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日本の至宝「京アニ」 狙われた精鋭集まる「第1スタジオ」

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2019年07月19日 11:15  AERA dot.

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写真煙を上げて燃える京都アニメーションの建物=2019年7月18日午前11時39分 (c)朝日新聞社
煙を上げて燃える京都アニメーションの建物=2019年7月18日午前11時39分 (c)朝日新聞社
 平成以降最悪の放火事件となった京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ)の火災。19日10時現在、死者は33人(男性12人、女性20人、不明1人)にのぼり、意識不明の人もいるという。確保された男も重体となっている。

【写真】ショップも入店している京アニの第5スタジオ

 事件の概要は国内のみならず、海外でも大々的に報じられている。米CNNやCBS、英BBCや独DPA通信などがトップ級のニュースとして取り上げたほか、UAEに拠点を置くアラブ系メディア「Sky News Arabia」でも大きく取り上げられた。

 アメリカのアニメ配給会社「センタイフィルムワークス」では、京アニの支援金を募るクラウドファンディングが実施され、開始から17時間が経った19日午前8時時点で100万ドル以上の寄付が集まっている。
 
 このような国際的な注目は、京アニはクールジャパンの根幹を担う企業であり、世界的な評価が極めて高いのだ。京アニがどれほど日本の「至宝」なのか、改めて紹介したい。

■いち早くデジタル化を進める

 京アニの創業は1981年。手塚治虫が創設したアニメ制作会社「虫プロダクション」にいた八田陽子氏が、結婚を機に京都府宇治市に仕事の拠点を移したことが始まりだった。長らく下請け制作に携わっていたが、丁寧な仕事ぶりに定評があったという。京アニに仕事を依頼するために、制作のスケジュールを調整する発注元もあるほどだったという。「魔女の宅急便」や「紅の豚」といったスタジオジブリ作品にも携わっている。

 かねてより京アニは高い技術を持つ会社として知られていたが、アニメ制作の元請けとなったのは2003年。創業から20年以上の時間がかかっている。ここには、地方に拠点を置くことの難しさがあったためだった。

 21世紀に入るまで、アニメの制作手法はセル画を用いたアナログな方法が中心だった。この方法だと、全ての工程で元請けに“現物”の制作物を集める必要がある。そのため、東京に拠点を置かない制作会社しか元請けが困難である事情があったのだ。アニメ制作に関わる企業の大半は東京にあるため、東京に拠点があれば自社で車を出して迅速に回収することが可能だが、地方に拠点があるとそう簡単にはいかない。しかし、現在主流のデジタルデータの場合、完成物をネット回線を通して送ることが可能になる。

 こうした事情のため、京アニはいち早くアニメ制作のデジタル化を進めていた。やがて、アニメ業界全体でデジタル化が進み、高速インターネット環境の整備も進んでくると、京都に居ながらにして元請けが可能になった経緯がある。こうした動きは現在では京アニに限らず、富山県の「P.A.WORKS」や徳島県の「ufotable」など、アニメ制作元請け会社の地方進出を可能にし、雇用創出にもつながっている。

■地方を拠点にした人材育成

 初の元請け作品は2003年の「フルメタル・パニック? ふもっふ」だが、一躍京アニブランドの名を知らしめたのが05年のゲーム原作のアニメ「AIR」であった。これまでのアニメの常識では考えられない描写の細かさと、卓越した色彩の表現力で、「ゲームのイラストが未来の技術でそのまま動いている」と言われるまでの衝撃を視聴者に与えた。実はその裏には、他社に先駆けてデジタル化を進めていた背景があったからだった。

 当時最新の技術を持っていたことに加え、地方に拠点を置くからこその、高い人材育成力も大きな要因だった。東京には多数の制作会社があるため、高い技術を持ったフリーランスの人材も多く居住している。各制作会社は自社の人材育成はそこそこにしながら、必要な時にはこうしたフリーの人材を活用することもできた。だが、地方だとそうもいかない。そのため京アニは高い技術の継承を自社で行ってきた経緯があった。

 こうした最先鋭の「クリエイター集団」たる京アニは、その後数々の社会的ヒット作を世に送り出していく。06年の「涼宮ハルヒの憂鬱」、07年の「らき☆すた」、09年の「けいおん!」と世界的大ヒット作品を連発し、「京アニ時代」を築き上げた。特に「けいおん!」はアニメ主題歌が史上初めてオリコン1位と2位を独占し、アニソンに対する世の中の認識を変えた作品でもある。

 その後は他社の技術力の高まりもあり、立ち位置は相対的に落ち着く。とはいえ、12年の「氷菓」「中二病でも恋がしたい!」、13年の「たまこまーけっと」「Free!」「境界の彼方」、15年の「響け! ユーフォニアム」、16年の「聲の形」など、依然高いクォリティの作品を輩出し続けている。

 監督以下、制作スタッフの名前が毎回似通っている点も京アニ作品の特徴だ。通常アニメ監督はフリーとして活躍し、複数の制作会社を掛け持ちすることも珍しくないが、京アニの場合、監督からして自社の社員として囲っているのだ。似た形として、宮崎駿監督や故・高畑勲監督擁するスタジオジブリがある。いずれも、高い技術力が定評だ。

 しかし今回の事件で、こうした世界最高峰のアニメクリエイター集団に直接の被害が出てしまった。襲撃されたのは京アニでも特に精鋭が集まると言われる「第1スタジオ」で、監督だけでも「AIR」「涼宮ハルヒの憂鬱」などを手がけた石原立也監督、「らき☆すた」の武本康弘監督、「境界の彼方」の石立太一監督、「Free!」の河浪栄作監督などが出社していたという。このうちTwitterの情報によると、武本監督と河浪監督の安否がいまだに取れていないという。

 最後に、月並みな表現しか書くことが出来ないが、事件の被害に遭われた京都アニメーション関係者の方々に心から哀悼の意を表したい。(河嶌太郎)

このニュースに関するつぶやき

  • なんて痛ましい事件なんや。悪意のある人間が一番怖い、防ぐor逃げるには常に危機意識を持つことかな…〉
    • イイネ!1
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  • これは……世界の損失だよ。証拠に海外のニュースでデカデカと載ってるから……
    • イイネ!82
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