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マリファナ解禁しました!! 世界で初めて大麻を合法化したウルグアイ産映画『ハッパGoGo』

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2019年07月13日 00:02  日刊サイゾー

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日刊サイゾー

写真ウルグアイで薬局を営むアルフレド親子は、マリファナ供給ルートを米国で確保しろという極秘ミッションを受ける。
ウルグアイで薬局を営むアルフレド親子は、マリファナ供給ルートを米国で確保しろという極秘ミッションを受ける。

 人気アイドルグループ「KAN-TUN」の元メンバー・田口淳之介、元女優の小嶺麗奈が逮捕されたことで、注目度が急上昇した大麻(マリファナ)。タバコや酒より中毒性は低いんだから大騒ぎしなくてもいいんじゃないかという声がある一方、ドラッグの売り上げは裏社会に流れるから絶対にダメという否定派も少なくない。『テッド』(12)など米国のコメディ映画ではおなじみのマリファナだが、医療用大麻も禁じられている今の日本ではなかなかその実像は見えてこない。日本人が感じるモヤモヤ感をすっきり晴らしてくれるのが、南米ウルグアイ産の映画『ハッパGoGo 大統領極秘指令』(原題『Get the Weed』)だ。

 本作のキーパーソンとして登場するのは、ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ、愛称ペペ。報酬のほとんどを貧しい人たちに寄付し、町はずれの農家に奥さんと2人きりで暮らし続けていることから“世界でいちばん貧しい大統領”と呼ばれ、一躍有名となった。また、2013年にはウルグアイを世界初の大麻合法国にしたことでも知られている。そんな個性派大統領がノリノリで出演している『ハッパGoGo』は、リアルとフィクションがブレンドされたユニークなドラマとなっている。

 ムヒカ大統領が大麻合法化に踏み切った理由はとても明快だ。かつては“南米のスイス”と呼ばれるほど民度が高かったウルグアイ。だが近年は犯罪が急増し、ドラッグ常用者も増えている。そこでムヒカ大統領は、大麻を合法化してしまえば、密輸業者に打撃を与え、裏社会へと流れる闇マネーを止めることができると考えた。また、大麻を国が統制すれば、大麻に過度に依存してしまう人を減らすこともできるはずだと。実際にウルグアイでは、2017年から国が指定した薬局で大麻が市販され、一般市民が購入できるようになっている。

 そんなリアルな状況を背景にして、物語は進行する。大麻合法化のニュースに飛びついたのは、薬局を営む若者アルフレド(デニー・ブレックナー)。経営難に陥っている店を立て直すチャンスとばかりに、試験販売と称して自家製「大麻入りブラウニー」を売り出したところ、大行列ができる賑わいに。大麻景気に喜ぶアルフレドだったが、ブラウニーに混ぜていた大麻が闇業者から購入したものだったことがバレ、あえなく逮捕されてしまう。

 ここでムヒカ大統領が登場。大麻を合法化はしたものの、ウルグアイで大麻を栽培し、市販化するまでにはしばらく時間が掛かる。そこで、獄中にいたアルフレッドに司法取引が持ち掛けられる。ムヒカ大統領は、オバマ大統領と米国ホワイトハウスで2014年5月に会談することが決まっていた。その前に米国へ行き、大麻供給ルートを秘密裏に確保してこいと命じられる。頼れる仲間のいないアルフレドは、母親のタルマ(タルマ・フリードレル)に大麻のイロハを教え、2人で米国へと向かう。行き当たりばったりな、実の親子のおかしな大麻探しの旅が始まる。

 本作の面白さは、アルフレドとタルマの実の親子と途中から助っ人として参戦するウルグアイの元麻薬捜査官タト(タト・オルモ)のメインキャスト3人はフィクショナリーな存在だが、物語そのものはドキュメンタリータッチで進んでいくというところ。米国入りしたアルフレド親子は、まずは大麻に関する情報を収集しようと大麻合法州であるコロラド州の州都デンバーへ。デンバー市民が一斉にマリファナ煙草を吸う「420ラリー」、マリファナの国際的品評会「カンナビス・カップ」などのイベントに参加。シンポジウムでアルフレドが「世界初の大麻合法国ウルグアイから来ました」とスピーチすると会場中から拍手を浴びるなど、リアルとフィクションとがシームレスな状態となっている。

 コロラド州で大麻は手に入るものの、州外へは持ち出せないことを知ったアルフレドたちは、ニューヨークへ。街で観光客たちに愛想を振りまいているディズニーやミニオンズの着ぐるみキャラクターたち(中身は中南米からの移民)に「どこに行けば、ハッパは手に入る?」と聞き込みを続ける。地道な努力のかいあって、一行はついに世界で最もホットなジャマイカルートとつながる売人との接触に成功。ドラマは一気にクライマックスを迎える。

 ジャマイカルートとコンタクトできたことで、浮かれるアルフレドたち。宿泊先のビルの屋上で、さっそく入手したマリファナを楽しむ。他愛もない言葉で、ゲラゲラと大笑いするアルフレドとタト。大麻吸引シーンをリアルに撮影しているほかにも、いろんな大麻トリビアが本作には盛り込まれている。ウルグアイは大麻を1グラム=1ドルで販売されることを知って、米国人は驚く。NYでの相場は20ドルだからだ。ちなみに日本での末端価格は、1グラム=3,000〜5000円(武蔵野大学出版『大麻大全 由来からその功罪まで』より)。ウルグアイと比べて、値段が異様に高いことが分かる。それだけ裏社会が潤っているということになる。

 本作は決してマリファナ解禁のためのプロパガンダ映画というわけではない。大麻入りブラウニーを知らずに朝ご飯代わりに食べてしまったアルフレドの母タルマが「気分が悪い」と訴え、ウルグアイ駐米大使館でぐったりしてしまうシーンも撮影されている。緑内障の治療薬であり、抗うつ剤としても知られている大麻だが、人によって、またその日の体調によって効果が違ってくるので、誰でもいつでも「超ハッピー♪」というわけではなさそう。過剰摂取には気をつけたい。

 学生時代にマリファナをやっていたことで有名なオバマ大統領との会談を終えたムヒカ大統領と、アルフレドたちはいよいよ合流。どんな結末が待っているかは、劇場で楽しんでほしい。ムヒカ大統領の退任後、ウルグアイは大麻の栽培に成功し、国内販売にこぎ着けたわけだが、大麻関係者と関わることを嫌う銀行からは大麻を扱う薬局は取り引きを断られるなど、想定外の問題も派生している。

 その一方、米国のカリフォルニア州やカナダでも2018年からは大麻が完全合法化に、さらにニューヨークやスペインでは未成年や営利目的以外での少量の大麻利用は犯罪として扱わないなど、大麻を容認する方向へと海外では進みつつある。いちいち大麻を取り締まるのに、膨大な税金を費やすのは無駄だと考えるようになったわけだ。世界でいちばん貧しい大統領が始めたこの実験的政策は、やがて日本でも受け入れられることになるだろうか。

(文=長野辰次)

 

『ハッパGoGo 大統領極秘指令』

監督/デニー・ブレックナー、アルフォンソ・ゲレロ、マルコス・ヘッチ

出演/デニー・ブレックナー、タルマ・フリードレル、グスタボ・オルモス、イグナシオ・ロケ、ペペ・ムヒカ

配給/Action Inc.+Smoke

7月13日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー ※13日と14日(日)は監督が来日してのK’s cinemaでのトークショーあり。

(C)Loro films

https://www.8855movie.com

 

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