40年で8,000人の赤ちゃんに子守唄 「命の誕生」を歌で祝う医師(米)<動画あり>

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2019年07月06日 21:12  Techinsight Japan

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生まれたばかりの赤ちゃんに歌いかける医師(画像は『PEOPLE.com 2019年7月1日付「Beloved ‘Singing Doctor’ Who Sang to 8,000 Newborns Receives Sweet Honor for ‘Beautiful Voice’」(PHOTO:UPMC)』のスクリーンショット)
今年初め、米ペンシルベニア州ピッツバーグ市が5月16日を“ジャジャ・デイ”とすることを発表した。産婦人科医として40年以上活躍し、ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)・マギー・ウィメンズ病院を2年前に退職したケアリー・アンドリュー=ジャジャ医師(Dr. Carey Andrew-Jaja)の功績を称えてのことだった。“歌を歌う医師(The Singing Doctor)” として8,000人の赤ちゃんを取り上げたジャジャ氏は6月16日、同病院を久々に訪れ、出産直後の母親と赤ちゃんを温かい歌で迎えた。『Good Morning America』『PEOPLE.com』などが伝えている。

ドクター・ジャジャが出産したばかりの母親と赤ちゃんに歌を歌うようになったのは、今から40年以上も前のことだった。ピッツバーグ・アレゲニー総合病院で研修医として働いていたジャジャ氏は、赤ちゃんが誕生するたびに“ハッピー・バースデー・トゥ・ユー”を元気に歌う産婦人科医と出会ったのだ。歌が好きでいつも現場で一緒に歌を口ずさんでいたジャジャ氏は、同医師の退職をきっかけに“お祝いの歌を歌う”というバトンを引き継いだ。

それ以来、ドクター・ジャジャは取り上げた8,000人もの赤ちゃん全員に歌いかけてきた。彼が得意とするのはルイ・アームストロングの“What a Wonderful World(この素晴らしき世界)”と“ハッピー・バースデー・トゥ・ユー”で、心のこもった歌声に涙した母親は数知れないという。

ドクター・ジャジャは赤ちゃんや家族に歌を歌うことについて、次のように語っている。

「出産は母親にとっても家族にとっても精神的な負担が大きく大変なことです。患者らを支える私たちが笑顔で接し、最高のケアを提供し、温かい歌で迎えてあげることはとても重要なことなのです。私の歌は言わば子守唄と一緒ですよ。」

「赤ちゃんの誕生は生命の奇跡であり、医師として出産に携わることができるのは素晴らしいことです。生命の奇跡を目の当たりにすると、世界が直面している全ての危機を忘れることができるのです。」

「生まれてくる子は全て特別な存在です。これまで数千人の赤ちゃんを取り上げましたが、誰もが人とは違った個性を持っており、ひとりとして同じ人間はいないのです。私はそのひとりひとりに語り掛けるつもりで歌を届けてきました。『君たちは未来を背負って立つ、特別な存在だよ』ってね。私にとって歌うことはこの上ない喜びです。ピッツバーグ市が私の功績を認めて下さったことを大変嬉しく思います。」

命の誕生を祝う時、ドクター・ジャジャは必ず赤ちゃんの名前を歌に込める。そして歌の最後には「美しい世界へようこそ、〜ちゃん」と、赤ちゃんに優しく語りかけるのだ。

引退した今もドクター・ジャジャを慕う人は数多く、UPMCのFacebookには病室で歌う彼の歌声を収めた動画が数多く投稿されている。そしてそこに溢れるのは「彼の声はとても素敵よ。心に響くものがあるの」「こんな医師に出会いたかった」「私の赤ちゃんも“ジャジャ・ベイビー”よ」「彼の人柄が伝わってくるわ」「じ〜んときた」といったコメントである。

心に響く歌を届け続けてきたドクター・ジャジャだが、引退後も教会などでその美しい歌声を披露しており、現在は作曲や旅行、家族との時間を楽しんでいるとのことだ。



画像は『PEOPLE.com 2019年7月1日付「Beloved ‘Singing Doctor’ Who Sang to 8,000 Newborns Receives Sweet Honor for ‘Beautiful Voice’」(PHOTO:UPMC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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