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金の無心やダメ出し…こじれる親子が抱える“悩みの種”

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2019年07月22日 15:05  AERA dot.

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AERA dot.

写真※写真はイメージです (c)朝日新聞社
※写真はイメージです (c)朝日新聞社
 親にとってはいつまで経っても子どもは子ども。そんな意識のせいか、大人になるにつれ、互いにずれが生じるのが親子という特殊な関係。しかし、互いに歩み寄ることで解決することも。

【親から子どもへのアプローチ 8つのステップはこちら】

 親が70〜80代ならば、子どもは30〜50代。まずは、よくある悩みの事例と専門家のアドバイスを詳しくみていこう。

【お金】子どもにいつまでも無心される。内心、快く思っていない

「もう600万円ほど私の老後資金から息子の借金を清算しています。一番大きいのは、5年前の100万円。FXで穴をあけたと泣きつかれました」

 関東地方に住む主婦サチコさん(仮名、70歳)は、同居している独身の会社員の次男(35)の借金癖が悩みの種だ。

「働いているので一応月に2万円を家に入れてくれますが、光熱費と食費でそんなのは吹っ飛んでしまう。でも息子に嫌われたくないから、強く言えないんです。早く結婚してくれればいいんですが……」

 しかしお金の問題は、結婚すれば解決するとも限らない。サチコさんの長男(40)は結婚して、子どもが2人いて、都内に住んでいる。長男は長男で、次男と母親の関係性をしっかり観察しており、「俺のことも助けてよ」とサチコさんに懇願。サチコさんはマンションの頭金として300万円を出し、孫の学費や習い事も援助している。

 いわゆる教育ママだったサチコさん。2人の息子は中学受験をさせて、有名大学に入学させた。

「10代は大学に入れるのに苦労して、20代は就活でやきもきさせられて、30代は結婚でハラハラして、今はお金でドキドキさせられている」

 おどけた口調とは裏腹に、サチコさんの目は笑っていなかった。

 現金だけでなく、現物支給をアテにする。そんなかたちの子どもの「無心」も最近、多い。

 都内に住むユキさん(仮名、70歳)は、月に5万〜10万円くらい専業主婦の次女(40)から小遣いをねだられる上、月1万円分ほどの米を通販サイトから次女の家に送っている。

「孫をつれて実家に遊びにくると、軍隊アリみたいに、乾物・缶詰、肉などをごっそり持って帰っちゃう」

 とユキさん。頼られているうちが花だと思いつつ、次女から電話がかかってくるとドキッとするという。

 サチコさんやユキさんのケースのように、成人してからもずるずると親に生活を頼る子どもは珍しくない。親世代よりも、就労環境が厳しいという社会情勢も背景にあるようだ。また逆に、子どもが親に金銭的な援助を続けることで関係性が微妙になることも。息子の妻が「お義母さんへの仕送りで、子どもの将来が狭まっている」と気分を害し、孫に会わせてもらえなくなったという女性もいた。

「金銭的に援助していても幸せならばいいですが、無理をしているのならば、問題。親子で忖度し合わず、理想のゴールを紙に書いてお互いに話し合うことです」

 シニア世代の親との付き合い方に関する著書が多数ある医師の平松類さんは、こうアドバイスする。お金のことは相手に面と向かって言いにくく、親子でも「なんとなく」「なあなあ」になりがち。親も子も「察してほしい」とばかりに、決断を相手に委ねるようなコミュニケーションをしているために、どちらかが不満をためて関係が悪化するケースが見受けられるという。

 親子で話し合う際のポイントは、精神面と物質面を別々に考えること。

「精神的には子どものことを大切に思っていて、幸せになってほしいと伝えることです。それから物質面には限界があることを言わなければ伝わりません。子は親には余裕があると勘違いします」(平松さん)

 例えば、「現在の親世帯の収入は○円。その10%の○円までは援助できる。それ以上は生活が苦しい」など。死ぬまでに解決したい問題であれば、きちんと自分の意見を子どもや親に伝えることが大切だという。

「『察してほしい』コミュニケーションのままでは、解決策も着地点も見つかりにくくなり、結局双方が忖度し合って、どちらかが不利なまま過ごすようになりますよ」(同)

【価値観】結婚、離婚…子どもの人生を認められない

「娘の離婚がワガママの結果だと思えてしまう。顔を見るとダメ出しをして、あきれられてしまいます」

 元教師のミサコさん(仮名、72歳)は、長女のことをどうしても「褒めることができない」と悩んでいる。夫も教師で「努力すれば、まっとうに生きられる」と子どもは厳しく育ててきた。次女は要領がよく、中学受験も成功して親が望む大学にすんなり入ったが、長女は2浪し、大学を中退。海外放浪の末に、会社員の男性と32歳で授かり婚をした。しかし、35歳で離婚。

「長女に離婚の相談をされたとき、『パパが校長先生になるまで、私は学年主任にすらならなかったのよ。男の人は立てれば伸びる! もっと頑張りなさい。子どものためにも絶対に離婚しちゃダメ』と言ったんですけど、我慢しきれず離婚。ホントにいい婿だったんですよ。穏やかで優しくて」

 と嘆くミサコさん。「3歳で父親と引き離された孫がふびんでならない」と話すが、それから8年間、長女は実家に頼ることもなく一人で子育てをしてきた。昨年、ミサコさんにがんが見つかったときは、長女が入院に付き添ってくれた。

「教師として、よその子のことはいくらでも褒めてきました。それなのに、『甘やかしてはダメ』だと思うからでしょうか、長女の離婚がワガママの結果のように見えてしまって、本当は頑張って子育てしている長女を褒めたいのに褒められないんです」

 ミサコさんは長女の話題になると、最後は泣きだしてしまう。ミサコさんはどう対応すべきなのか。

「あなたにとっては子どもでも、ご自身が70代であれば、子どもは酸いも甘いもかみ分けたオジサン・オバサンになっていることに気づいてください」

 と平松さん。無垢な子どものころと違い、押し付けられても言うことはきかないものだ。

「一方で子どもはいつまでも親に甘えたいもの。『我慢してでも結婚を続けなさい。離婚したら子どもがかわいそう』は、わが子を突き放すようなもの。厳しいことを言っても最後は包んであげる親心はいつまでも必要です」(平松さん)

【毒親】「溺愛が苦しい」と子どもから縁を切られた

「26年間、長女との交流がありません。こんな親子関係もあるのだと世の中に受け止めてほしい」

 と明かすのはカオリさん(仮名、89歳)。自身はきょうだいが多く、物心ついたときから祖父母の元で育てられたため、自分の子どもにはさみしい思いをさせたくないと、長女は手塩にかけて育ててきた。

 そのかいあって、長女は大学を卒業し、無事に就職し、同僚と結婚。子どもには恵まれなかったものの、カオリさんには長女は幸せそうに見えたという。しばらくして弟である長男も結婚し、初孫が生まれ、両夫婦が里帰りをしたある年の正月のこと。孫に注目が集まってにぎやかに過ごした。だが、なぜか、それ以来、長女とは交流が途絶えてしまった。

「長女はそのとき、ひどい疎外感に落ち込んだのでしょうか。でもこれは私の想像にすぎません」

 カオリさんが気になるのは、後に長女の夫に言われたひとこと。

「お義母さんの溺愛のせいですよ」

 一度、長女を訪ねてみたものの、ドアは開かなかったという。

 親子で見ている風景が違うことはままある。カオリさんの長女ではないが、母親の愛情が重たかったという子ども側の声も紹介しておこう。

「母はいわゆる毒母でした。母から逃げたくて、関西で就職して結婚しました」

 弁護士のトモコさん(仮名、40歳)は、名門中高一貫校から一流大学に進学。それは母親の「監督」のおかげだと認める。

 一方、中学受験では「あれだけ塾代を払ったんだもの、頭がいいトモコちゃんなら、合格するわよね」と母親はプレッシャーをかけ、ストレスから血便が出ると「ママのせいなのね。トモコちゃんに迷惑をかけるなら、死ぬわ」と自殺未遂の狂言までしたという。

「ママの思いどおりにしないとママは死んじゃうという恐怖は、心の傷になっています」(トモコさん)

 トモコさんが、高卒の料理人の夫と結婚したときは「世界を股にかけて活躍する人と結婚してくれると思ったのに……」と母親はぼやき、子どもが生まれると「この子は、やっぱり弁護士にしたいわね」と繰り返した。

「一人娘だから親不孝と思われるかもしれませんが、会ってしまうと親の期待に応えなければ……と引き込まれてしまうのが怖いのです」

 結局、13年間、母親と連絡をとっていない。親の愛が子どもへの支配と呪いになり、互いに苦しむ親子は多い。

 トモコさんのようなケースについて、平松さんは次のように説明する。

「親は子どもに『より良くなってほしい』という願いがあり、それに際限はありません。それと同時に、『わが子は生きてさえいればよい』という願望があることも、子ども側は知ってほしいです」

 毒親と呼ばれる親と子の関係には、親は見返りを求め、子は期待に応えようとする気持ちがある。これがあると、お互いにつらくなることも指摘する。

「お互いに『相手が応えてくれなくてもいい、自分がしたいからしたんだ』という気持ちで接することで、関係はよくなっていくのではないでしょうか」(平松さん)

(ライター・前川亜紀)

※週刊朝日  2019年7月26日号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • 親に頼らず生きていられて良かった。子に頼る親でなくて良かった。主人は親に搾取され続けてたが、それももう無くなった。子は老後の保険じゃないし、親は金蔓じゃないもんなあ。
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