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梅雨は体の水分のめぐりが滞る…専門医に聞く「湿邪」対策の漢方薬【第4回】

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2019年07月22日 15:01  ウートピ

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梅雨の不調のケア法について東洋医学で考えるシリーズ、この第4回で最終回になります。これまで、梅雨のころに体内の水分のめぐりが悪化して起こるけんたい感や疲労感、めまい、頭痛、胃重感などの体調不良を、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」ととらえること、その原因や具体的な症状、セルフケア法、また「舌」の様子を見て状態を知るポイントなどをご紹介しました。

本記事では、体の部位別に、ここに「水のめぐりが滞る」とどういう不調が現れるのか、またケアのための漢方薬について、ひき続き、漢方専門医・臨床内科専門医・消化器内視鏡専門医の吉田裕彦医師に教えてもらいましょう。

【第1回】梅雨どきのめまいや頭痛、胃重は「湿邪」…「気象病」との違いを専門医に聞く
【第2回】実は冷え対策がポイント…梅雨の「湿邪」の不調ケアを専門医が教える
【第3回】舌で梅雨の不調「湿邪」をチェック…漢方専門医が教える

体の「水(すい)」のめぐりが停滞している

第1回と第2回で、「湿邪」とは、体のあちこちに余分な水がたまって起こる不調だということでしたが、具体的に、体では何が起こっているのでしょうか。はじめに吉田医師は、「東洋医学では、体をめぐる要素を『気・血(けつ)・水(すい)』という3つで考えます」と話し、次のように説明をします。

「『気』とは心身のエネルギーのことで、『血(けつ)』とは血液、そして、『水(すい)』は、血液以外の体液や尿、分泌液を指します。

『湿邪』は、この『水(すい)』のめぐりが停滞していると考えます。体内の水分代謝が悪化して免疫のシステムなどに影響している状態で、これを『水滞(すいたい)』、あるいは『水毒(すいどく)』と呼びます。

梅雨が終わって自然に水滞が改善されても、毎年のように梅雨のシーズンになるとまた、同じ不調を訴える人、また、不調がしつこくなる、悪化する人は少なくありません。水滞を放置する、あるいは生活習慣や加齢、体質などから、慢性的に『水(すい)』のめぐりが良くない人も多く見受けられます」

湿邪の具体的な不調のチェックについては、第1回の「梅雨どきのめまいや頭痛、胃重は「湿邪」…「気象病」との違いを専門医に聞く」で紹介しましたが、それらの不調を毎年くり返す、また一年中あるのはとてもつらいことです。根本的な対策をとることはできるのでしょうか。

水がたまる部位別の不調をチェック

ここで吉田医師はまず、「水がたまる部位によって、次のような不調が現れると考えられます」と、具体的な症状を挙げます。

・頭……頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、鼻水、全身のけんたい感、疲労感など
・胸……動悸、咳、息切れなど
・胃腸……胃重感、胃痛、吐き気、おう吐、下痢など
・下腹部……頻尿、残尿感など
・手足……むくみ、冷え、関節痛など

思いあたる不調はどの部位でしょうか。あるいは、全身でしょうか。吉田医師は、「すべての部位に不調があると言う人も少なくありません」と言います。

体の水分のめぐりを整える漢方薬を試す

日常生活におけるそのセルフケア法についても、第1回の記事で教えてもらいましたが、吉田医師は今回、漢方薬を試す方法を紹介します。

「水滞の体質や症状がある場合は、梅雨以外の時期でも、日ごろから、第1回でお話ししたケア法を実践してください。そのうえで、水分の代謝をアップして冷えをはじめとする複数の症状を改善するために、漢方薬を飲んでみるという方法があります」

ここで吉田医師は、西洋医薬と漢方薬の違いについて、こう説明を加えます。

「漢方薬は、1つの症状に1つの薬を選ぶ西洋医薬と違って、複数の症状に対して1つの薬で適応します。また、同じ症状に対しても、体力や気力の状態によって選ぶ薬が異なるという特徴があります。

選ぶポイントは、まずは自分の複数の症状を把握したうえで、自分は体力や気力があるかないか、また中間ぐらいかを念頭に入れることです。市販薬では、パッケージにどういうタイプや症状に効くかが明記されているので、それをよく読んで、自分に合う薬を選びましょう」

次に吉田医師に、梅雨の不調で「水滞」が原因となる「湿邪」の対策に適した漢方薬を挙げてもらいました。これらは市販もされています。

・五苓散(ごれいさん)
体力がある、ないに関わらずに用いられます。全身の水分代謝を改善する代表的な漢方薬です。のどが渇いて水を飲むけれど尿量が少ない、全身のむくみ、頭痛、頭重感、めまい、吐き気、下痢、急性胃腸炎、夏バテなど、また、二日酔いのむかつきに向きます。

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
体力が中等度以下の人に。「水(すい)」が頭や胸などに溜まっていると考えられる、おもに上半身の症状の、めまい、ふらつき、立ちくらみ、頭痛があり、耳鳴り、動悸、息切れ、ストレスが強い、イライラやウツウツする、神経過敏の場合などに向きます。

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
体力が中等度以下で冷え性、胃腸が弱い人に。「水(すい)」が頭に溜まっていると考えられる、おもに、めまい、立ちくらみ、頭痛、頭重感、副鼻腔炎、肩こり、吐き気などがある場合に向きます。

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
体力があまりない、もしくは虚弱の人に。「水(すい)」がおなかから足に溜まっていると考えられる、おもに下半身の症状の、むくみがあり、関節が痛む、腫れる、汗が多い、いわゆる水太り、肥満の場合に向きます。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力が虚弱で冷え性、疲れやすい人に。「水(すい)」が全身に溜まっていると考えられる症状の、めまい、頭痛、頭重感、肩こり、耳鳴り、動悸、また、月経不順や月経痛、更年期障害、皮膚のシミなどがある場合に向きます。「女性の不調向きの処方」と言われる漢方薬のひとつで、「水(すい)」と「血(けつ)」のめぐりの改善に用いられます。

最後に吉田医師は、漢方薬の選び方がわからない場合について、
「薬局やドラッグストアに常駐の薬剤師に尋ねてください。可能なら、最初は漢方専門医がいる医療機関をインターネットで探して受診しましょう。自分では認識していない体質や不調がわかることもあるでしょう」

今回は、「湿邪」「水滞」がどういうものか、体の部位別の水滞がもたらす症状、またその対策となる漢方薬の選択肢を知ることができました。4回に渡って紹介した梅雨のヘルスケア、自分の体質を見つめながら、日ごろから取り組んで行きたいものです。吉田先生、ありがとうございました。

【第1回】梅雨どきのめまいや頭痛、胃重は「湿邪」…「気象病」との違いを専門医に聞く
【第2回】実は冷え対策がポイント…梅雨の「湿邪」の不調ケアを専門医が教える
【第3回】舌で梅雨の不調「湿邪」をチェック…漢方専門医が教える

(構成・文 品川 緑/ユンブル)

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