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自宅を相続した子が母を追い出し! 7・1民法改正で対策できる?

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2019年07月18日 08:00  AERA dot.

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写真ケース1 自宅を相続した子が妻を追い出す (週刊朝日2019年7月26日号より)
ケース1 自宅を相続した子が妻を追い出す (週刊朝日2019年7月26日号より)
 相続について悩みを抱える人も多いだろう。生前の対応の仕方によっては、残された親族の揉め事につながりかねない。7月1日から改正された新しい相続ルールで対策しよう。ライター・森田聡子氏が取材した。

【イラストで見る】ケース2 良かれと思った遺言で妻が息子と断絶

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■ケース1 自宅を相続した子が妻を追い出す

 東京都の女性(82)は昨年、長男(58)夫婦と一緒に暮らしていた自宅を出て、次男(53)夫婦の元に身を寄せた。

「きっかけは主人が亡くなったことです。以前から長男の嫁(55)とは相性が悪く、居住スペースは私たち夫婦が1階、長男一家が2階に分かれて食事も別々でした。それでも主人が元気なうちは波風立てずにやっていたんです」

 嫁の“姑いびり”が始まったのは、亡夫の四十九日法要を終えた後。最初はゴミの出し方が悪いといった些細なことだった。やがて社会人の孫娘(25)と一緒になって「おばあちゃんは臭う」と言い、女性を避けるようになったという。

 半年後、長男から切り出されたのは、「次男の家に行ってくれないか」という提案だった。

「嫁が長男をけしかけたに違いありません。はらわたが煮えくり返る思いでしたが、長男と次男との間で話がついていると聞き、受け入れるしかなかったんです」

 とはいえ、次男夫婦には2人の子どもがいて、住まいの賃貸マンション(3LDK)は元より手狭な状態だ。

「今、次男の嫁(53)に頼んで老人ホームを探してもらっています。もともと私の介護で子どもの手を煩わせたくはなかったので、いいところが見つかれば……」

 体が元気なのが幸いと気丈に話す女性だが、うつむきがちな顔には疲労の色が濃い。

 法律事務所アルシエンの弁護士、武内優宏さんは、多数の相続案件を扱った経験から、「子どもを全面的に信用しないほうがいい」と注意を促す。

「自宅を相続した子どもが母親を追い出して自宅を売却し、そのお金でマンションを購入して妻子と引っ越したというケースもあります」

 嫁から「お義母さんと私たちの生活とどっちが大切なの?」と迫られたら、息子は妻子を選ばざるを得ない。武内さんは、「万一子どもに裏切られても、奥さんが安心して暮らしていけるようにしておくことが大事」とし、改正相続法を活用して妻に自宅を譲渡することは有効な対策になると話す。

 夫婦間で自宅不動産の贈与や遺贈があった場合、原則として遺産の先渡し(特別受益)として取得した自宅は妻の相続財産に加算されていた。しかし、7月から施行された改正で「結婚20年以上が経過した夫婦間の自宅不動産の贈与・遺贈は原則として特別受益には当たらない」ことになり、自宅は妻の相続財産から切り離される。妻はその分、預貯金などを多く受け取れる。

■ケース2 良かれと思った遺言で妻が息子と断絶

 長野県の女性(76)と長男(50)との関係が悪化した原因は、亡夫の死後に発見された遺言書だったという。

「車で数分のところに住む長男は、用がなくても毎日顔を見せに来るような心根のやさしい子でした。なのに、遺言が見つかってから、人が変わったようになってしまって……」

 遺言書には「妻に全財産を相続させる」と書いてあった。当初は長男も「お父さんの遺志だから」と納得した様子だったが、数日後に長女(48)を伴ってやってきて「お母さん、あの遺言はやっぱりおかしいと思う」と言いだしたのだ。

「長男はもともとパパっ子でした。父親が継嗣の自分をむげにするはずはないという思い込みがあって、私が夫に入れ知恵をしたのではないかと勘繰ったのでしょう。私だって、あの遺言は寝耳に水だったのに……」

 長女の取りなしもあって最後は長男も矛を収め、遺言書どおりに遺産分割を行った。しかし、七回忌が過ぎた今も、母と息子の間には大きなわだかまりが残ったままだ。

 自筆証書遺言は一部(財産目録)のパソコン作成が可能になり、来年7月には法務局での保管の受け付けも始まる。これを機にと遺言書の作成を検討している方もいるはずだ。

 しかし、妻に良かれと思って書いた遺言書が一方的なものであれば、結果的に妻や子を不幸にすることもある。先の女性のようなケースでは、子どもには本来もらえるべき遺留分(法定相続分の2分の1)が認められており、妻に対して遺留分の支払いを請求してくる可能性もゼロではない。

「『妻に全財産を相続させる』という遺言書は、子どもの不満を引き出しかねません。生前に子どもの同意を得ておくことが望ましい。子どもから遺留分を請求されそうな場合は、遺言書で妻に自宅を遺贈するのも一つの方法です」と言うのは、相続対策の専門会社・夢相続の曽根恵子代表だ。

 7月から施行された「結婚20年以上が経過した夫婦間の自宅不動産の贈与・遺贈は原則として特別受益には当たらない」という改正を利用することで、法定相続分の相続を前提にすると、この場合、妻は自宅以外の財産の2分の1を手にすることができる。

「その際は遺言書を書いて遺贈する形にしたほうが、生前贈与よりも不動産登記にかかる費用(不動産取得税・登録免許税)の負担が少なくて済みます」(曽根代表)

(ライター・森田聡子)

※週刊朝日  2019年7月26日号より抜粋

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  • FPって相続相談とか受けるのに家の父はFPなのに自身の遺言はどうしてるのか数年前に聞いたら「遺言?そんなの要らないよ、財産無いし」とど素人のような発言をしてビックリ(屮゜Д゜)屮
    • イイネ!5
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