新しい地図、「星のファンファーレ」MVが100万回再生突破 映像と楽曲に溢れる3人の魅力

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2019年07月01日 06:01  リアルサウンド

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新しい地図 join ミュージック「星のファンファーレ」

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が歌う「星のファンファーレ」のMVが“ドラクエの日(5月27日)“に公開されて約1カ月。再生回数は102万回を突破した(6月30日現在)。この曲は、3人がプロデューサーに就任した『星のドラゴンクエスト』の応援ソング。作詞・作曲をSEKAI NO OWARIのNakajinが手がけた。


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 MVは、ドラクエといえば誰もが思い浮かべる名物キャラクターのスライムが、机の上に置いてあるスマホ画面から微笑むシーンから始まる。スライムの笑顔を見ていると、3人との共通点を感じずにはいられない。年齢も性別も問わず、誰もが親しみを感じる存在。何十年と愛され続けてきたまさにアイドルだ。カメラは少しずつスマホ画面と近づき、ついにはその中に入っていく。


 そこで待ち受けていたのは、たくさんある巨大スライムの間で歌い、踊る、カラフルなスーツ姿の3人だ。SEKAI NO OWARIらしいファンタジックなメロディ。でも、聞こえてくるのは今を懸命に生きている全ての人の心に引っかかる歌詞なのも、グッとくる。


 唇を噛み締めて立ち止まったままか、新しい一歩を踏み出すか。ため息にするか、深呼吸にするか……厳しい毎日に少しだけ逃げ込める場所、子どものようにはしゃげる場所が、ゲームであり、アイドルのいる空間。MVを見ていると、そんな『星ドラ』と3人が私たちにくれる“癒やし“を再確認することができる。


 それにしても、稲垣、草なぎ、香取は、確かに年齢を重ねているにも関わらず、その印象はどんどんピュアなものになっていくように思える。もちろん、大人の男性としての色気を存分に発揮した舞台や映画もたくさん生み出しているが、やはりこうしたファンタジーな世界観との相性は抜群だ。


 スライムに頬を寄せた香取、その背中にそっと寄り添う草なぎの可愛らしさ。首をかしげるようにカメラを見つめて歌う稲垣の美しさ。40代になっても色あせないアイドルの輝きに加えて、サビのスマホの中に入ったり出たりを繰り返すポップなダンスに、Webというまさにニューワールドの冒険を楽しむ彼らの溢れ出るエネルギーが伝わってくる。


 振付は、東京ゲゲゲイのBOWが担当しているのも、このMVの注目ポイント。新進気鋭の才能を取り入れ、新たなスポットライトを当てるのも、ずっと彼らが得意としてきたところだ。それができるのも、彼らが確立した「アイドル=どんな色をも受け入れることができる真っ白なキャンバス」であればこそ。


 〈君が街を受け入れれば/街は君を受け入れて/その度にひとりぼっちじゃない自分に気づくでしょう〉という歌詞は、彼らが歩んできたスタンスそのもののようだ。彼ら自身が新たな道を切り拓いてきたのは、それを一貫して続けてきたからだろう。


 現実から少し距離を置いて、幻想の世界で遊び、そしてまた現実へと戻っていく私たちに、「最初に受け入れる」ことこそが、今よりも少しだけ過ごしやすい新しい世界へのヒントになることを教えてくれる。


 誰もが、人生を冒険する勇者。現実的な黒のスーツ姿の3人のシルエットが、ゲームキャラクターになっているのは、そんなことを暗示しているのかもしれない。手に握りしめているのは剣ではなくスマホ。彼らやNAKAMAといつでもつながることのできるスマホが、現代を生きる武器になる。〈考えすぎて足がすくんだなら/仲間と共に/さあ地図を広げよう〉3人が広げた新しい地図が彩り豊かになっていくのを楽しみながら、そして自分自身の地図とも地続きである喜びを感じながら、また次の一歩を踏み出す。そんな勇気が出るMVだからこそ、何度見ても飽きることがない。より多くの人にこの素晴らしさが伝わることを願ってやまない。今こそ、1人ひとりが持つ武器(スマホ)を手に、新たなアクションを!(佐藤結衣)


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