WANIMA、ウルフルズ、エレカシ…それぞれの応援ソングの特徴は?  『音楽の日』出演を機に考察

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2019年07月14日 01:21  リアルサウンド

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WANIMA『Good Job!!』

 WANIMA、ウルフルズ、エレファントカシマシが、7月13日放送の『音楽の日2019』(TBS系)に出演する。この3組は、力強い応援歌を届けてくれるという共通点がある。彼らの曲を聴いていて、前を向くことが出来たと言う経験を持つリスナーも多いのではないだろうか。そこで今回は、WANIMA『Good Job!!』、ウルフルズ『ウ!!!』、エレファントカシマシ『Wake Up』、3組の作品から、それぞれの応援ソングの魅力を探っていきたい。


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 WANIMAの特徴は、なんといってもパワフルな歌声と演奏スタイル、メンバーのビッグスマイルだ。見ているだけでも元気をもらえる彼らだが、歌詞もとにかくアツイ。「アゲイン」(『Good Job!!』収録)は、過去を懐かしみつつも、再度挑戦する勇気をくれる一曲。


 〈何度目の挑戦? 誰かが台無しにした日も/誰もが大事に想う日も/優しさだけじゃ癒えない 理屈や理由ならいらない このままじゃ終わりたくないから〉というサビの歌詞は、一度聴くと焼き付いて離れない。ハーモニーも曲の疾走感を加速させ、熱い太陽のもとで全力疾走しているような気持ちになる。〈善も悪も胸の中しまえ/封じ込めた記憶に火を着けて胸が高鳴る〉という歌詞は、しまい込みたい過去や失敗さえ燃料になると思わせてくれる。「ANSWER」(『Good Job!!』収録)は一転、バラード調だが、終盤にかけて徐々に盛り上がる一曲。〈なんだかんだ誰の評価 そんなもんは後回し/「ワカラナイ」がわかる日 目指して…〉〈誰かのいうセオリー通りに行くかよ/消してまた描いて歌う〉など、自分が信じる「答え」が見つかるまで、人のことは気にするなというメッセージをくれる。『Good Job!!』は2019年3月に発売されたことから、受験生の背中も力強く押したことだろう。勉強しながら聴くと、徹夜でも頑張れそうな曲を、WANIMAは届けてくれる。


 ウルフルズの歌詞は、代表曲「ガッツだぜ」「ええねん」にも見られるように、シンプルでリズミカルなものが多い。「ワンツースリー天国」(『ウ!!!』収録)は令和一発目の彼らの応援ソング。


 ブギーなメロディにのせ、冒頭から〈今日までの自分に/満足できない/なんて最高なんだ/くよくよすんな〉と、母のような包容力を見せてくれる。他にも〈人生に 意味はない 意味がないなら見つけるぜ/見つかれば 楽しいぜ 見つからなくても楽しいぜ〉と歌い、人生に苦悩があることを前提にしながらも、それを「最高」「楽しい」とポジティブに捉え直させてくれる。MVでのウルフルズのハッピーな演奏姿にも、自然と笑みがこぼれる。同じく『ウ!!!』収録の「パワー」はよりシンプル。考えるより先に歌って踊ってしまうような一曲だ。〈人生ファイト/君が好き〉とまっすぐ歌われると、「君が好き」なだけで人生を渡っていけるような気がしてくる。難しく考えなくても、この世は「天国」にだってなりうるのかもしれないと、肩の荷がおりる。彼らの応援ソングは人生への肯定感がたっぷり。まさに「ええねん」なのだ。


 エレファントカシマシ「Wake Up」(『Wake Up』 収録)は、宮本浩次が絶妙なバランスで歌いあげ、さらに台詞が入る場面もあり、ライブ会場にいるような感覚になる楽曲。


 〈オレは覚醒したぜ〉というたった1フレーズを聴いただけでも、本当に今、人が起き上がったような情景が浮かぶ。エレファントカシマシの楽曲は、宮本の歌い方一つで印象が変わるという魅力がある。同じ曲を別の人物が歌っても、聴こえ方が全く違うであろう。実際、アルバム『Wake Up』内だけでも、宮本の様々な声色が見事に使い分けられている。このことは、エレファントカシマシが宮本の個性をそのままに楽曲を制作していることを意味するだろう。だからこそ、リスナー一人一人も個性を大切にし、「自分らしく生きろ」と、曲、歌詞、歌声、そしてエレファントカシマシという存在そのものが、背中を押してくれるような気持ちになる。「Easy Go」(『Wake Up』収録)は初期衝動のようなパンクサウンドに、畳み掛けるように歌詞を連ねる一曲。〈そうさ俺にはやることがある 最高の未来この胸に抱きしめる〉という歌詞は、昨年30周年を迎えたエレファントカシマシが歌うことで、一層心を揺さぶられる。年をとっても、自由で自分らしい生き方がいかにカッコいいかを、彼らは教えてくれる。


 人生という旅の中で、人は挫折したり、「人生の意味」について考えさせられたりする瞬間があるだろう。そんな時、自分の気持ちを奮い立たせてくれる歌との出会いは、時に大きなパワーとなり、自分を救ってくれる。今回紹介した3組は、楽曲だけでも十分パワフルだが、ライブパフォーマンスでさらに心を掴まれる。7月13日当日は是非、テレビの前で彼らに背中を押してもらってはどうだろうか。(深海アオミ)


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