『ミッション:インポッシブル』のパロディ満載 『ルパンの娘』に仕組まれた細かい遊び心

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2019年07月19日 07:41  リアルサウンド

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『ルパンの娘』(c)フジテレビ

 第1話に引き続き、華(深田恭子)の華麗な盗みが事件解決の糸口となった『ルパンの娘』(フジテレビ系)第2話。冒頭では、交際を反対されている華と和馬(瀬戸康史)が、ひょんなことから両家で顔合わせをすることに。和馬の父・典和(信太昌之)は、高校時代の野球の思い出話で華の父・尊(渡部篤郎)と仲を深めるが、和馬の母・美佐子(マルシア)は未だに華の家庭をよく思っていない。そして、美佐子から「和馬と別れて欲しい」と言い渡された華はやはりなかなか別れを告げられずにいた。


【写真】変身前のLの一族


 そんな中、またしても和馬が追う事件にルパンの一族が関与してしまう。華は和馬の力になりたい一心から、悪の組織から盗みを働く家族に力を貸し、お宝と同時に事件解決の手がかりをも盗んでくるのであった。


 本作は、家庭環境の違いからすれ違いを繰り返す2人という大枠の中に、様々な伏線が張られている。和馬は手柄をあげて捜査一課の所属になれば華との結婚の許しがでる。しかしそれを知らないはずの華は、毎回和馬の捜査をこっそり手助けし、そのおかげで和馬は成果をあげていくのであった。一方で盗みから足を洗っていたはずの華は、和馬のためと言いながらまた泥棒家業に戻ってしまう。和馬が追っている“Lの一族”に、名ばかりではなく実際に関与してしまうことになった。こうした入り組んだ構造でありながら、物語はコメディ調に展開することにより、構えることなく作品にのめり込める。


 さらに、その独特な小道具やサブキャラクターにも注目したい。尊が繰り出すテントウムシ3号や、華の母・悦子(小沢真珠)が使っていた催涙スプレー、兄の渉(栗原類)の考案したステルス迷彩を用いた幕など、どれも観ていてワクワクするようなアイテムばかりだ。Lの一族はこの道具を用いて、ターゲットのアジトに侵入する。そして我々は華の言うように「どこかの映画で観た」ワクワクをまた思い出すのだ。


 本作がパロディとしているのは『ミッション:インポッシブル』シリーズである。さらにパロディされているのは映画だけではない。華の友人である円城寺(大貫勇輔)がミュージカル調に歌う場面ではカラオケの画面のように歌詞がテロップとして表示される。こうした細かい遊び心も本作に夢中にさせるポイントだろう。


 また、第2話では華の祖母であるマツ(どんぐり)も活躍を見せた。どんぐりは映画『カメラを止めるな!』で強烈な存在感を発揮した女優だ。芸能界デビューしたのが50代からでありながら、映画、ドラマ、CMなど活躍の幅を広げている。その特徴的な声や関西弁、明るい雰囲気が三雲家を盛り上げ、本作にとって良いスパイスとなっている。ふざけてばかりの明るい祖母かと思いきや、第2話では和馬の警察バッジをこっそり隠し華の家族に職業がバレないようにするなど気の利いた一面も見せる。こうした思わずクスッときてしまうサブキャラクターの活躍も、本作を観て笑顔になれる要因だろう。


(Nana Numoto)


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