『なつぞら』中川大志、染谷将太らが表現する東洋動画の新時代 次週は夕見子に波乱の予感

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2019年07月14日 06:11  リアルサウンド

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『なつぞら』写真提供=NHK

 『なつぞら』(NHK総合)第15週「なつよ、ワクワクが止まらない」で、舞台は北海道の十勝から再び東京の新宿に戻る。宿題だった短編映画の企画案に、なつ(広瀬すず)は帰省中にヒントを得た『ヘンゼルとグレーテル』を提出する。


参考:『なつぞら』第91話では、なつ(広瀬すず)が夕見子(福地桃子)に東京に来た理由を訪ねるが……


 その企画に一番に乗り気になったのは坂場(中川大志)だった。『ヘンゼルとグレーテル』は、困難と戦っていく子供の冒険を描いたグリム童話。なつが自分たち兄妹と重なる物語に惹かれていることを明かすと、坂場は俄然やる気に。原作に社会風刺といったオリジナル性を加え、坂場は「これは君が作るべき作品です。そのために、僕が必ずこの企画を通します」と宣言。なつも知らず知らずの内に坂場の影響を受けながら、『ヘンゼルとグレーテル』の脚本は固まっていく。


 2人の距離が縮まったのは、第13週「なつよ、“雪月”が大ピンチ」にて、階段でバランスを崩したなつを坂場が助けたのが始まりだった。『わんぱく牛若丸』で動画につまづいていたなつは、それがきっかけで馬の前足を4本描くというアニメーションにしかできない表現を思いつく。気がつくと恋の話に持っていきがちの桃代(伊原六花)になつは、「話してると知らないうちに自分が崖っぷちに追い詰められてる気がする」と話し、「もしかしてその崖から落ちた時、恋に落ちてたりするのかもよ」と返されていた。第15週では、再び桃代から恋の尋問が始まり、それになつは「何を言い出すか分かんないから怖いけど、きっとこの人がいればいい作品ができるって妙に安心するの」と答える。演出家としての信頼とも捉えられるが、下宿先の風車に来た坂場が「これは君が作るべき作品です」と告げた際のなつの表情を見ると、安心の先にある心情が垣間見えてくる。


 『ヘンゼルとグレーテル』の制作で新たになつたちのチームに参加するのが、新人アニメーターの神地(染谷将太)だ。「面白い!」が口癖の遠慮なく意見をぶつけてくる、東洋動画に新風を吹かせる一人。スケッチブックにアイデアをどんどん描き出していき、なつも「すごい! 面白い!」と力を借りていく。研修期間の能力試験をトップの成績で合格した神地は、下山(川島明)に絵コンテを提出し、その才能を実際に認められる。なつと麻子(貫地谷しほり)がやっとの思いで辿り着いた原画に、神地もあっさりと許しが出るほどだ。神地の登場、なつと坂場の制作の一方で、若き才能を前に自信をなくしているのが麻子。『ヘンゼルとグレーテル』の最終的な絵コンテを見て、「面白い。やりたいことが見えてきた」という言葉もあったが、彼女の中で葛藤があるのは確かだ。


 『ヘンゼルとグレーテル』制作の裏で並行して描かれるのは、咲太郎(岡田将生)が劇団を辞めて作った声優プロダクション。そこで雪次郎(山田裕貴)は、役を降ろされるという屈辱的な挫折を味わうこととなる。尊敬する蘭子(鈴木杏樹)からも舞台に立つ資格はないと言われ、風車で飲んだくれているところに現れるのが、夕見子(福地桃子)だ。第15週の始めと終わりに、台風のようにやってくる彼女は、なつに『ヘンゼルとグレーテル』のヒントを与えた張本人。昭和当時としては、新しい考え方を持った夕見子だが、その陰には男性の姿と学生運動の精神が。決起集会として風車で行われる、第15週ラストを飾る路地裏でのダンスシーンは、なつを取り巻く様々な人々が一堂に会するシーンだ。


 第16週「なつよ、恋の季節が来た」の予告では、タイトル通り、なつと坂場の関係性に進展の予感を匂わせる。また、新たに夕見子の彼氏として高山(須藤蓮)が登場。「教えてあげる。愛って志よ」と言い放つ夕見子、そして注目は風車で高山と思わしき男性を殴り飛ばす泰樹(草刈正雄)の姿。第16週は波乱の展開が続きそうだ。(渡辺彰浩)


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  • 麻子さんが決断を下すかもしれない、今週分の本放送前。今、BSプレミアムで「なつぞら 前半総集編」を放送中。なつ、今から一回目の採用試験を受ける所。
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