メンタルヘルステクノロジーズは7月9日、「大学病院の医師給与未払い問題」に関する調査結果を発表した。
大学病院で診察をしながら給与を受け取っていない医師が2000人以上いることが文科省の調査でわかった。同社はこれを受けて調査を実施し、医師812人から回答を得た。
「大学病院の医師給与未払い問題についてどう思うか」を聞くと、最も多かったのが「深刻な問題だと思う」(68%)で、以降、「問題だが仕方ないと思う」(27%)、「問題だと思わない」(5%)と、「大学病院での無給医」は医師も重大な問題だと思っていることが明らかになった。
「労働の対価として支払われるべき」「無給医の自殺があり問題化している」と嘆く声も
「深刻な問題」と答えた医師からは、未払い問題は以前からあったとする声が寄せられた。
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「昔からある問題で、いままで解決されてこなかったことも問題」
「医師の世界だけに限らず、職人的な世界にはよくあるひどい話」
働き方改革などが進められている昨今、医療の現場も変わらなければいけない、という声も多い。「労働の対価として給料は支払われるべき」という至極真当なコメントもあった。
「医者も労働者としての権利をしっかり持つべきだ」
「以前にも無給医の自殺などもあり問題化したにもかかわらずいまだに続いている」
ただ、「問題だが仕方ないと思う」と答えた医師からは、
「以前よりあたりまえのこと」「民間は医師不足で困っている」
「大学病院は大赤字なので仕方ないのだと思う」
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といった諦めの声が出ていた。他には、「将来の出世のために仕方がない」と、今は我慢の時期だと考える医師もいるようだ。
「以前よりあり、勉強だと思えば結構です」「嫌なら大学を出ればいい」
一方で「問題だと思わない」と答えた医師からは、「嫌なら大学を出ればいい」と突き放した声が出ていた。
「私が若い頃は、無給が当たり前だったので、問題だと思わない」
「以前よりあり、勉強だと思えば結構です」
「大学病院以外でも時間外手当てのカットはあります」
医療現場の過重労働の背景には、常態化している医師不足がある。人材を確保しながら適切に配置していかなければ、国全体の医療レベルが低下しかねない。国が主導となって対策を講じていくべきだろう。
また、文科省の調査に回答した大学病院勤務の「無給医」や、「元無給医」からは、
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「医局秘書の前でアンケートを回答したので、教授をはじめとした上司への告げ口が怖く、実際は無給なのにも関わらず、給与をもらっていると回答してしまった」
「無給医なしと報告している大学病院でも、週5日勤務のうち、週1日?2日分の給与しか支払っていないことがほとんどなので、今回の報告は氷山の一角」
という声も出ていた。実際は無給状態で働く医師はまだまだいると思われる。無給医があまりにも当たり前の存在になってしまっており、声を上げづらい状況になっているようだ。