「実名報道控えて」京アニは自粛求めるも…　犠牲者名を伝えるマスコミに非難の声

京都アニメーションは、放火事件の被害にあった社員やその家族らへの取材自粛を求めるとともに、実名報道を控えるよう申し入れていることを24日に公表した。しかし、マスコミは実名での報道や遺族への取材を続けているとして、SNSには非難する声があがっている。

犠牲になった女性21人、男性13人の身元が判明した25日、NHKは犠牲になった女性の一人を実名で報道。両親からの話として、遺体引取りまでの経緯や発見場所、死因などを伝えた。毎日新聞は実名でこの社員の通夜を参列者の写真や親族の声とともに伝え、テレビ朝日の報道ステーションでも報じられた。これらの報道は、まとめサイトやSNSにも転載され広く拡散している。

京都アニメーションが自粛を求めているにも関わらず、社員や家族への取材を続け、犠牲者の実名を公開する報道には、非難や怒りの声が多数。「ご家族への取材も平気でやる局ばっかりでニュース見れない」「ばんばん実名で報道しているマスコミはグズだと感じます。いくらご両親が了承したとしでも慎むべき」「遺族の気持ちを優先するのが当然だと思う」といった声や、「わざわざフルネームで【悲報】とかツイートしてる奴も」と拡散に加担する人を非難するコメントも寄せられている。

京都アニメーションは、放火事件についての文書を改訂し24日にホームページで公開。当面の間、会社や社員、その家族らへの取材自粛を求めるとともに、「警察及び報道に対し、本件に関する実名報道をお控えいただくよう、書面で申入れ」を行っていると公表。「ご家族・ご親族、ご遺族のご意向を最優先とさせていただきつつ、少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」としている。