クールジャパン機構がシタテルに最大10億円の出資、国内アパレルの海外進出を生産基盤からサポート

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2019年07月16日 14:32  Fashionsnap.com

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(左から)シタテル代表取締役CEO河野秀和氏、ジャパン機構の専務取締役COO兼CIOの加藤有治氏 Image by: FASHIONSNAP.COM
クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)が7月16日、縫製事業専門クラウドソーシングサービスを営むシタテル(sitateru)に最大10億円を出資すると発表した。これによりクールジャパン機構はシタテルを通じてファッション業界の効率的な生産基盤の構築を促すとともに、海外市場のデータを提供することで国内アパレル企業の海外進出をサポート。また業界全体における持続可能な成長に貢献する。
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 シタテルは2014年に創業。専門知識を持つコンシェルジュがロット数などを考慮してアパレル企業やブランドと工場をマッチングし、生産面をワンストップでサポートしている。アパレル企業に限らずホテルや各種メーカーの制服、オリジナルアイテムといった衣服カテゴリー全般を手掛けており、現在までに1万3,000社が利用。縫製工場は約700拠点とのネットワークを確立している。今回の出資においては、クールジャパン機構が国内の高品質なテキスタイル技術を世界に向けて展開するための土台となる生産のプラットフォームである同社を支援し、国内アパレルブランドの海外進出を促すとともに、在庫管理の効率化による余剰生産の抑制による地球環境への負担削減といった観点から投資が決定したという。
 シタテルは今回の第三者割当増資を得て、サイトの作成から受注、生産までを一元管理できるECシステム「スペック(SPEC)」の基盤構築を強化。同システムは現在ベータ版を提供しており、今年9月から本格展開を予定している。また、これまで国内で培ったマーケティングを駆使して、取引先のブランドや企業の海外進出をサポート。まずは経済市場の成長を見込むASEAN諸国への展開に取り組む予定だという。同時に同諸国における生産ナレッジを国内事業にも活用できるよう、データ収集を強化していく。同社の河野秀和代表取締役は「海外市場についての知見を持つクールジャパン機構との資本提携は、海外の生産システムの調査やマーケティング強化に非常に心強いものだと考えている。各国の市場に合った生産が可能になることは、国内の取引先にもメリットになると思う」とコメントした。今回の資金調達により、同社の増資による調達額は累計20億円に登る。
>>在庫リスクゼロの新流通システム、シタテルが生産一体型コマース「スペック」とは?
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