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爆買いに続くインバウンドの目玉になるか 中国人に広がる「ファンラン」、旅行関係者が熱視線

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2019年07月07日 07:00  ウィズニュース

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写真足利市の織姫公園で開かれた「足利ファンラン」=6月21日
足利市の織姫公園で開かれた「足利ファンラン」=6月21日

日本と同様、中国でも最近は「走る」ことがブームになっています。人気を集めるマラソンは、都心では競技目的の大会が多く開かれる一方、郊外では順位を気にせず、自然を楽しみながら短い距離を走る「ファンラン」(村走り)が増えています。ランナーの間では「海外でもファンランしたい」という要望が高まり、過去には鳥取県でファンランが実現。今年6月には、栃木県足利市でも開催されました。

爆買いに続く、新たなインバウンドの目玉になる可能性に日本の旅行関係者も期待を寄せる中国人のファンラン。その魅力はどこにあるのか。足利の大会に参加しながら、主催者や参加者たちの話を聞きました。(朝日新聞記者・rong zhang)

【写真】一人が逆さまになって、柵越しのペットボトルを……「足利ファンラン」のユニークなゲームとは

順位を気にせず、楽しみながら走る
足利市民の憩いの場である織姫公園に6月21日、約100人が集まりました。参加者の多くは日本に住む中国人。今年は「日中青少年交流年」にあたるため、中国からも児童・学生が4人参加しました。

主催したのは、中国国家観光局の東京事務所(中国駐東京観光代表処)です。王偉(ワン・ウエ)首席代表によると、東京に近い地理的便利さと環境のよさ▽足利フラワーパークの知名度▽室町幕府を築いた足利氏の発祥地、といった理由から足利市の会場に選んだそうです。

中国でのファンランは、5キロのコースを走るのが一般的です。今回は、より多くの人に楽しんでもらえるよう、半分の距離に。私も参加者に配られたTシャツに着替え、他のランナーとスタートしました。

途中にはゲームも
自然豊かな織姫公園のコースは、スピードを出すと風を切って走っているような颯爽な感じがしました。アップダウンや階段もありましたが、疲れたらゆっくり歩くこともできるので、自分のペースで走りを楽しめます。

そして、コースの中盤にさしかかると、ファンランの「名物」とも言えるイベントが登場します。

今回は、3〜4人が協力しないとクリアできない「水を取る」ミニゲームでした。一人が逆さまになって、柵越しのペットボトルをつかむというもので、私も他の女性たちと逆さまになった女性の足を持って支えました。

ゲームを通じて他のランナーとも仲良くなれるので、一人で走るより、楽しさが倍になります。

ゴール地点は、フィニッシュテープが用意され、参加者には記念メダルが配られました。表彰式もあり、上位三位までは賞品がもらえます。ファンランを経験した人によると、リピーターになる確率が高いそうです。参加者の中には、中国で4回以上ファンランに参加した「強者」もいました。

ランニングのプロセスを楽しみ、体を鍛え、またみんなと楽しい思い出もできることが、ファンランの魅力だと言えます。

市民にも広がった中国の「マラソン」
中国では長い間、マラソンは「プロフェッショナルなスポーツ」という認識が根強くありました。1990年代以降、北京、上海、大連、アモイなど、大会は都市部のみでの開催で、参加者もプロ選手に限られていました。

その後、中国では走ることへの関心が高まり、マラソンの開催場所や参加者数が一気に増え始めました。中国陸上競技連盟(中国田径協会)によると、2010年にマラソン大会は13場所で、2011年に22場所、2012年に33場所に上昇、その後2015年に134場所を記録し、2017年に1100場所、2018年にはなんと1580場所を越えたのです。

参加者も2015年の150万人から、2018年の583万人へと大きく増えています。プロの選手というより、マラソン愛好者や一般人が多く参加したということになります。

ただし、マラソンの規模が拡大するに連れ、都市部で開催されるマラソンは競技大会のため、賞金目当てに参加する人も少なくなりません。そんな中、準備不足によるケガや突然死、替え玉ランナーなどの問題が出てきました。王首席代表によると、「競技より、楽しく走りたい」「大都市ではなく、郊外や農村などで自然環境のよいところを走りたい」という意識がランナーの間に広がり、ファンランニング、つまり「ファンラン」が2013年ごろから自発的に増えました。

走る人口が増えた背景には、経済発展が関係していると言われています。2011年に中国の一人あたりのGDPが5000ドルを超え、2019年現在は8000ドルを超えました。それでもまだ、アメリカや日本に比べれば、「走る」ことへの関心はまだまだ上昇の余地があると言われています。

旅行とセットになる動きも
中国でのファンランは地方の行政区域ごとに行われ、自然環境がよいだけでなく、地元の建築や文化、村人の生活に触れることができます。中国全土で開かれ、2019年には、水と緑が多い北京郊外の河北省野三坡、砂漠の風景が美しい甘粛省中寧市、内モンゴルーの草原地帯でファンランが行われる予定だそうです。

郊外が会場になることが多い「ファンラン」を旅行と結びつける動きもあります。福建省の省都アモイに拠点を持つ「中国海峡旅行雑誌社」は、参加者募集から食住の手配、服装・メダルのデザインなど大会だけでなく、その周辺の行程まで組み込んだツアーを手がけています。

それまでのファンランは大会への参加準備もランナーの自己責任でしたが、オーガナイズされた大会が出てきたことによって、安全性・利便性・記念性が高まっています。福建省海峡旅行伝媒の責任者王珊瓏(ワン・シャンロン)さんによると、小さなファンラン大会は30〜50人規模ですが、大きなファンランは1000人を超えるケースもあるそうです。

そして、海外のファンランでも中国人の参加が増えています。これまでベラルーシ、オーストラリア、タイ、韓国、台湾金門などで中国人が開催に関わるファンランが行われ、日本では鳥取県でも行われています。とにかく楽しく走ることが目的のファンラン、家族全員が参加するケースもあり、そのなかベビーカーを押しながら完走した中国人家族もいたそうです。

インバウンドの目玉になるか
足利でのファンランも、順位は特に気にせず、多くの人たちが自分のペースで楽しく走っていました。中国から来た最年少のランナーは、アモイに住む11歳の李維希(リ・ウエシ)さん。「お母さんがファンランを申し込んだので、参加しました。日本がとてもきれいで、好きです。ファンランも楽しかった」と笑顔でした。

こうした動きに日本の旅行関係者も期待を込めています。ファンランについて、「アップダウンなど自然を生かしたコースで、ミニゲームもあり、楽しかった。マラソンよりも距離が短いので、子どもからお年寄りまで楽しめますね」と話すのは足利市の大会に参加した「日本旅行」の中山大輝さん(26)。中国からの訪日客への手配を担当している中山さんは「中国で流行っているファンランを日本で行うことで、日本での旅行がさらに活きると考えています。そのためにも日本でのファンランの積極的な提案が必要不可欠です」。

日本ではまだ始まったばかりの中国人のファンラン。新たなインバウンドの目玉になるのか、これからも注目していきたいです。

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  • ハングル表示を無くそう→【朗報】訪日韓国人客が減少傾向 8年ぶり減少に転じる可能性も。https://twitter.com/yonhapjp/status/1147626290192666625
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