「間違いなくジャパニーズホラーから影響を受けている」 『ポラロイド』監督が語る

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2019年07月11日 13:01  リアルサウンド

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『ポラロイド』ラース・クレヴバーグ監督 (c)2019 DPC SUB 1A1, LLC

 7月19日に公開となる映画『ポラロイド』の監督を務めたラース・クレヴバーグのオフィシャルインタビューが到着した。


参考:呪われたカメラを巡るホラー『ポラロイド』7月19日公開決定 ポスター&予告編も


 本作は、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のロイ・リーが製作を務めたホラー映画。ある日バイト先のアンティーク店で、年代モノのポラロイドカメラを手に入れたバードは、友人たちをポラロイドカメラで撮影する。しかし撮影された友人たちが次々と謎の死を遂げる。バードは撮影した写真に不信な黒い影が写り込み、移動しているのを見つける。その影が死に関係していると確信したバードは、ポラロイドカメラに隠された秘密を明かそうと立ち向かう。


 日本では同日公開となるリブート版『チャイルド・プレイ』のラース・クレヴバーグがメガホンを取った本作は、クレヴバーグ監督が手がけた15分のショートフィルム『POLAROID』がきっかけで制作がスタート。短編がスペインのトレモリノスファンタスティック映画祭で発表され、その恐ろしさと斬新なアイデアで最優秀ショートホラーフィルム賞を獲得した。監督の才能はすぐさまハリウッドの目に留まり、セルフリメイクで長編初にしてハリウッドデビュー作として、本作を手がけた。


 クレヴバーグ監督は、ポラロイドカメラがキラーアイテムになるという着想を得た背景について、「父親が写真家だったので子どもの頃からカメラには触れていて、ポラロイドカメラにも元々興味を持っていました。それで現代の世界、特にSNSとかテクノロジーに執着している十代の子たち世界に、前の時代の古い機材(ポラロイドカメラ)を持ち込んでみたいと思いました。映画にポラロイドカメラを取り入れることで、その存在を知らないティーンエイジャーたちが、それが何かというのを自分たちで見つけなければいけない、しかも本当だったら美しい写真を撮ってくれるものなのに、それが彼らの死の原因になってしまうというのがおもしろいと思ったんだよね」と明かした。


 続けて、「今の世代の子たちは、写真というものはSNSに載せる前に自分が望むベストな状態に修正し操ることができるという環境に生まれ育っているから、ポラロイドカメラで写されたらその状況は操ることができないにも関わらず、操りたいと思ってしまうところがおもしろいよね」とコメント。


 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を手がけたプロデューサーのリーとの仕事については、「僕はもともと彼のファンで、今までの業績とかプロデュースの方法が素晴らしいと思っていたので、彼から声を掛けられたときはすごく感動しました」と話しながら、「ホラー映画について豊富な知識を持っているし、特に『リング』や『呪怨』といった日本のホラー映画をハリウッドに紹介した立役者でもあるしね。彼は観客が何を求めているのかがはっきりと見える人で、監督としての自分を導いてくれる存在でした。例えば『呪怨』のような神秘的な雰囲気のものを、アメリカの監督がどう届ければいいか、どういう風に見せるのかってことがわかっている人なんだよね。この作品には彼の存在が欠かせなかったよ」と称賛の声を惜しまない。


 最も好きなホラー映画は『遊星からの物体X』だというクレヴバーグ監督だが、「『ポラロイド』は間違いなく日本の幽霊ものからインスピレーションを受けています」と、ジャパニーズホラーからの影響も公言。「『リング』のVHSテープのように、古いものを物語に持ち込むところとか。日本の古い迷信『カメラに撮られたら魂が抜かれる』というのも知っているよ。特に写真が鍵となる日本の幽霊ものを基にしたこういった作品の撮影をしていると、現場でどこか不穏な雰囲気が漂っていて。誰かがセルフィーを撮ったり、写真を送ったりすると、「やっぱりこれって……(写ってる?)」みたいなことはあって、不思議なざわざわするテンションはありました(笑)」と撮影時のエピソードも披露した。


 日本では同日公開となる最新監督作『チャイルド・プレイ』については、「『ポラロイド』を作っていなければ、間違いなく『チャイルド・プレイ』を作ることはできなかったと思う。『ポラロイド』は準備が6週間、撮影が25日間、ポスプロが3〜4カ月という本当にタイトなスケジュールで制作していて。とてもきつかったけど、だからこそ学ぶこともすごく多くて。怖いシーンをどんな風に撮ればいいかとか、物語をどんな風に綴ればいいのか、アクション部分はどうやって演出すればいいのか、『ポラロイド』で学んだことを全て『チャイルド・プレイ』で応用することができたんだ」と、『ポラロイド』での経験が活きたことを明かした。(リアルサウンド編集部)


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