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73歳でも“獣みたいなランボー” スタローン「半世紀のキャリア」語る

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2019年07月15日 08:00  AERA dot.

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写真シルベスター・スタローン (c)Festival De Cannes
シルベスター・スタローン (c)Festival De Cannes
 カンヌ国際映画祭にシルベスター・スタローンが最新作、「ランボー5:ラスト・ブラッド」をひっさげやってきた。当地で半世紀のキャリアについて熱く語ってくれたスタローン。73歳になっても体を張り続ける理由とは?

【カメラの前でおどけるスタローンの写真はこちら】

*  *  *
──「ランボー」「ロッキー」とあなたの多くの出演作の共通点は不屈さだと思います。あなたご自身は?

「不屈さというのは人類共通の特徴だと思う。人類は何千年もの歴史の中で幾多の困難を潜り抜けてきた。一度負けても、力をつけて再挑戦するということが大切だと思う。それは時代を超えたテーマだと思う」

──役柄にどれほど自分自身を反映していますか?

「僕は他の誰とも自分が違うとは思っていない。誰ともつながりがあると感じている。恐れや孤独、勝利や敗北といった気持ちを共有している。それについて語ることで多くの人が共感できるんだ。自分が恐れや孤独を超越した人間であると見れば、誰も共感しない。人間とは弱さと強さとのバランスをとって生きていると思うから。ランボーは人間の内部にある闇について触れている。彼は孤独だ。ロッキーの場合は全然違う。ずっと楽観的で自分は特別な人間ではないとわかっているから特別な人間になろうと努力している。二つのキャラクターは悲観主義と楽観主義をそれぞれ象徴しているんだよ」

──若いころ大変苦労されたようですね。

「自分は楽観的だと思っていたが、それでも無理かなと思ったことはあった。特に出生時の顎のけがのせいで、はっきりと台詞が言えなくて。監督に“お前何言ってるんだ?”って叱られたものだよ。自分で意識していたが、それほどひどいとは思わなかったんだ。アーノルド・シュワルツェネッガーに“君には訛りがあるね”と言われて、“えっ?訛りって、君じゃなくて僕にある?”と耳を疑ったんだ(大笑)。アーノルドと僕は一緒にスピーチ・レッスンの学校を開校すべきだな〜。僕らが俳優として成功できたんだから、誰もが成功できる!」

──ロッキーの1作目は70年代を象徴する一本と思いますか?

「ロッキーは社会の一現象みたいになった。最初は誰もが失敗作と思った。無名俳優、テーマも映画界で人気のないボクシング。撮影はたった25日で予算は100万ドル以下。実のところ孤独な男が女性と出会い生まれ変わるという話で、ボクシング映画じゃないんだ。ボクシングはロッキーの単なる職業だよ。ボクシングは人生の比喩みたいなものだ。人生は闘いであり競争である、という。その要素がうまく合わさり成功したんだと思う」

──スターの仲間入りを果たしましたね。

「当時のアメリカは1976年、建国200周年の年で、時代の節目でもあった。映画は『タクシードライバー』や『ネットワーク』『大統領の陰謀』など非常に政治的で難解な作品が多かった。僕は楽観的だったから『ロッキー』を作ったんだ。人びとは変化を求めていたんだと思う。タイミング的に幸運だったんだと思う」

──「ロッキー3」のころに体を鍛え体脂肪率2.4%まで落としたそうですね。そんなことが可能なんですか?

「そうだね。自分の体を自然な体形から変えるとパーソナリティーも変わるんだ。すっかり体形が変わるとナルシスティックになる。裸で歩きたいような気持ちになり、じゃあ今日はポンチョでも着ようかなと思う。全ては役づくりの準備なんだ。例えば最後のランボーの場合、僕の平均体重は180ポンドくらいだが、215ポンドまで増量した。もしランボーがジャングルに住んだら獣みたいになるだろう、と考えたからだ。人間じゃないんだ。とにかくあのランボーは重かった」

──監督しなかった時代をどう振り返りますか?

「俳優として自動運転モードになった時期だった。80年代90年代、スケジュールの空きを埋める感覚で仕事した時代があった。3年先の映画のスケジュールまで埋めていくような時代。エージェントが持ってきた話だけでスケジュールを決めていく。気が付かないうちに8年間クズな映画に出ることになった」

──後悔していますか?

「深く後悔している。自分について回るわけだし。娘によく言われるよ。“よくこんなクズな映画作ったわね?”と。“お前の学費がどこから出てると思うのか! 黙れ”みたいな会話になるんだよ(笑)」

──その後「コップランド」(97年)によって俳優人生が救われたようですが。

「ジェームズ・マンゴールドは偉大な監督だよ。あの映画で、肉体だけの演技をやめた。クロワッサンにパンケーキ、フレンチトーストを食べ体形を変え、目で演技をした。筋肉でなくボディーランゲージで演技した。奇妙な映画だよ。僕は最も弱い男の役で、ハーベイ・カイテルやデ・ニーロなど共演者にいろいろ罵声を浴びせられた。アクション映画だったらとっくに皆殺しにしてるな、って思ったんだ(笑)。アクション俳優は演技できないという偏見もあった。じゃあ彼らのような演技派俳優に挑戦してみようじゃないかってね。楽しい仕事だった」

──ランボーは単なるアクションヒーロー以上の存在だと感じるようになったのはいつでしょう?

「僕は全く政治に無関心な人間で、投票したことさえなかった。だからランボーには政治的な意図は全くないんだ。最初はおもしろい話だと思った。リサーチしてみると、ベトナムから帰国した元兵士の自殺率が非常に高いことを知った。原作では、ランボーは精神的に病みすぎて最後は殺される。彼はフランケンシュタインだった。だが、それは僕が映画に込めたメッセージではなかった。年間、帰還兵2万5千人が自殺した状況を考えると責任の重い映画だと思った。それでランボーが心を開き、傷や痛みを観客と分かち合ったらどうだろう、と考えたんだ。政治的なコメントを込める気持ちはなかったんだけど、結果的にはそうなってしまったね」

──ベトナムを象徴することに……。

「一度レーガン大統領に会ったとき、“ランボーを見たよ。彼は共和党だよね”って言われたんだ(首をうなだれ、大笑)。ランボーは決して家に帰らない。いつもジャングルとかアフガニスタンなどへと去っていく。でも新作『ランボー5:ラスト・ブラッド』では家に戻るんだ。でも頭の中では、永久に家にはたどり着かないんだよ。彼はここにいるようで、ここにいない、というのがコンセプトなんだ」

(取材・文/高野裕子)

※週刊朝日  2019年7月19日号

このニュースに関するつぶやき

  • ランボー怒りの脱出当時、アサヒファイアーアームズというエアーソフトガンメーカーからM60LMG(ライトマシンガン・軽機関銃)が発売されていたが当時の私には高価で手が出せなかった
    • イイネ!7
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  • 「彼らが国を愛した様に、国も彼らを愛して欲しい」 ランボーはサラリーマン映画です。
    • イイネ!40
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