたアート作品を発表している。今回出展した作品は、スーパーマーケットで見かけたメッシュ袋に入ったオレンジの形状がインスピレーションになっており、現代の日常生活に溶け込むモチーフを日本古来から伝わる漆の技法で表現した。
 授賞式後のメディアインタビューでアンダーソンは受賞作品について、「歴史ある漆からタイムレスなシェイプを作り出し、未来を捉えようとする"次世代の作品"だと感じた」と評価。クラフトプライズを立ち上げた意義として、「クラフトは自己表現の基本で誰もが持っている才能であり本能的なもの。幅広くクラフトを見てきた中でアーティストや職人へのサポートやプラットフォームが十分に足りていないと感じ、クラフトに関する対話を生み出す土台としてプライズを立ち上げた。現代のクラフトを体現できるスキルを持っている人なら誰でも応募できるので、どんどん参加して、プライズを成長させて欲しい」と語った。
 草月会館内のイサム・ノグチが手掛けた石庭「天国」には、ファイナリスト29名の作品が展示されており、6月26日から7月22日まで一般公開される。

■ ロエベ ファンデーション クラフト プライズ日程:2019年6月26日(水)〜7月22日(月)※会期中無休時間:10:00〜19:00(金曜のみ20:00まで)場所:草月会館 東京都港区赤坂7-2-21入場料:無料※毎週土曜14:00〜モデレータ川上典子さんとスペシャル・ゲストによるトークセッションを開催。
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