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姜尚中「輸出規制による日韓関係の改善は北朝鮮のソウル訪問が鍵を握っている」

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2019年07月24日 07:00  AERA dot.

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写真姜尚中(カン・サンジュン)/1950年熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了後、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在東京大学名誉教授・熊本県立劇場館長兼理事長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍
姜尚中(カン・サンジュン)/1950年熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了後、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在東京大学名誉教授・熊本県立劇場館長兼理事長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍
 政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします。

*  *  *
 日本政府が韓国に対し輸出規制強化をしたことで、日韓関係は戦後最悪の状況に陥りました。問題をこじらせてしまった理由として、文在寅(ムンジェイン)政権が日本国内の空気をほとんど読めなかったことが大きいと思っています。とりわけ徴用工の問題が出てきたときに、韓国政府は静観するのではなく早いうちに何らかの提案をすべきでした。日本国内の報道を見ていても、世論の6割以上が輸出管理強化に賛成しています。韓国にガツンとやってほしいという国内世論を背景に、官邸と経済産業省が主導したのでしょう。

 日本側は、現在の文政権を相手にしないことで文政権が韓国の中で孤立し、野党がより力を持つことで親日的な宥和(ゆうわ)勢力の増強を望んだのか。来年4月の韓国の総選挙に文政権が立ち往生するような結果になって欲しいという狙いがあったのか。それとも、兎にも角にも参議院選挙や日本国内の世論を考えた上での対応だったのか。今回の輸出管理強化の目的がどこにあるのかをもう一度、検証すべきだと思います。

 今回の輸出規制強化は、1、2年のスパンで考えれば韓国にとって大きなダメージです。一方で反財閥を旗印にしていた文政権がおおっぴらに財閥へテコ入れができるようになるなど、結果として文政権の追い風となりかねません。そればかりか今後、韓国経済が少しでも落ち込んだ場合には、日本のせいにできるわけです。また、この問題が大きくなった場合、世界的なサプライチェーンに影響を与えていくことになるでしょう。

 日韓の二国間だけで見ているだけでは、関係悪化というトンネルの中からいつまでも出られません。日韓関係をブレークスルーするための梃子(てこ)になるのは、やはり北朝鮮の問題だと思います。

 今後、米朝交渉で何らかの妥結が図られた場合、南北関係は好転するでしょう。楽観的なシナリオかもしれませんが、金正恩(キムジョンウン)のソウル訪問が可能になるようなことがあれば、日朝の無条件の交渉を支持する文政権が日朝交渉の仲介をかって出る可能性が出てきます。それを材料に日韓の間で政治的な歩み寄りが図られるという可能性がありそうです。

※AERA 2019年7月29日号

【おすすめ記事】姜尚中、元徴用工問題は「問題の本質からずれてしまっている」


このニュースに関するつぶやき

  • 内容をまとめると「北朝鮮との交渉権を取引材料にすれば日本からガスを買えるはずだ」。韓国のそういうところが世界から嫌われてるってことを認識して。
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  • まだ輸出規制強化って言うんだw さらには、あれ、日本国民が望んだポピュリズムなのか?w 東大名誉教授の名が廃るなw
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