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焦点:参院選後の安倍首相、勢い重視なら早期解散も 残る内外リスク

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2019年07月22日 14:08  ロイター

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ロイター

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[東京 22日 ロイター] - 第25回参議院議員選挙の結果は、自民・公明の与党が改選過半数の63議席を大きく上回る71議席を獲得して「国政選挙6連勝」を飾った。一方で、改憲勢力は参院全体の3分の2を割り込み、早期の憲法改正実施のハードルは上がった。この事態を安倍晋三首相はどのように見るのか──。


衆院の早期解散で改憲へのモメンタムを強める戦術に打って出るとの見方が与党内には根強くあるが、複数の学識経験者は、外交・安全保障分野で支持率低下に結びつきやすい懸案が多い上に、消費増税のマイナスインパクトなどリスクもそれなりにあり、判断は難しいと指摘する。


仮に解散を先送りした場合、衆院議員と自民党総裁としての任期が迫り、レームダックに陥る可能性を指摘する声もある。「一強」政局の足元は、意外なほど軟弱な地盤になっているようだ。


<上がる改憲のハードル>


安倍首相は、2020年中の憲法改正実施を従来から主張してきた。その意味で、今回の参院選は、発議に必要な3分の2の議席を割り込んで、ハードルが上がった。ただ、与党内には「改憲に前向きな国民民主党の一部議員を改憲派に引き込むこともある」(関係者)という戦術論が早くも浮上している。


ただ、政治問題に詳しい学識経験者の中には、厳しい声も少なくない。増山幹高・政策研究大学院大教授は「もともと今回の参院選は、改憲モメンタムを高めるというものではなかった」と述べ、安倍首相の前のめりは姿勢とは対照的に、世論は冷めていたと指摘する。


また、砂川浩慶・立教大社会学部教授は「国民全体で安倍政権による改憲のイメージは、非常にネガティブ」と分析する。


実際、与党内にもトランプ米大統領が日米安保条約の片務性に言及する中、日米同盟の強化の必要に迫られて憲法改正を進めるためには、「タカ派イメージの安倍首相よりも、ソフトなイメージの後継首相が適任かもしれない」(有力国会議員)という声もある。


他方、上田健介・近畿大法科大学院教授は「3分の2を割ったことで、野党や国民に対して憲法改正の意義を丁寧に説明・議論する機会になる」と予想。改憲の議論が進展する可能性に言及している。


安倍首相が早期改憲の優先順位を上げた場合、衆院解散の早期実施の可能性が高まると複数の与党関係者は指摘する。


今回の参院選で明らかになったのは、野党のまとまりの悪さと選挙戦術の稚拙さだ。1人区での統一候補の擁立が遅れたため、当選が10人にとどまったとの分析が永田町では広がっている。


また、衆院選では、外交・安全保障や憲法、原発政策など基本政策の一致が選挙協力の前提になるが、今回の統一候補擁立でまとまった5党派の政策は大きく異なっている。このため与党内には、野党の態勢が整わない年内の解散が、自民党にとって「最良」という戦術論が浮上している。


安倍首相は21日夜テレビ番組で、今回の参院選に先立ち、衆参同日選を検討したことを否定しなかった。


<少なくない懸案>


だが、早期解散の選択肢にも、相応のリスクが見え隠れする。与党内では来年の東京五輪・パラリンピック後の景気悪化を懸念する声が多い。また、今年10月の消費増税の影響で、2020年は五輪を待たずに景気悪化の兆しが表面化しかねないとの懸念も出ている。


このため砂川・立教大教授は「五輪後の経済状況が分からないため、年内に解散できるかどうかが焦点だ。もし、何らかの理由で解散が遅れると、首相の求心力が低下する可能性はある」と予想する。


また、外交分野における懸案もリスクになりそうだ。野口悠紀雄・一橋大名誉教授は「憲法改正よりも、米中摩擦による日本経済への影響、日米通商交渉による農産物の自由化・自動車の輸出規制などの可能性がより重要な課題」と指摘。これらの結論次第では、自民党に逆風が吹き、解散の判断に影響を与えかねないと予想する。


政府関係者の間でも「米国によるホルムズ海峡警備のための『有志連合』参加要請も、国会開会中だったら大問題だった」との懸念が聞かれる。


与党内の一部には、安倍首相が2021年9月の総裁任期前に、意中の後継者に禅禅譲し、キングメーカーになるとの「読み」を解説する向きもある。ただ、安倍首相の本音は見えない。


このような中で、安倍首相は9月中旬に内閣改造・自民党役員人事を断行し、求心力の再構築を図るとみられている。麻生太郎副総理兼財務・金融担当相と菅義偉官房長官、茂木敏充経済再生相の留任は濃厚とみられているが、首相の総裁4選に前向きの発言を行った二階俊博幹事長や、自派議員の落選が目立った岸田文雄政調会長を留任させるのかどうかも含め、早速、安倍首相の手腕が問われることになる。


参院選の議席獲得状況



(竹本能文 編集:田巻一彦)

このニュースに関するつぶやき

  • 元々安倍はとっくに改憲なんて諦めているって。ネトウヨを繋ぎ止めるための道具だよ。改憲やるやるポーズは。
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  • 自民ではリベラルの宏池会が落選ってのも滑稽だよな。とりあえず、甘利の選対は辞めさせた方がいいね。
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