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輸出規制は参院選のアピール?国益損なう安倍“害交 ”

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2019年07月21日 12:05  AERA dot.

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写真G20サミットで安倍晋三首相の前を歩く韓国の文在寅大統領 (c)朝日新聞社
G20サミットで安倍晋三首相の前を歩く韓国の文在寅大統領 (c)朝日新聞社
 国内では参院選の結果に注目が集まるが、外交では日韓関係がかつてないほど悪化している。政府が、半導体の製造に必要な素材の輸出を規制したからだ。反日感情が高まる韓国に強い姿勢で臨めば、選挙前に国民の支持が得られやすいとの思惑が見え隠れする。

 規制の対象にしたのは半導体洗浄に使うフッ化水素など3品目。政府は規制の理由を「安全保障上の問題」としているが、元徴用工の補償問題への対抗措置であることは明白だ。半導体製造は韓国の主要産業であり、韓国側は反発が強まる。

 世耕弘成経済産業相は7月2日の会見で、「韓国の輸出管理をめぐる不適切な事案が発生した」としたが、いまだに具体的な事案の内容は公表されていない。世耕経産相はツイッターで、元徴用工問題でG20サミットまでに満足する解決策が得られなかったとして、韓国との「信頼関係が著しく損なわれた」ことを規制強化の理由の一つに挙げている。

 元徴用工問題などで韓国側への反感を政府関係者があおってきたこともあって、世論も強硬姿勢を後押ししている。朝日新聞が7月13、14日に実施した世論調査では、輸出規制について56%が「妥当だ」と答えた。

 安倍政権の思惑通りに進んでいるという見方もできるが、長期的には日本にとっても規制はマイナスになる。元外務省国際情報局長で、評論家の孫崎享氏が言う。

「資源に乏しい日本は、国際社会と協力することで経済発展を遂げてきた。自由貿易は、輸出国も輸入国も相互に利益を受けるシステムです。輸出規制によって韓国は短期的に打撃を受けますが、今後、別の供給ルートを確保するはずです。長期的に見れば日本の企業は供給先を失い、打撃を受けます。政府は今回の措置で日本経済がどのような影響を受けるのかという検証はしておらず、振り上げた拳がやがて自分のところに戻ってくるという現実に向き合おうとしていません」

 しかも、朝鮮半島の非核化問題も絡んで、米国が日本側に譲歩を求めることも考えられる。

「こうしたタイミングでの規制強化は愚策というほかなく、国益を損なうだけです。国際捕鯨委員会からの脱退も含めて、国際社会から孤立していく。それでも選挙にプラスになればいいということだったのでしょう」(孫崎氏)

 韓国側は世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、日本の措置の不当性を訴える予定だ。今後、提訴も視野に入れている。

 そうなれば受けて立つことになるが、日本側が有利だとは言い切れない。そもそも輸出入を制限していいのは、安全保障問題や食品の安全確保など例外的な場合だけ。今回日本側の主張の根拠になるのは、WTO加盟国が守るべき関税貿易一般協定(GATT)の第21条だ。

 国際経済法や通商政策の専門家で、上智大学法学部の川瀬剛志教授が解説する。

「今回のポイントは、安全保障上の問題として、日本側がガット第21条に適合していると説明できるかどうかにかかっています。本当に不適切な事案があって貿易管理ができていないのであれば、韓国側に非があることになります。その立証責任は、日本側が負うことになります。しかし、元徴用工の問題を絡めた対抗措置だとすれば、日本側の主張は正当化されないと思います」

 しかも、日本側の主張する安全保障上の問題が仮にあったとしても、韓国への輸出規制が認められないかもしれない。ガットの条文は1947年に起草されたもので、安全保障の範囲が戦争などに限定されているからだ。川瀬教授が続ける。

「例えば、民生品の軍事転用問題などを議論できるかどうかも怪しいのです。WTOではこれまで、安全保障問題は紛争案件にしてこなかった。だから、今回は極めて異例の事態が起きているともいえるのです」

 しかも、WTOでの決着には時間がかかる。一審の判断が出るまでには1年以上かかるとみられる。上訴審の判断を仰げば、さらに長期化する。この間、日韓関係は冷え切ったままだろう。

 韓国への規制強化もそうだが、この間、安倍晋三首相は参院選向けパフォーマンスに余念がなかった。

 元ハンセン病患者の家族への賠償を国に命じた判決で控訴を見送るなど、世論をやたらと気にした政策決定をしている。

 一方で、米国との貿易交渉や年金の財政検証結果の公表など、批判を浴びそうなものは事実上先送りしてきた。

 韓国などに強い姿勢で臨めば支持率が上がるとなれば、今後も選挙の度に同じような手口が繰り返される可能性がある。内政に対する国民の不満を外に向けるため、国外に敵を作るというやり方だ。

 本来外交は長期的な国益を守るためのもの。選挙前に支持率アップを狙って特定の国との緊張を高めるのは、“害交”と言われても仕方がない。

「外交の安倍」を選挙戦で何度もアピールしてきた安倍首相だが、有権者に果たして浸透できたのだろうか。

 参院選では山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が一部で人気を集めるなど新たなうねりが起きた。れいわは比例区で優先的に当選できる「特定枠」の1、2位に、ともに重い障がいのある候補を擁立。比例区で議席を確保すれば、歴史的なことだ。国会は重度障がい者を受け入れられるよう改革を迫られる。

 7月21日の国民の審判は、今後の国政や外交にも大きな影響を与えそうだ。

(本誌・亀井洋志)
※週刊朝日オンライン限定記事

【おすすめ記事】参院選は「安定か混乱かを選ぶ選挙」 佐藤優が解説 迷った時は…


このニュースに関するつぶやき

  • 「反日・朝日新聞」の手先のAERAは、韓国擁護の反日的な記事を書きますね。選挙対策の韓国叩きとの主張は、むしろ逆で、選挙対策の為、控えていた金融制裁、MCLL輸出規制などが、今後発動されるでしょう。
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  • 「反日・朝日新聞」の手先のAERAは、韓国擁護の反日的な記事を書きますね。選挙対策の韓国叩きとの主張は、むしろ逆で、選挙対策の為、控えていた金融制裁、MCLL輸出規制などが、今後発動されるでしょう。
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