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吉本芸人の“スピリチュアル営業”はなぜ許される? 「宗教の広告塔になる」罪深さ

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2019年07月11日 00:42  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

写真なだぎ武公式Twitterより
なだぎ武公式Twitterより

 誰にでも、心が弱ってしまう時はあります。救いを求める先が、信頼できる家族や友人ではないこともあるでしょう。「こうすれば幸せになる」と語りかける心理カウンセラー、スピリチュアリスト、霊能力者。彼らを見ていると、「私を救ってくれそう」「この人たちのようになれるかも」と、次第にそんな気持ちが膨らみ……ちょっと待って! それ、本当に信じて大丈夫? スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコが、無責任なことばかり言っている“教祖様”を、鋭い爪でひっかきます。

 令和初めての梅雨入りと時を同じくして、雨上がり決死隊・宮迫博之さん、ロンドンブーツ1号2号・田村亮さんら、吉本興業所属の芸人が、反社会的勢力が主催するイベントに出演していた「闇営業」で、世間を騒がせました。宮迫さんらは当初、反社会的勢力からの金銭授受を否定しましたが、後に一転して認めたことが、事態を悪化させた要因だと思います。このあたりの批判はすでに多数出ているので、私からは今回言及しません。

 「闇営業」というと、“裏社会”とのつながりをイメージしがちですが、その定義は「所属事務所を通さずに仕事をすること」だそうですね。これを聞いて、すぐに思い浮かべたことがあります。それは、吉本興業所属の芸人による「スピリチュアル営業」です。私が観察を続けている界隈のイベントに、これまで複数の吉本芸人が出ていました。あれって、事務所は把握していたのでしょうか……?

 前回も紹介した「スピリチュアリスト」のhappy(現在は「さちまる」「竹腰紗智」に改名。以下、元happy)は、定期的に「イメージが降りてきた」などと言いながら、自身の支持者を集めて大規模なイベントを開催しています。そのイベントに出演する“ゲスト”の手配に重要な役割を果たしていると思われるのが、吉本興業に「文化人」として所属している、旺季志ずかさんです。本業は脚本家で、公式プロフィールには「心屋リセット心理カウンセラー」「ヒプノセラピスト」の資格があると紹介されています(それって、吉本的には公にアピールするものなんだ!?)。

 そんな旺季さんは、2018年4月16日に更新された自身のブログで、アイドルグループ「吉本坂46」のオーディションにて、「隣に座ったことから始まった おそるべきシンクロニシティで」吉本所属のピン芸人・なだぎ武さんと飲み会を開いたと明かしています。その後なだぎさんは、昨年4月に開催された元happy主催のイベント「第2回シンデレラ・プロジェクト」で司会を担当。このイベントは、グランドプリンスホテル新高輪で盛大に行われ、元happyと仲良しのタレント・小林麻耶さんが奇抜なドレスを着て、嬉々とした表情でランウェイを歩いたことで話題になりました。舞台上で麻耶さんに抱きつかれるなだぎさんの写真も、ネットに転がっています。吉本所属のお笑いコンビ・ダイノジの2人も、会場で軽快なDJを披露し、参加者を盛り上げていました。

 ダイノジは昨年10月に長崎県壱岐島で行われた「縄文祭」にも招かれています。これも、壱岐市の観光大使を務める元happyの主催イベント。島におよそ2,000人を集め、深夜まで騒音を出し、会場となった公園の芝生を荒らしたことで住民から怒りを買い、市議会で問題視されたことは前回も述べました。さらに、今年5月に旺季さん主催で、元happyも登場した「ええじゃないか文化祭」は、吉本所属の若手コンビ・ラフレクランがMCを担当。同じく吉本所属・プラスマイナスも出演し、漫才を披露しました。旺季さんが書いたお芝居を、なだぎさんと元happyが熱演する、なんてコーナーもあったようです。

 なだぎさんは、闇営業騒動で所属事務所が揺れていた6月27日、自身のTwitterに「今月の給料を確認。。地獄過ぎて笑うことも泣くこともでけへん、、来月はとりあえずバナナで乗りきります。皆様、もし私を街で見かける事があれば、エサを与えて下さい。。」と、投稿していました。吉本興業は、報道でも取り沙汰されるほど“薄給”な芸能事務所だといいます。前述のイベントに参加した芸人さんたちが、報酬をもらっていたかどうかは確認のしようがありませんが、彼らを取り巻く人々が反社会的勢力の一員だったら、宮迫さんらのように明確に“クロ”として厳しく処分されたはずです。しかしスピ界隈は(裏に何がいるかは知りませんが)、仕事上の関わりとして、“クロ”だとまでは断定しにくいのでしょうね。芸人さんたちは、オファーを受けるのが「悪いこと」とは思わなかったのでしょう。では、何が問題なのか。考えてほしいのは、“この界隈がどのように商売をしているか”ということです。

■いつの間にか“広告塔”になっている罪深さ

 スピリチュアルな“教祖様”は、SNSを駆使し、「意識はいつも自分の内側」などとよくわからないことを言いつつ、主に若い女性の心を操り、「あなたも幸せになれる」「創造の目撃者に」と大げさに煽って熱狂させ、高額な物を売るビジネスを展開しています。元happyも、このお決まりの手法を利用し、若い女性から支持を得ました。「第2回シンデレラ・プロジェクト」は、素人のダンス大会や、素人のファッションショーがメイン。この舞台を見るのに、なんと最低でも3万円のチケット代が必要でした。「縄文祭」なんて、3万3,000円のチケット代が含まれた、8万8,000円のプランまで登場。島への旅費や宿代が含まれているのかと思いきや、もちろんそんな財布にも人にも優しい配慮など皆無で、例えば参加者は“寝袋で野宿”を勧められていたのです。一般的な感覚ならこれが「高い」と思えますが、宗教的なやり方で説得力を持たせ、信者に支払わせるのが“教祖様”。華々しくステージに上がった吉本芸人たちは、教祖様の信用を強固にし、このビジネスへの違和感を薄れさせる役割を担ってしまったと、私は考えます。

 元happyらが、根拠のないものを「布教している」のは、調べればすぐにわかるはずです。素性を隠す反社会的勢力とは違い、彼女たちは自ら発信しています。テレビ業界では、新興宗教やオカルトの類いの取り扱いについて、コンプライアンス意識が強くなってきているはずです。「精神世界」だの「宇宙からのエネルギー」だのと言って客寄せをする“宗教的なもの”に、お墨付きを与えるような“自覚なき”加担も、芸能人・著名人には慎んでほしいのです。「有名な人を呼んでハクをつけたい」「人脈をアピールしたい」という動機は、怪しいスピ集団も、反社会的勢力も変わりません。軽はずみにオファーを受けることによって、いつの間にかスピリチュアルの “広告塔”になってしまう。この罪深さは、著名人個々人や、芸能事務所がきちんと理解するべきではないでしょうか。

 闇営業問題をクリアにするには、どのような依頼主のイベントに所属タレントが出演しようとしているのか、事務所がしっかり見極めなければいけませんよね。それに加え、「反社会的勢力じゃないからセーフ」なのかどうかも、ぜひ考えていただきたいと思います。怪しいスピリチュアルに依存し、一般社会と乖離することを誇りながら、大金をつぎ込む人たちがいます。「芸人さんがイベントに出ていたから」「タレントさんが信じている思想だから」と新たな世界を知り、一歩踏み出してしまう人がいるかもしれない。そうして信者の人口が拡大する可能性は、ゼロではありません。社会問題として認識された時に、「素性がわからなかった」では、闇営業騒動から何も学んでいないことになります。今のうちに対策を練っておくことを、強くおすすめします。

■黒猫ドラネコ
 1983年5月生まれ。性別、職業は非公表。大分県出身、学生時代から大阪で過ごし結婚を機に上京。穏やかで細かい性格。自分勝手な人が嫌い。趣味はスポーツ観戦、カフェ巡り、漫画・アニメ鑑賞など。甘党でお酒よりジュースを好む。ショートスリーパーにつき夜行性。

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