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誰かに広めたくなる新しい価値を発信 朝食りんごヨーグルトが取り組むブランディングとは

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2019年07月22日 07:01  MarkeZine

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MarkeZine

写真江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 乳業マーケティング部 藤田 晃子氏
江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 乳業マーケティング部 藤田 晃子氏
 グリコが販売するロングセラーブランド「朝食りんごヨーグルト」。近年個性的なPR施策でメディアやSNSでの話題化に成功し、新規顧客を獲得している。定番化したブランドを壊すことなく、どのようにして新しい価値を創出・拡散していったのだろうか。同社で朝食りんごヨーグルトのマーケティングを手がける藤田晃子氏に話をうかがった。


■必要なのは「おいしい」以外の価値


MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、朝食りんごヨーグルトがどのようなブランドとしてスタートしたのか教えてください。


藤田:朝食りんごヨーグルトは1997年に発売された商品で、22年間販売を続けています。発売当時は、朝食の欠食率の高さが社会問題となっていました。そこで、朝食を食べて元気に1日をスタートしてほしいという思いから、りんごとヨーグルトという健康的でおいしい食品を掛け合わせた商品を開発したと聞いています。



江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 乳業マーケティング部 藤田 晃子氏


MZ:最近のプロモーションを拝見すると、夜食や食後臭対策など、新たな食シーンの創出に力を入れている印象があります。なぜそのような取り組みを進めるようになったのでしょうか。


藤田:シャキシャキの角切りりんごと、まろやかだけれどさっぱりしたヨーグルトが一緒に食べられるおいしさというのが、プロダクトとしての一番の価値であることはずっと変わりません。しかし、おいしいだけでブランドは続けていくのは難しくなってきています。



朝食りんごヨーグルト


 我々は定期的にブランドに関する調査を行っているのですが、「昔はお母さんが買ってきてくれてよく食べていたけれど、今は食べていない」と答える方も一定数いらっしゃいました。そういう方々に、朝食りんごヨーグルトがもたらす価値を改めて伝えなければならないと考えています。


■朝食以外の利用実態が明らかに


MZ:ブランドに関する調査では、他にどのような声があったのでしょうか。


藤田:発売から22年間経つ中で、お客様の利用シーンも変化してきました。調査結果から、朝食以外でも食べられている方が多いことがわかりました。たとえば、夜遅くに帰宅してもやもやした気持ちを朝食りんごヨーグルトですっきりする、お酒を飲んだ後に食べて次の日に響かせないようにするといった食べ方ですね。


 また、からあげやラーメンなど脂っこいものの後に、すっきりするために食べるというお客様も多くいました。実際に自分たちでも脂っこいものや臭いのキツイものの後に食べてみましたが、すっきりするということを実感することができました。お客様の声から、商品の本当の価値を教えられましたね。


 朝食りんごヨーグルトは、フルーツの素材が味わえるおいしさという点以外にも、食べた後にすっきりするので、お口直しとして食後のデザートに向いている点が強みになっています。そうした、さっぱりした味で食事を締めるのに良いというお客様が持っているイメージを訴求していくことにしました。


■具体的な機能性をSNS通じて発信


MZ:どのように企画を組み立てていったのでしょうか。


藤田:夜に食べるという点については、Twitterなどで「朝食りんごヨーグルトなのに夜に食べちゃった」といったツイートをよく見かけていました。そこで2018年はパッケージを暗闇で見ると「夜食りんごヨーグルト」という文字が光るようにする企画を行い、ありがたいことにSNSなどで話題になり非常に大きな反響を得られました。



夜食りんごヨーグルト


 また、こちらも2018年ですがからあげの聖地である大分県・中津で開催されている「からあげフェスティバル」に出向き、来場者の方々にからあげを食べた後に朝食りんごヨーグルトを食べていただきました。そしてシール投票の結果、約97%の方が「すっきりした」と答えました。


MZ:最近は、ニンニクを食べた後の臭いが朝食りんごヨーグルトを食べると軽減されるということが話題になりましたね。


藤田:朝食りんごヨーグルトを食べるとすっきりするということを、もっと具体的な機能性を提示したいと考える中で、注目したのがニンニク臭でした。調べてみると、中城歯科医院院長の中城基雄先生が、ニンニクを食べた後の臭いにはりんご、その翌日の臭いには牛乳が効くと言われていたので、これはぴったりではないかと思い、中城先生にに朝食りんごヨーグルトでの効果を測定してもらうことにしました。


 そうしたところ、朝食りんごヨーグルトはニンニクを食べた直後の臭いと、翌日の臭いどちらも抑えるという結果が出たので、その内容をプレスリリースとして出しました。


MZ:そうした情報はリリース以外の広告などでも訴求したのでしょうか。


藤田:ターゲットが20〜30代ということもあり、SNSを主体に訴求を行いました。ブランドキャラクター的にも偉そうなことを言うよりは、対等に話しかけるようなイメージを持たれているので、その点でもSNSを通したラフなコミュニケーションが合っているのではないかと思っています。


 今はLINEのキャンペーンを実施中です。商品にLINEポイントがもらえるシールを貼っていて、アクセスしてくれた方には動画を視聴してもらい、朝食りんごヨーグルトが持つ機能性を伝えるようにしています。







朝食りんごヨーグルト「ごちスメ」 Glico






■ユーザーの声を通して伝える


MZ:これまでお話しいただいたような施策はTwitterでも話題になりましたが、ブランドの公式アカウントはまだ開設していないんですね。


藤田:今後はアカウントも作っていきたいとは思っているのですが、「夜食りんごヨーグルト」の時のように、こちらから大々的に発信するよりも、PRで発信した情報をお客様がTwitterなどで広めてくれるほうが良いのでは、と考えています。そのほうがおもしろみがあって、「これいいじゃん」と言いたくなるかなと。


 ニンニク臭の抑制についても、Twitterで「ニンニクを食べちゃったけど、どうしよう」と言っている方に対して、他の方が「朝食りんごヨーグルトが効くらしいよ」というような、お客様同士での会話が起きていました。こうしたPRを続けていくことで、新たな層にアプローチできるという変化を起こしていけるのではないかと思っています。


MZ:これらのキャンペーンを続けてきた結果、どのような成果が得られましたか。


藤田:2018年から食後に食べるとさっぱりする、臭いが軽減される点をアピールしてきた結果、ターゲットとしている20〜30代有職男女で“ヨーグルトですっきりしたい”というニーズを持つ層の購入率と購入頻度が上がりました。ヨーグルト以外にも競合となる商品はあると思っていますので、定期的かつ継続的に今後もニュースを発信していかなければと考えています。


■ブランドのコアバリューは死守する


MZ:こうした個性的な取り組みをする上で、ロングセラーブランドとして変えないところと、新たな顧客を獲得するために変えるべきところは、どのように判断しているのでしょうか。


藤田:ブランドのコアバリューは絶対に守るようにしています。お客様に「最近変わったよね」と思われないよう、基本となる価値は変わらないようにすることが大切です。ただ、お客様と世の中は変わっていくものなので、そこに合わせてブランドを変化させていく必要もあります。


 朝食りんごヨーグルトに関しては、食べた後にすっきりした気分になるという情緒的価値は絶対に曲げてはいけません。そして、その価値を提供するための商品改善というものは常に行うべきだと考えています。


MZ:最後に、今後の展望をお聞かせください。


藤田:ブランドに関するイメージ調査の結果などを見ると、一般的にヨーグルトは健康に良いというかしこまったイメージを持たれることが多いのですが、朝食りんごヨーグルトは健康的ではありつつも、やんちゃで元気、爽やかというブランドキャラクターが付いていました。そうしたおもしろくてやんちゃなキャラクターを大事にしながら、弊社の企業理念である「おいしさと健康」を朝食りんごヨーグルトを通じて今後も提供し続けたいです。

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