「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

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2019年06月28日 19:51  リアルサウンド

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『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、海外旅行の思い出はアイルランドのリアルサウンド映画部・宮川が『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をプッシュします。


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『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』


 11年続いたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を締めくくるに相応しい大団円で、世界中を熱狂と興奮と感動で包んだ『アベンジャーズ/エンドゲーム』。4月26日の公開から約2カ月のロングランを経て、ついに6月27日に上映終了を迎えた。


 『エンドゲーム』上映終了の翌日に、まさにバトンを受け継ぐ形で公開されたのが、MCUの23作目でフェーズ3のラストを飾る本作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』だ。


 世界興行興収が歴代1位の『アバター』(2009年)に迫る歴代2位という大ヒットを記録中の『エンドゲーム』の直後を描く作品であること、前述のとおりMCUフェーズ3の完結編であること、過去にサム・ライミ版(『スパイダーマン』『スパイダーマン2』『スパイダーマン3』)、マーク・ウェブ版(『アメイジング・スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン2』)が作られた、スパイダーマンという人気ヒーローの単独映画最新作であることなどを踏まえると、この作品の注目度と重要度は「『エンドゲーム』以上」と言えるかもしれない。


 そんな『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』だが、作品の出来は『エンドゲーム』とは全く違う方向性で、新たな可能性すら感じさせる内容となっている。公開されたばかりなのでなるべくネタバレは控えるが、『エンドゲーム』の“その後”をしっかりと描きつつ、『ホームカミング』の続編としても、スパイダーマンが主人公の単独映画としても、MCUフェーズ3完結編としても、そして1本の映画としても、予想以上によくできた作品だ。


 MCU初登場となった『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で、トニー・スターク/アイアンマンにスカウトされ、突然ヒーロー同士の戦いに巻き込まれることになったピーター・パーカー/スパイダーマン。『ホームカミング』では、真のヒーローになろうとする気持ちが空回りしながらも、トニーに導かれヒーローとしての役割を学び、“親愛なる隣人”としての道を選択。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、トニーの力になろうと、アベンジャーズの一員として最凶の敵サノスに挑んだ。そして『エンドゲーム』では、トニーとの感動の再会もつかの間、悲しい別れを経験した。


 トニー・スターク/アイアンマンがいなくなった後の世界が舞台の『ファー・フロム・ホーム』だが、彼の存在感は至るところで漂っている。それでもトニーはもういないのだ。「次のアイアンマン」「アベンジャーズの新リーダー」としての役割を求められるピーターは、高校生としての自分の生活を取るか、ヒーローとしての役割を全うするか、大きな選択を迫られる。そしてピーターがこの作品で経験する様々な出来事が、あらゆる面で彼を成長させていく。


 本編終了後とエンドクレジット終了後のポストクレジットシーンには、2つの大きなサプライズが用意されている。ひとつは今後の『スパイダーマン』シリーズに関わるもの、そしてもうひとつはこの作品の評価に大きく関わってくるものだ。ここまでポストクレジットシーンが大きな意味を持つのは今回が初めてではないだろうか。大きな転換期を迎えたMCUだが、これからもまだまだ期待しかない。(宮川翔)


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