『ストレンジャー・シングス』キャスト陣や中谷美紀、山田孝之ら、Netflixオリジナル作品祭に集結

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2019年06月26日 00:51  リアルサウンド

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「Netflixオリジナル作品祭」に登壇したキャスト・スタッフ陣

 「Netflixオリジナル作品祭」と題されたイベントが6月25日に都内で開催され、『ストレンジャー・シングス 未知の世界3』『FOLLOWERS』『愛なき森で叫べ』『全裸監督』などの作品のキャスト・スタッフ陣が登壇した。


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 2019年夏以降にNetflixで配信される最新ドラマ、映画、ドキュメンタリー約30作品を一挙に紹介する同イベント。7月4日からシーズン3が全世界配信される『ストレンジャー・シングス 未知の世界』からは、ゲイテン・マタラッツォ、ケイレブ・マクラフリン、ノア・シュナップ、セイディー・シンクの来日キャスト陣が登壇。そして日本のオリジナル作品となる、『FOLLOWERS』の中谷美紀、池田エライザ、蜷川実花監督、『愛なき森で叫べ』の椎名桔平、満島真之介、でんでん、園子温監督、『全裸監督』の山田孝之、満島真之介、玉山鉄二、森田望智、武正晴総監督らが、セッションごとに登壇し、トークを展開した。


 1980年代の小さな町ホーキンスを舞台に、少年ウィルの失踪事件を巡り、友人や家族、地元警察らが不可解な事件に巻き込まれていく模様を描く『ストレンジャー・シングス』のトークセッションでは、主要キャスト4人が作品についてトークを繰り広げた。同作が多くの人を惹きつける理由について、ウィル役のシュナップは、「いくつか理由があると思うけど、その一つは全てのキャラクターが共感できること。全世代の人が楽しめるし、80年代を経験した人は郷愁も感じられる」と自身の考えを述べながら、その影響の大きさについて「街中で声をかけられるようになった。一方で今までと同じような生活もしているよ。全て『ストレンジャー・シングス』のおかげで、今後も感謝し続けると思う」と作品に対する熱い想いを語る。


 トークの中盤では、本作の製作総指揮を務めるマット・ダファーとロス・ダファー(ザ・ダファー・ブラザーズ)からのメッセージ映像も上映され、アニメやゲームなど日本の文化からも大きな影響を受けていることを告白。シーズン3では、特に『バイオハザード』からの影響が大きかったことを明かした。そんなザ・ダファー・ブラザーズからの映像を受け、ダスティン役のマタラッツォは、「2人は天才。彼らのおかげで僕らも素晴らしい経験ができた。彼らは完璧主義者で控えめで、2人で静かに話し合っていることが多かった。それが現場にも活かされて、作品にもいい影響を与えているよ」と語った。


 終盤には、『ストレンジャー・シングス』の大ファンだという『FOLLOWERS』の蜷川監督もトークに参加。「1話でやめられないほど、とにかく話が面白い。80年代の空気感やディテールがすごい」と作品の魅力を語ると、ルーカス役のマクラフリンも「80年代は素晴らしい時代。ファッション、音楽、ヘアスタイルなど惹きつけられるものがたくさんある」と80年代についてコメント。マックス役のシンクも「知識はあったけど、現場に入ったら知らないことがいっぱいあった。トランシーバーとか(笑)」と笑いを交えながら、「何でこの時代のキッズたちはこんなに自由なんだろうと思った。今の時代は常に両親にスマホでメッセージを送らなければいけないから、自転車でいろんなところに行って親に連絡しなくていいのかなって」と現在との時代の違いについても触れた。


 蜷川監督は、自身の監督作『FOLLOWERS』のトークセッションにも中谷、池田とともに登壇。同作は、多様なライフスタイルの女性たちが登場し、SNS社会において直接的、あるいは、間接的に影響し合い生きていく姿と、現在のTOKYOのリアルを交えながら描いたドラマ。中谷演じる主人公・人気写真家の奈良リミと、池田演じる、女優を目指して上京してきた百田なつめとの出会いを中心に物語が展開していく。


 蜷川監督は、5〜6年温めていた企画だったという同作について、「ずっとリアリティがある女性の物語をやりたかった。あまり日本では描かれてきていない女性像、東京のリアリティを追い求めた」と作品にかける思いを熱弁。主人公の人気写真家・奈良リミを演じた中谷は、「まだまだ女性だからできないこともたくさんある。私も働く女性だから犠牲にしてきたこともたくさんあります。でも、女性である紫式部は世界最長の小説を執筆したし、平塚らいてうや与謝野晶子などもそう。社会や制度のせいにもしたくなるけど、自ら選び取り開拓すれば、なんとかなるのではないかと、前向きに考えていきたい」と、女性の生き方について自身の考えを述べた。


 蜷川監督は、女優を目指す百田なつめを演じた池田との会話からインスピレーションを受けることが多く、なつめの役を池田に寄せたり、登場人物のセリフに池田の言葉を加えたりもしたという。ただ、そのセリフはなつめではなく他のキャラクターに加えられたようで、池田は「(セリフを)言われながら、それ私が言った言葉じゃない?って(笑)」と、笑い交じりに語ると、蜷川監督がすかさず「自分の言葉に怒られる(笑)」と言葉を重ねた。


 園監督、椎名、満島、でんでん、武藤大司プロデューサーが登壇した『愛なき森で叫べ』のトークセッションでは、途中で園監督が「壇上に長いこといるとまた心臓が……。なんか大丈夫かなって……」と、冗談交じりに語る場面も。


 実際の猟奇殺人事件にインスパイされた本作。主人公である冷酷な先天的犯罪者・村田丈を演じた椎名は、「Netflixでの配信ということで、いろんな言葉、ものすごい数の言語に変換される。ものすごく笑ってもらえると思うし、ものすごく怖がってもらえると思う。どこの国の人が観ても、わからないことがない。日本映画がダイレクトに世界中に発信されるのではという期待がある」と自信たっぷりにコメント。一方の園監督は、「今年の2月に心筋梗塞で倒れて、また蘇ったんですけど、全ての原因はこの作品。ものすごい編集の量で、長い時間かけて作りましたので、Netflixに慰謝料を……」と話し、会場を笑いに包んだ。なお本作は、もともとオリジナルシリーズで製作される予定だったが、オリジナル映画として配信されることも決定した。


 80年代を駆け抜けた“放送禁止のパイオニア”村西とおるの姿を描いた『全裸監督』のトークセッションでは、山田、満島、玉山、森田、武監督が、本作の“過激さ”についてトークを展開。山田は、「撮影前に村西さんに実際にお会いしました。話すというより、すごく喋る方なので話すのを見てた感じだったんですけど、話す相手、内容によって切り替えてる。スイッチを入れるタイプだと思ったので、そこを意識しました」と役作りについてコメント。また、台湾メディアの取材を受けた際に、「これが日本だ」と言ったことも告白。「そういう日本として、みなさん生きていくしかない」と語り、会場を盛り上げた。


 さらにイベントでは、オリジナルシリーズやオリジナル映画など今後のラインナップも発表された。Netflixオリジナルシリーズでは、ヘンリー・カヴィルが主演を務めるアクションファンタジー『ウィッチャー』、『バーフバリ』シリーズの前日譚『バーフバリ:帝国の夜明け』、平岳大、窪塚洋介、本木雅弘ら日本人キャストも出演する、ロンドンと東京を舞台に繰り広げられるサスペンスドラマ『Girl / Haji』などの作品が並んだ。Netflixオリジナル映画では、マーティン・スコセッシ監督が実在のマフィアを描く『アイリッシュマン』、マイケル・ベイ監督とライアン・レイノルズがタッグを組む『6アンダーグラウンド』、ピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグの再タッグ作『Wonderland(原題)』、パナマ文書流出事件をベースにしたスティーヴン・ソダーバーグ監督作『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』などの作品が紹介された。


 さらに、『呪怨』シリーズの新作となるオリジナルドラマの製作も発表された。脚本は高橋洋と一瀬隆重が手がけ、『きみの鳥はうたえる』『ワイルドツアー』の三宅唱が監督を務める。(取材・文=宮川翔)


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