“ブラック”高橋一生 VS “ふわふわ”中村倫也 『凪のお暇』期待を裏切らない第一話

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2019年07月19日 07:41  リアルサウンド

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『凪のお暇』(c)TBS

 本日、7月19日から金曜ドラマ『凪のお暇』(TBS系)がスタートする。主人公を演じる黒木華を取り巻くのは、高橋一生に中村倫也と、聞いただけでも気持ちが高ぶる俳優2人。胸を弾ませ第一話試写会に参加すると、期待を裏切らないワクワクのドラマが待っていた。さっそく、その見どころを紹介していきたい。


 原作は、月刊誌「Elegance イブ」(秋田書店)で連載されているコナリミサトの同名漫画。空気を読みすぎて他人の目を必要以上に気にする28歳OLの主人公・大島凪(黒木)が、勤めていた会社も、付き合っていた彼氏も、住んでいた部屋も、SNSも、ありとあらゆるものを捨て、人生をイチからやり直す“人生リセットストーリー”だ。


【写真】会見イベントに登場した高橋一生と中村倫也


■人生を見つめ直すキッカケになる物語


 凪が“人生をリセット”するまでの課程を描く第一話は、上がったり下がったりが忙しいジェットコースターのような展開。都内の家電メーカーで働く凪は、ただただ平穏に暮らすために、場の空気を読みまくり、理不尽な言葉にすら「わかる〜」と同調する日々。友人のSNSをチェックし、心をえぐられながら“いいね”を押す。そんな姿に「わかる……」と感情移入すれば、ため息すら漏れてしまう。


 どこか腑に落ちないとはいえ、モテモテの我聞慎二(高橋)と密かに付き合っているという切り札を支えに、毎日を乗り切ってきた凪。だが、その慎二からのある一言で、心がポキッと折れてしまう。そこから人生のリセットストーリーが始まるわけだが、凪に限らず「人生をリセットしたらどうなるだろう」「すべてを捨ててやり直してみたい」とは、誰もが一度は考えたことがあるはず。


 そんな中、実際に行動を取った凪は、窮屈に息をする“現代人の夢”を乗せて、颯爽と走り出したヒロインのよう。その先に待っているのは、幸か不幸か。そして、私たちは何のために生きるのか、本当にやりたいことは何なのか……。黒木が放つふんわりとした空気に癒やされながらも、人生の深いところを改めて考えさせてくれる物語となりそうだ。


■ブラック高橋一生にゾクゾク


 ドラマの大きな見どころとなるのは、やはり高橋演じる慎二と、中村演じる安良城ゴンの対比だろう。慎二は営業部のエースとして社内でも一目置かれる存在で、もちろん女性社員からの人気も絶大。“空気は読むものではなく、作るもの”と言い切る、デキる男である。


 職場に秘密とはいえ、そんな慎二と付き合っているという優越感だけでも生きていけそうな気もするが、そう上手くいかないのが人生。舞台挨拶の際、高橋が「慎二が登場する時は、サイコな感じ」と話していたように、慎二は現れるだけでピンと空気が張り詰めるほどブラックな一面がある。表では人当たりの良い慎二、また扮する高橋も穏やかな雰囲気を纏っているだけに、その緩急に一層ドキッとさせられるのだ。


 さらに高橋は「どんどん闇の部分が出てくるので、どんどん(女性に)引かれていこうと思う」と話しており、ダークな言動はますます加速していく模様。とはいえ闇の部分だけでなく、慎二の不器用すぎる本音が垣間見えるシーンもあるだけに、“クズ男”と突き放すこともできないのがおもしろいところ。高橋が自在に魅せる慎二の二面性、いや三面性から目が離せない。 


■ふわふわ中村倫也の破壊力


 一方のゴンは、凪が引っ越してきたアパートの隣人。腕にはタトゥーを入れ、大音量の音楽を流して部屋で仲間と盛り上がる……一見、ビビってしまうような存在だが、見た目に反して振る舞いは柔らかく、ふわふわと優しい空気を持つ不思議な男性である。


 慎二の逆をいくような“ギャップ”は秀逸で、オンエア後に“ゴン=中村倫也に陥落する女子たち”の姿が目に浮かぶほど。ネタバレになってしまうので詳細は避けるが、初登場の際には「なるほど」と受け入れ、二度目の登場の際には「そう来たか」とつぶやき、最終的には「破壊力!!」と叫びたくなる。そんなズルさがあるのだ。


 と、色々書いてきたが、とにかく伝えたいのは「一回、観てみて!」ということ。高橋、中村のイケボが響くだけでもありがたい1時間なのだが、タイプの違う2人の間に立った凪が、人生をリセットした上でどんな選択をしていくのかも気になってたまらない。女性達がテレビに釘付けになるだろう金曜夜が、いよいよ幕を開ける。


(nakamura omame)


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