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【選挙の舞台裏】全国比例は残酷比例!?(上) 選挙経験者が明かす過酷な実情

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2019年07月16日 16:41  OVO [オーヴォ]

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【選挙の舞台裏】全国比例は残酷比例!?(上) 選挙経験者が明かす過酷な実情

 7月4日に公示された参議院議員選挙。7月21日の投票日に向け、17日間に及ぶ選挙戦が繰り広げられている。以前、OVOでは、2017年に行なわれた東京都議会議員選挙、衆議院議員選挙に合わせて、「そもそも選挙とはどういうものであるのか?」を知ってもらうために【選挙の舞台裏】をシリーズとして掲載した。今回は、参議院選挙の比例区についてお届けしよう。

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 参議院選挙の比例区は、都道府県ごとに選出する選挙区とは別に、比例代表制で選出される選挙の通称。実は「比例区」というのは正式な名称が存在しないために、マスコミや政党などが便宜上使用している名称だ。前身の「全国区」から全国比例とも言われる。

■17日間全国を駆け回る

 参議院比例区では、政党同士の戦いになる衆議院選挙の比例制度と異なり、有権者は「政党名」または「候補者名」で投票する。今回の選挙から導入された特定枠を除くと、当選順位が個人名の得票数が多い順に決まる非拘束名簿式が採用されているため、比例区の立候補者は自分の名前を書いてもらおうと必死になり、17日間に及ぶ長い選挙期間中、文字通り全国を駆け回るのだ。

 今回、立候補した現職議員に話を聞いたところ「一昨日は福岡、昨日は広島、今日は東京。全国くまなく回る。疲れるなどと言っていられない」と答えが返ってきた。文字通りの体力勝負! ただ、通常も国会閉会中は、支援者と交流するため全国を飛び回っており、特に選挙だから特別なわけではないという。

 全国を飛び回るというのは、とりわけ、組織内候補と呼ばれる特定の団体を代表する候補者の場合に顕著だ。これらの候補は、自民党や立憲民主党、国民民主党などで多く見られるが、政党内で他の候補者よりも1票でも多く取って、当選圏内に入らなければ、その団体から“代弁者”を国会に送ることができなくなるため、候補者の努力は涙ぐましい。下部組織や地方組織が全国に点在する場合、公示前、選挙期間中を問わず、すべて回ることになる。

 どれだけ大変かは、実際に活動した人の証言を聞けば、理解することができよう。話してくれたのは、全国老人福祉施設協議会会長を務めていた候補者の選対副本部長をした経験がある、元徳島県議員の森本尚樹さんだ。

 森本さんは、候補者の様子を「全国比例は本人にとって死のロード。私が携ったのは組織内候補だったが、47都道府県全てで決起集会、個人演説会が複数回ある。ご本人が全てに参加だから、そばで見ていても大変だった」と話す。さらに、候補者の出身地である徳島県では、選挙区候補並みの運動をするなど「常人ではあり得ないハードな活動。『あれくらいやらなければダメなんだ』という思いが強い」という。しかし、こうした努力が実を結び、この候補者は二回闘った選挙とも、自民党の比例候補では上位当選を果たすことができた。

■変わらぬ「銭酷比例」

 全国という気が遠くなるほどのエリアの広さに対し、事務所は1カ所のみ。とにかく1票でも多く得票するために、全国比例の候補は期間中、全国を飛び回る。そうなると、気になるのが交通費。本人はもちろん、スタッフも同時に移動となると交通費だけでも相当な額に上る。前身の全国区の時代には「銭酷区」と呼ばれたが、今でも「銭酷比例」であることには変わりがない。

 ただ、選挙期間中は、「参議院比例代表選議員選挙候補者等用特殊乗車券(航空券)」なるものが、全国比例の候補に配布される。参議院名簿登載者に認められる選挙運動の中で、交通機関の利用というのがあり、そこには「特殊乗車券又は特殊航空券:通じて6枚(無料)」記載されている。この“無料券”で移動費は軽減されるようだ。もっとも、選挙運動に携わり、実際に利用したことがある政党関係者に聞くと、「乗車の際、窓口で手続きに時間がかかるため、不便な麺も。最終の新幹線に乗り遅れて夜行列車に乗った際、寝台料金には使えず、その分は自腹となったこともあった」という。

 一方、最近では、新党から出馬する候補などに、東京や大阪などの大都市や、自分の出身地のみで活動するケースが増えているという。森本さんは「一部の地域だけで活動するのは楽な選挙と言えるが、個人票が少ない小政党だから可能なこと」と話す。自民党、立憲民主党など大政党の組織内候補は、必要な票数のケタが違う。少しでも漏らさず集票するために、全国に点在する下部組織や都道府県支部などを最終日まで回り続けることになりそうだ。

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