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WANIMA、10-FEET、BUMP……人気バンドの音楽ストリーミング解禁、集中した理由は?

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2019年07月07日 14:41  リアルサウンド

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リアルサウンド

写真WANIMA『Summer Trap!!』
WANIMA『Summer Trap!!』

 ロックバンドの音楽ストリーミングサービスでの楽曲解禁が相次いでいる。


(関連:BUMP OF CHICKEN、アルバム&ドームツアーに高まる期待 バンドが描く次なる“未来”とは


 まず、6月21日より、WANIMAが、2014年10月にリリースされた1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』から、同日から先行配信された5thシングル『Summer Trap!!』(7月17日発売)に収録される新曲「夏のどこかへ」までの全楽曲の配信を開始した。これにはインディーズ時代の所属レーベル(かつ現在に至るまでの所属事務所)<PIZZA OF DEATH>時代の音源も含まれている。<PIZZA OF DEATH>は、所属アーティストの全タイトルをストリーミングで聴けるよう環境を整備する方向であり、その第1弾アーティストがWANIMAだったようだ(参照:サブスク開放特設 | PIZZA OF DEATH RECORDS)。


 渋谷駅に期間限定で掲出された交通広告も話題に。その広告内でも使用されたKENTA (Vo/Ba)の直筆メッセージには、これまでずっと悩んでいたという旨の記載があるほか、<PIZZA OF DEATH>の社長・横山健も「レーベル=音源制作の会社として複雑な思いはありますし、平素より当レーベルを応援して下さっている皆様の中にも同じく複雑な思いを抱かれる方がいらっしゃると思います」とコメントしている。2016年にはHi-STANDARDが16年ぶりの新作を店頭でゲリラ発売するなど、<PIZZA OF DEATH>はフィジカルでリリースすること、“店頭へ足を運ぶ”という体験に対する思い入れの強いレーベルだったため、今回の決断に至るまで葛藤があったのだと考えられる。


 そのため全国のリスナーに与えた衝撃は大きく、今回のニュースに意外性を持った人もいたかもしれないが、YouTubeで公開されたスポット映像「WANIMA サブスク開催動画」にある「WANIMAの音楽を、もっと近くへ」というコピーはこのバンド自身が常々示してきたスタンスと共通するものである。WANIMAファンの年齢層は広く、若年層も多い。34歳以下の若年層が中心と言われるSpotifyユーザー層との親和性が高かったのか、この原稿を書いている時点ではバイラルトップ50(日本)のうち24曲がWANIMAという驚くべき状況になっている。


 次に6月24日より、10-FEETが、過去にリリースしたアルバム8作品とシングル14作品の配信を開始した。10-FEETの場合、“夏フェス予習用”と公言していることが特徴的。自身でも『京都大作戦』を主催し、毎年全国各地のフェスに多数出演しているバンドだからこそ、(フェスの本数が相対的に多い)夏フェスシーズンを目前にしたタイミングでの解禁となったようだ。


 また、現在行われている「10-FEET×JOYSOUND コラボキャンペーン」のうち、7月9日からスタートする第2弾キャンペーンが特に興味深い。JOYSOUNDの会員サービス・うたスキに登録し、カラオケで課題曲を歌唱すると抽選で景品がもらえる、その特賞が“ライブハウスのステージで10-FEETメンバーの生演奏で10-FEETの歌を歌う権利”とのことだ。対象となるステージは、今年10月から始まるワンマンツアーの東京、大阪、名古屋公演。


 ストリーミング解禁自体は“フェスでライブを観る予定はあるが10-FEETに詳しいわけではない”という層を取り込むためのアプローチの一つでもあるが、“フェスからワンマンへ”という導線を整える、また、すでに10-FEETの楽曲をよく知っているコアなファン層へのプレゼントとしてJOYSOUNDのキャンペーンが設けられたのではないかと考えられる。フェスの本数増加に伴い、「フェスで観て良いと思ったバンドがいたらワンマンにも行ってみてください!」という旨の発言をアーティスト自身が行うことも増えた印象があるが、それを地で行くような動きを見せているのが10-FEETであるということだ。


 そして6月28日より、BUMP OF CHICKENが、2000年リリースのシングル『ダイヤモンド』から2016年リリースのアルバム『Butterflies』までの作品(期間限定盤、初回限定盤、廃盤を除く)の配信を解禁した。この中には、インディーズ期の作品の2004年再発バージョンや、藤原基央(Vo/Gt)がMOTOO FUJIWARA名義で制作したサントラ集『SONG FOR TALES OF THE ABYSS』も含まれている。


 解禁日以降はSNSも賑わい、熱心なBUMPファンが自分の思う“影の名曲”を紹介する投稿や、以前よく聴いていたBUMPの曲とともに自分の青春時代を懐かしむような投稿も多く見られた。


 Spotify、Apple Musicともに「天体観測」が最上位だったが、その後に続くのが「ray」、「Butterfly」、「Hello,world!」といった比較的最近の楽曲が上位にあがってきたことも特筆しておきたい。BUMPは今年メジャーデビュー20年目。彼らのようにキャリアのある人気アーティストの場合、“曲は知っているがCDを買ったことはない/ライブを観たことはない”という層や、“この時期の作品はチェックしていたが最近はご無沙汰である”という層も多い。どの時期の楽曲にも気軽にアクセスできるようになったことにより、“空白の期間”を持つリスナーのブランクを埋めること、そうして以前聴いていたリスナーを呼び戻す機会が増えたということも、今回のストリーミング解禁におけるメリットだったのではないだろうか。


 今回取り上げた3組には2つの共通点がある。ひとつは、7月にリリースを控えていること。WANIMAは17日にシングル『Summer Trap!!』を、10-FEETは24日にシングル『ハローフィクサー』を、そしてBUMPは10日にアルバム『aurora arc』をリリース予定である。そしてもうひとつは、夏以降がライブラッシュであること。10-FEETとWANIMAは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』、『SUMMER SONIC 2019』といった大型フェスを筆頭に今年も全国各地のフェスに多数出演予定。BUMPはフェス出演こそ『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』1本のみだが、7〜11月にツアーを実施する。今回のストリーミング解禁のニュースに関しても、東京ドーム2デイズ公演開催の報とともに告知されていた。つまり3組とも、下半期に向けて活動が活発化しているところであり、今回のストリーミング解禁は、プロモーション的な側面も強いように思える。


 ストリーミング解禁の動きは今後さらに広まっていきそうな予感がするため、引き続き注目していきたい。最後に今回取り上げた3組のライブ定番曲を紹介して本稿を締め括りたいと思う。


■WANIMA


「ともに」


爽快感ある曲調のライブアンセム。WANIMAらしくポジティブなメッセージソングだが、青春の陰から目を逸らさない歌詞にも注目。


「THANX」


初期の頃から演奏され続けている曲。〈始まったばかり 主役はお前 準備は出来たんですかい?〉という序盤の歌詞はライブだとまた違う意味合いに聴こえる。


「いいから」


WANIMAの持ち味の一つともいえる、ストレートにエロを歌った曲。音源にも掛け声や手拍子の音が入っていてライブでの光景が目に浮かぶようだ。


■10-FEET


「RIVER」


いわゆる初期曲であり、この曲によって10-FEETの“王道”が確立された印象がある。同じフェスに四星球がいる場合、彼らがこの曲のオマージュ「時間がないときのRIVER」を披露することも。


「その向こうへ」


制作中に東日本大震災が発生、それを受けて綴られた歌詞の誠実さにも注目。サビにおけるTAKUMA(Vo/Gt)の絶唱、繰り返される〈その向こうへ〉の力強さにグッとくる。


「ヒトリセカイ」


ドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』のオープニングテーマだったため、この歌い出しに聞き覚えのある人も多いのでは。ライブではクライマックスに披露されることも多い。


■BUMP OF CHICKEN
「天体観測」


言わずもがな初期のヒット曲。BUMPからの影響を公言するバンドは数多くいるが、今改めて聴くと、この曲が10年代ギターロックの基本フォーマットになっているような感じがある。


「ray」


バンド初のフィーチャリングアーティストとして初音ミクを迎えたことも話題になった曲。エレクトロサウンドを取り入れたアプローチが本格的に取り入れられるようになったのもこの頃だ。


「ガラスのブルース」


インディーズ期から存在する最初期曲のひとつ。バンドのモチーフである“猫”がこの頃から使用されていることが分かる。ライブではアンコールに演奏されることが多く、観客によるシンガロングパートもある。(蜂須賀ちなみ)


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